【しつけより格段に効果的】子どものあいさつには大人の「チームプレー」がオススメ

もしあなたが、子どもに「あいさつができるようになってほしい」と思っているならば、「しつけをどのようにするか」と考えるよりも、誰かとチームプレーをする方がずっと効果的です。今回の記事では、子どもの発達を考えた「チームプレー」の方法をお伝えします。

あいさつはなぜ大切なのか

まず、あいさつはなぜ大切なのかということを考えてみましょう。考えるまでもなく、人間関係を円滑にするために大切だという気もしますが。検索してみたら分かりやすい記事を見つけたので引用させてもらいます。

挨拶というのは、人と人とが関係をつくっていくときに、相手がいまどのような状態であるかということを知るためにとても大切なものなんです。

引用元:シンプリィライフ 【挨拶の大切さ】子供に伝えたい3つの意味。

やはり人間関係にとって、あいさつはとても大切なんですよね。ところが、子どもの発達を考えたとき、「人間関係にとって大切だからあいさつをしましょう」という話だと通じにくいんです。この点で、「しつける」「言い聞かせる」よりもチームプレーが効果的なんですよ。

子どもの発達を考えたとき「あいさつをする」はいつ頃のことなのか

幼児にとって「あいさつをする」とはどのようなものなのでしょう。「保育所保育指針解説」に書いてあることを見てみましょう。

保育所保育指針解説には、「挨拶」という単語が35回出てきます。そのうち、子どもの「人間関係」に関して登場するのは1回だけです。32回は子どもの「言葉」に関して登場します。幼児期の子どもにとって、あいさつは「人間関係」というよりも「言葉」なんですよね。もちろん、「言葉」ととらえたとしても、あいさつに変わりはありませんが。

子どもは、このような日常の挨拶を初めからできるわけではない。特に、初めのうちは、担任の保育士等やごく親しい友達にしか挨拶ができないことが多いであろうし、また、その挨拶の仕方も言葉よりも動作や表情が中心になることが多いであろう。

引用:保育所保育指針解説  3 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容 (2)ねらい及び内容 エ 言葉の獲得に関する領域「言葉」

3歳以上児のことを書いてある部分から引用しました。3歳以上児でも

  • 初めからできるわけではない
  • 担任の保育士等やごく親しい友達にしか挨拶ができないことが多い
  • 言葉よりも動作や表情が中心

ということなんですよね。出かけた先で知り合いと出会ったときに、子どもに向かって「ほら、あいさつは」なんて言ってもできないのは普通なんです。また、小学校のあいさつ運動などでよくあるような、「大きな声で」「自分から」などということは、保育指針解説には見当たりません。

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

子どもにさせるのではなく大人がどうするか

では、どうすればよいのでしょうか。これも、保育所保育指針解説に書いてあることからいくつか紹介します。

  • 丁寧に温かく言葉をかけながら関わる
  • 言葉を交わしたくなるような信頼関係を築く
  • 明るく和やかな雰囲気となるよう心がける
  • 率先して周囲の人に挨拶をしている姿を示す
  • 同じ場面で繰り返し行う
  • ごっこ遊びの場面で行う

実はこれ、先ほど引用したところとはちょっと違う部分です。今度は「1歳以上3歳未満児」のところから抜粋しました。保育の現場では、1歳から3歳にかけてもこれだけのことをやっているんですよね。

これらは、あいさつに関しての働きかけを短く抜き出したものです。もちろん、あいさつだけに影響があるのではなく、言葉全体にも関わりがあります。もし、興味がある方がいらっしゃったら、保育所保育指針解説を読んでみてください。

保育所保育指針解説 2 1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容 (2)ねらい及び内容 エ 言葉の獲得に関する領域「言葉」

保護者もできるあいさつのチームプレーとは

次に、保護者もできることをお伝えします。

  • 子どもにもあいさつをする
  • なんらかの反応があったらさらに声をかける
  • あいさつができないことには触れない

この3つです。誰かが一方的にやっても効果はありますが、互いにやってチームプレーにすると、さらに効果的です。

子どもにもあいさつをする

「自分が友達と一緒にいるとき、たまたま友達の知り合いと出会って、友達の方にだけ話しかけられ、自分はどう振る舞うのかちょっと困った」という経験はありませんか?子どもも同じことです。たとえば、登園時に誰かと会ったとき、あいさつをしますよね。このとき、子どもにもあいさつをしていますか?大人同士であいさつをするだけでは、子どもにとっては他人事です。「出会った人にあいさつをする」が当たり前になるように、子どもにもあいさつをしましょう。

何らかの反応があったらさらに声をかける

子どもにあいさつをしたとき、何らかの反応があったらさらに声をかけましょう。あいさつが声で返ってこなくてもいいんです。「こっち向いてくれたね」「ご機嫌だね」「今日は工作するらしいね」など、大人と会話をすることと同じです。これにも声が返ってくる必要はありません。子どもの警戒心が無くなるまで、根気よく続けましょう。

あいさつができないことには触れない

あいさつをするとき、子どもがあいさつできないことには触れないようにしましょう。「あいさつできた方がいいよ」とか、「ほら、○○ちゃんはできるのに(と自分の子どもに言う)」とかを言う必要はありません。これも大人と同じことです。「○○さんの家では毎日10品くらい全部手作りのおかずが並ぶらしいよ」なんて要求されたら、けっこうな問題になる家庭があるのではないでしょうか。できないものはできませんし、言われてやるようになったとしても無理があります。大人も子どもも同じことです。

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保育塾ベーシックの紹介

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。