伝わりやすい保育指導案の書き方【ボキャブラリー(語彙)を増やして適切に表現する】

保育指導案に、毎週、似たような「ねらい」を書いてしまう。

月案と週案に書いていることが同じって言われた。

もっと違うことが書きたいのに、調度良い言葉が見付からない。

こんな風に思ったこと、ありませんか?

この記事では、ねらいや内容を書くときの、ちょっとしたコツと、子どもの姿や環境に関わるたくさんの言葉を紹介しています。

適切な表現で、ねらいや内容を書くことができるどころか、これまでとは全く違った書き方になる人もいるでしょう。

覚えようとすると大変なので、保育指導案を書くときに、この記事を参考にしてくださいね。

ボキャブラリー(語彙)を増やすと保育指導案に書く文章の表現が豊かになる

ボキャブラリーを増やすと、保育指導案の表現は豊かになります。

たとえば、友達と関わる「ねらい」を考えてみましょう。

月案で「気の合った友達と一緒に遊ぶ楽しさを味わう」という「ねらい」をたてたとします。

月案で、この「ねらい」にしたということは、

その月の終わり頃には、気の合った友達同士で一緒に楽しく遊ぶ姿が見られるはずです。

じゃあ、週案の「ねらい」は、どのように書くと良いでしょうか?

本来なら、子どもの実態をしっかり見て書けば、自然に、月案を踏まえた週案の「ねらい」になります。

月案も、子どもの実態をしっかり見て書いているはずですから。

そして、子どもの実態をしっかり見て書けば、自然に、毎週違う「ねらい」になります。

子どもは毎週、育ち続けていますから。

それでも上手くいかないのであれば、月案で書いた「気の合った友達と一緒に遊ぶ楽しさを味わう」をベースにして考えてみましょう。

「気の合った友達は、遊んでいく中で見付けてほしい」「とにかく、誰かと一緒に遊ぶ楽しさを感じてほしい」ということであれば、

気の合った友達」の部分は、

同じ場にいる友達」「側にいる友達」「同じ遊びをしている友達」「お気に入りの遊びが同じ友達」「保育者や周りにいる友達

などと言い換えることができます。

「気の合った友達を大事にしてほしい」「気の合った友達との関わりを深め、一緒に遊ぶ楽しさを味わってほしい」ということであれば、

一緒に遊ぶ」の部分は

側で遊ぶ」「一緒に行動する」「近くにいようとする」「気にかける」「優しくしようとする

などと言い換えることができます。

さらに、気の合った友達かどうかに関わらず、「(一緒に)遊ぶ楽しさを味わう」の部分は、

(一緒に)遊ぼうとする」「(一緒にいる)心地よさを感じる」「同じことをしようとする」「同じものを使おうとする」「同じ言葉を言ったり動きを真似したりして楽しむ

などと言い換えることができます。

文の3カ所を5通りずつ言い換えただけで、単純計算で、5×5×5=125通りの「ねらい」ができます。

10通りずつ言い換えれば10×10×10で1,000通りです。

このように、一つの「ねらい」を考えただけでも、何百通りにも表現できます。

ということは、本やサイトで、どれだけ時間をかけて探しても、子どもの実態にピッタリの例文は、見付かるはずがありません。

この記事を見ているあなたは、ねらいや内容を自分で書こうとしていますよね。

もし、あなたの周りに、例文を写してしまう人がいるなら、【例文を写すことがある人へ】保育指導案レベルアップへの4ステップを紹介してあげてください。

5W1Hを信じてはいけない

文章は、5W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように)で書きましょう・・・と言われることがありますが、ねらいや内容を書く場合は、ほとんど当てはまりません。

「気の合った友達と一緒に遊ぶ楽しさを味わう」

この文には、5W1Hの中の、「なにを」しかないですね。

まず、「だれが」が省略されます。

子どものために書いているので、「子どもが」「子ども達が」に決まっています。

人との関わり方なので、「なぜ」を使うことは、めったにありません。

そして、人との関わり方なので、5W1Hではない、「だれと」が大事です。

詳しく表現しようとして、「いつ、どこで、なにを、どのように」を使いすぎると、文が長くなって分かりにくくなります。

という訳で、できるだけ少ない言葉で、適切に表すために、ボキャブラリー(語彙)を増やすことが大事です。

具体的な言葉を並べるとヒントになる

それでは、具体的な言葉をたくさん並べてみます。

「もう少し違う表現はないかな」というときの、ヒントにしてくださいね。

切りがないので、途中ですが公開してしまいます。

言葉と項目は、少しずつ増やしていきますので、また見てくださいね。

「こんな具体例を知りたい」ということがあれば、問い合わせフォームからリクエストをください。

同時にたくさんのリクエストがない限りは、すぐに対応して書き加えます。

人との関わり方に関する言葉

自分で、友達と、みんなで、2~3人で、数人で、男の子達で、女の子同士で、仲の良い友だちと、昨年も同じクラスだった友達と、家でも一緒に遊ぶ友達と、気の合う友達と、好きな友達と、一緒にいて安心できる友達と、一緒にいてくつろげる友達と、保育者と、安心できる保育者と、自分1人でも、同じ場にいる友達と、同じ遊びをしている友達と、側にいる友達と、一緒に遊ぶ友達と、同じことをしている友達と、同じイメージをもった友達と、同じ願いをもった友達と、同じめあてをもった友達と、競い合っている友達と、チームの友達と、グループの友達と、学級の友達と、年長の友達と、先生と、小学生と、家の人と

一緒に、側で、同じ場で、同じ遊びで、同じ空間で、近くで、離れて

同じ立場で、互いに、対等に、同等に、順番に、譲り合って

いつも、しょちゅう、ずっと、常に、ことある毎に、度々、できるだけ、ときには、たまに、たまたま

遊ぶ、遊ぼうとする、側による、近くに行く、近くにいようとする、くっつく、じゃれ合う、触れる、頭をなでる、手をつなぐ、スキンシップをとる(はかる)(求める)、話す、話しかける、おしゃべりする、優しくする、優しくしようとする、気にかける、気にする、気にして見る、気づかう・・・「友達と一緒に何をするか」「友達に対してどうするか」は、いくら挙げても切りがないので、これくらいにしておきます。

追求力に関する言葉

「誰と一緒に追求するか」ということが書きたかったら、「人との関わり方に関する言葉」に書いてある言葉を見てください。

できるだけ自分で、手伝ってもらいながら、はげまされながら、見守られながら、安心できる環境の中で、応援されて、教えてもらって、聞きながら、尋ねながら、手を貸してもらいながら、助けてもらいながら、教え合いながら、協力して、手を貸し合って、手を取り合って、一緒に、刺激し合って、競い合って、高め合って、認め合って、思いを言い合って、思いを伝え合って、伝え合いながら

何度も、最後まで、集中して、イメージ通りになるまで、できるまで、自分なりに、友達と同じようになるまで、繰り返し、あきらめずに、何日も続けて、自分のペースで、休まずに、こだわって、存分に、十分に、長時間、何時間も、登園するとすぐに、思いついたらいつでも、ちょっとした時間を見付けて

する、しようとする、挑戦する、やり続ける、取り組む、やりとげる、し続ける、試す、やってみる

秋の自然に関する言葉

秋の訪れ、秋の気配、秋の深まり、秋になったこと、秋らしさ、秋への移り変わり、夏の次が秋であること、今が秋であること、秋という季節、季節が秋に変わっていくこと、秋から冬へと変わっていくこと、秋が終わること

自然物、自然の変化、自然物の変化、気温の変化、水の冷たさ、涼しくなったこと、暑くなくなったこと、涼しさ、寒さ、風の吹き方、雨の振り方、木枯らし、葉の色が変わること、葉が散ること、実ができること、実の色が変わること、実が落ちること、秋の植物、生き物の様子が変わっていくこと、生き物の動きが変わること、見られる生き物の種類が変わること、見られる生き物が少なくなること、生き物が冬眠すること、冬眠の準備

眺める、観察する、匂いを嗅ぐ、採る、拾う、集める、並べる、使う、使って遊ぶ、利用する、見立てる、世話をする、準備をする、話し合う、逃がす、捕まえないでおく、調べる、聞く、尋ねる、知る、触れる、気付く、見る、感じる、考える、味わう、体感する、体験する、経験する

食事に関する言葉

「食事にどのように向かうか」ということを考えると、実は追求力に関することを書くときと似ています。食事に関しては、年齢が低くなるほど詳しく書きますよね。「ねらい」や「内容」に書いた通りにすることよりも、子どもの姿そのものを大事にしてください。十分にご承知でしょうが、念のため。

誰と関わって
安心できる保育者、特定の保育者、慣れ親しんだ保育者、いつも一緒にいる保育者(もう少し年齢が高い子どもについては、「人との関わり方に関する言葉」を参照にしてください)

どのような状況で、どうしてもらって
落ち着いた雰囲気の中で、楽しい雰囲気の中で
安心できる保育者(に、のそばに、のそばで、がそばにいる状況で、と一緒に、と、が関わり、にしてもらって、に手伝ってもらって、に声をかけられて、に促され、~と声をかけられ)

どう声をかけられるかは・・・ゆったりと、明るく、楽しそうに、優しく、具体的な食材を示して、「モグモグ」と

どれくらいの意欲で
意欲的に、自ら、自分から、声をかけられ、促され、自分のペースで、ゆっくり、(何分程度の)時間をかけて、(何分程度の)時間がかかり、急ぐように、~されると、満足するまで、十分に、少しずつ、わずかに、よく、しっかり、嫌がらず、進んで、喜んで、笑顔で

実際どうするか
~しようとする、飲ませてもらう、食べさせてもらう、口に運んでもらう、(口を閉じて、唇を閉じて、よく噛んで、モグモグして、握ってetc)食べる、食べたり飲んだりする、~をする、しっかり噛む、飲み込む、食べてみようとする、好き嫌いをする、~を好む、◯◯な味を好む、~することが多い、~することがある、~期の食事をとる、食べている、カミカミする、楽しむ、楽しんでいる、喜ぶ、感じる、感じている、飲む、こたえる、過ごす、慣れる、触れる、味わう、慣れていく、咳き込む、吐く、吐き出す、口から出す、嫌がる、反応する、~して気持ちを伝える、~の動きに表す、~の表情に表す、泣く、手づかみする、立ち上がる、立ち上がろうとする、遊ぶ、口を動かす、食事をする、こぼす、落とす、手を入れる、握る、ばたつかせる、しぐさをする、口に持っていく、~して空腹をしらせる、こぼさず飲む

※「舌でつぶして食べる」「離乳食が完了してくる」など、発達に関しての表現が分からなければ市販の本を見てください。この記事の主旨は、文を書くときの表現の参考になるよう、言葉を並べることです。

まとめ

保育指導案の、「ねらい」や「内容」を詳しく書こうとして、修飾語をたくさんつけると、文が長くなって読みづらくなります。

少ない言葉でも、詳しく伝わるように、ボキャブラリー(語彙)を増やしましょう。

ボキャブラリー(語彙)を増やすと、保育指導案に書く文の表現が豊かになります。

短い文でも、読んだ人に意図が伝わりやすくなります。

保育指導案を書いているときに、調度良い言葉が思い浮かばないときは、この記事を読み返してくださいね。

この記事は、伝わりやすい保育指導案の書き方【ねらいと内容にぴったりの言葉が思い浮かばない人へ】の一部を、詳しく書き直したものです。

ねらいと内容にぴったりの言葉が思い浮かばないのには、他にも理由があります。

ボキャブラリー(語彙)を増やしても、うまく書けないのであれば、

伝わりやすい保育指導案の書き方【ねらいと内容にぴったりの言葉が思い浮かばない人へ】も、読んでみてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。