10の姿に要注意!アプローチカリキュラム作成のヒント




アプローチカリキュラムを作成するとき、見直しするときに、10の姿を手がかりにしますよね。

保育所保育指針にも、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を手がかりにして話しましょう」というように書いてあります。

でも、

10の姿を手がかりにしてアプローチカリキュラムを作成するときに、次の事を注意しておかないと、とんでもないことになります。

それは10の姿は目標ではないということです。

 

この記事では、アプローチカリキュラムを作成する際に、注意するべき点と、具体的にどのような視点で作成していくかというヒントをお伝えしています。

とにかく、子ども達に無理のないようにして頂きたいです。

10の姿をアプローチカリキュラム作成のヒントとするために

10の姿はアプローチカリキュラム作成のヒントとなるのでしょうか。

もちろんなりますが、注意が必要です。

10の姿に使ってある言葉を安易に取り入れると、とんでもないことになります。

注意するべきことは、

10の姿は目標ではない

ということです。

10の姿は方向性

「10の姿が目標ではない」と言われて、「そんなバカな」と思っている人もいることでしょう。

しつこいくらいに言いますが、10の姿は目標ではありません。

実際に、保育所保育指針解説に書いてある言葉としては

  • 到達すべき目標ではない
  • 個別に取り出されて指導されるものではない
  • 全ての子どもに同じように見られるものではない

という言葉ですが、「目標ではない」くらい言わないと、「みんなが10の姿になってないといけない」と思ってしまう人がいます。

実際に、それを目指してしまっている園もあります。

「じゃあ、10の姿って何?」ということになりますが、

10の姿は方向性です。

一読するとお分かりになるように、10の姿はかなりレベルが高い内容であり、5歳児終了までに100%実現することを求めるものではありません。あくまでも、「こういう姿を目指してほしい」という方向性と捉えてください。3、4歳児は5領域をベースとし、5歳児から10の姿をイメージした保育を意識していただきたいと思います。

出典:白梅学園大学 武藤隆教授のFacebook

武藤先生も言ってるので信じてください。

  • 10の姿はかなりレベルが高いんです。
  • 100%実現することを求めるものではありません。
  • あくまでも方向性と捉えてください。

ということなんです。

このことは、

「3つの柱」「5領域」「10の姿」と「ねらい」との関係でもお伝えしていますので、ご覧ください。

10の姿の話は小学校の先生に通じない

アプローチカリキュラムを作成するときに、10の姿を手がかりにします。

その際、気をつけてもらいたいことは

本当の意味での10の姿の話は小学校の先生に通じないということです。

先程お伝えした、保育所保育指針解説に書いてある言葉は、

  • 到達すべき目標ではない
  • 個別に取り出されて指導されるものではない
  • 全ての子どもに同じように見られるものではない

というものでした。

でも、小学校の先生にとって目標というものは

「かなりレベルの高い10の姿を、できれば全ての子どもが達成するべき」

という捉え方になるんです。

ということは、

小学校の感覚でアプローチカリキュラムやスタートカリキュラムを作成すると、とんでもなくレベルの高いものができあがり、時間をかけて苦労して作っても子どもの実態とはかけ離れたものができあがる

ということになりかねません。

このことについて詳しくは、
「10の姿」で語っても小学校の教員に通じない3つの理由と対処法をご覧ください。

ここでも、10の姿を「方向性」としてではなく「目標」として捉えていることから誤解が生まれます。

決して小学校の先生が悪いのではありませんよ。

「目標は達成するもの」という感覚が普通ですから。

アプローチカリキュラム作成の具体的なヒント

では、実際にアプローチカリキュラムを作成する際、どうすればよいのでしょうか。

ポイントは

  • 子どもの姿をありのままにとらえる
  • 今の生活を大事にする

というところにあります。

子どもの姿をありのままにとらえる

一言でまとめると、

保育指導案を作成するときと同じということです。

保育指導案を作成するとき

  1. 子どもの姿をとらえる
  2. ねらいをどうするか考える
  3. ねらいを達成するために何をするかを考える

この順番です。

(この順番も、小中学校は保育と違います。)

ねらいを考える時には、5領域や園の保育方針などを参考にしますよね。

アプローチカリキュラムを作成するとき

  1. 年長後半の、子どもの姿をとらえる
  2. 修了や育了時に、どんな姿になっているか考える
  3. その姿になるために何をするかを考える

このとき参考にするのが、10の姿です。

保育指導案を作成するときと同じと考えると、10の姿に書いてある言葉をそのまま使うのではないということが分かりますよね。

保育指導案を作成するときには、5領域や園の保育方針の言葉をそのまま使うことはありませんから。

今の生活を大切にする

アプローチカリキュラムだからといって、特別に新しいことをしようと考えるから大変です。

今の生活を大切にしましょう。

例えば、修了・育了に向かっての生活です。

1年生になるのを楽しみにしている子どもがいますよね。

だとしたら、アプローチカリキュラムには「小学生になることを楽しみにしながら生活する」と書くことができます。

そして、「その姿が現れるように何をするか」と考えていけばいいんです。

式のリハーサルで、よい姿勢で座っている子どもがいたら「小学生になる自覚をもって、態度で表す」という書き方にすることもできるでしょう。

同じく、「その姿が現れるように何をするか」と考えていけばいいんです。

普段の生活を保育指導案に表すときと同じです。

スタートカリキュラムへのつなげ方

小学校のスタートカリキュラムも同じことです。

実際の子どもの姿を見ずにスタートカリキュラムを作成するから、保育とつながらないんです。

ハッキリ言わせてもらうと、小学校の先生が幼稚園・保育所の子ども達の姿を見ずに作成したスタートカリキュラムは、あまり意味がありません。

「保育中に見に来る時間がない」と言われるのであれば、録画して、話し合いをもつときに映像を見ればいいことです。

先程の

  • 小学生になることを楽しみにしながら生活する
  • 小学生になる自覚をもって、態度で表す

これらが

  • 実際はどんな姿なのか
  • 先生達は、どんな環境を整え、どんな声をかけているのか

これが分かれば、その姿の続きを書くだけでスタートカリキュラムになります。

まとめ

実際の子どもの姿を見ずに、10の姿の言葉を見て悩んでいませんか?

10の姿は子どもの姿を理解するための「おおよその基準」です。

10の姿の言葉だけを見てアプローチカリキュラムやスタートカリキュラムを作成しても、それは形だけのものになってしまいます。

アプローチカリキュラムもスタートカリキュラムも、保育指導案と同じことです。

  1. 子どもの姿をとらえる
  2. ねらいをどうするか考える
  3. ねらいを達成するために何をするかを考える

これと同じ順番で作成しましょう。

「いや、これだけじゃ具体的なことが少なくてまだ分からない」ということであれば、お問い合わせから「研修希望」または、「カリキュラム作成のコンサル希望」の連絡をくださいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「もっといろいろと知りたい」という方は、
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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。