【大問題!】「3つの柱」で子どもの評価を求められる可能性と対応法




保育関係者のみなさんにとって、大変なお知らせです。

「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」「3つの柱」がありますよね。

「それでは今から、この3つの柱を視点に子どもを評価してください。」

と言われたら、すぐにできますか?

 

「評価って、保育内容の評価や自己評価じゃないの???」

と、思われるかもしれませんが、

これから先、「3つの柱」で子どもの評価を求められる可能性がある人もいます。

特に、小学校との連携や一貫教育に取り組んでいる人です。

「幼稚園や保育所でも、3つの柱のこと知ってるんでしょ。じゃあできるでしょ。」

って、当然のように言われるかもしれませんよ。

 

この記事では、「3つの柱」がどのようなものかを、他校種のことも合わせて、分かりやすいように説明しています。

誤解の無いように言っておきますが、「3つの柱」で評価をどのように書くかっていう記事ではありませんからね。

書くことを求められたときに、訳が分からないからって、あいまいな返事をしてはダメですっていう記事です。

しっかり分かって、「保育での評価とはこういうものです。」と言えるようになるつもりで読んでください。

 

「3つの柱」の意味をもう一度考える

保育にとっての「3つの柱」

幼稚園教育要領や保育所保育指針には、次のように載っています。

豊かな体験を通じて、感じたり、気付いたり、分かったり、できるようになったりする「知識及び技能の基礎」
気付いたことや、できるようになったことなどを使い、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする「思考力、判断力、表現力等の基礎」
心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとする「学びに向かう力、人間性等」

出典:保育所保育指針

小学校や中学校の「3つの柱」は

「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」です。

「~の基礎」の部分がありません。

 

たったそれだけの違いですが、「基礎」があるとないとでは、全く意味が変わります。

【保育だけ特別!】「資質・能力の3つの柱」でみんなが誤解してしまうことでも、そのことを詳しく書いています。

ようするに、「基礎」って言っているのに、「知識」とか「思考力」の方ばっかり見ていてはダメということです。

「基礎」が目に入らなくなると、保育ではなくて、授業のようになってしまいます。

 

どうすればよいかというと、

豊かな体験を通じて、感じたり、気付いたり、分かったり、できるようになったりする「知識及び技能の基礎」
気付いたことや、できるようになったことなどを使い、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする「思考力,判断力,表現力等の基礎」
心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとする「学びに向かう力,人間性等」

出典:保育所保育指針

の前半部分を大事にしましょう。

  • 豊かな体験を通じて、感じたり、気付いたり、分かったり、できるようになったりする
  • 気付いたことや、できるようになったことなどを使い、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする
  • 心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとする

大事にするのはこっちのほうです。

 

普段の保育に、「3つの柱」がどのように関わっているかを書いた記事が

「3つの柱」「5つの領域」「10の姿」と「ねらい」との関係です。

そして、教育課程・保育課程や、指導計画との関わりを書いた記事が

「3つの柱」「10の姿」を踏まえた教育課程・全体的な計画の見直し方です。

一言で言うと、「今までと特別に変えることはないですよ。」って言ってます。

 

小学校や中学校での「3つの柱」

小学校や中学校での「3つの柱」というのは、どのようなものでしょうか。

とにかく簡単に説明しますね。

 

小学校や中学校ではこうです。

「3つの柱」は「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」

こんな言葉もあります。

「学力の3要素」は「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体的に学習に取り組む態度」

「3つの柱」と「学力の3要素」は、そっくりですよね。

 

そして、現在は、次の4つの観点で評価をしています。

「知識・理解」「技能」「思考・判断・表現」「関心・意欲・態度」

また、似たような言葉が出てきましたね。

 

小学校も学習指導要領が改訂され、平成29年3月に告示されました。

今回の改訂では、「教育目標・内容と学習・指導方法、学習評価の在り方を一体として捉え」検討されています。

ものすごく簡単に言うと、

「目標と、学ぶ内容と、指導の仕方と、評価の仕方は、分けずに考えないと。」

「学力の3要素って言ってるから、評価が4つの観点だとややこしいんじゃない?3つにしようよ。」

ということなどが検討されました。

 

初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問)

↑ここで改定の方針が文部科学大臣から出されて、

幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について (答申)

↑ここで、どのように改定していくかが答えられています。

一応、根拠としてリンクは貼っていますが、難しいので、余裕のある人だけどうぞ。

 

評価について、結局どう書いてあるかというと

「知識・ 技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点になりました。

「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の「3つの柱」と、そっくりですね。

「目標と、学ぶ内容と、指導の仕方と、評価の仕方は、分けずに考えないと。」ということを考えて決められたので、そっくりになるのも当然です。

学習指導要領でも、

今回の改訂では、各教科等の目標を資質・能力の三つの柱で再整理しており、 平成28年12月の中央教育審議会答申において、目標に準拠した評価を推進するため、観点別学習状況の評価について、「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に整理することが提言されている。

小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 総則編

と、上で紹介した中央教育審議会答申を基に、評価について記載しています。

ということは、

「3つの柱」と「評価」って、小学校や中学校の先生にとって、似たようなものなんです。

 

評価について求められたときの対応方法

小学校や中学校の先生にとって、「3つの柱」と「評価」は似たようなものです。

似たようなものというか、必ずセットで考えないといけません。

ということは、

幼稚園も子どもの評価を「3つの柱」を基にできると思うのは自然なことです。

「できるはずなのに、やってないなんて」という思いも出てきます。

「幼稚園も、ちゃんと評価を書いてよ。」「3つの柱があるのに、なんで書けないの?」と言われたら、どうしますか?

 

困って曖昧な態度を取っていてはいけません。

「幼稚園や保育所の評価というのは、小学校と違うんです。」と、はっきり伝えましょう。

「分かるように説明してよ。」と言われたときには、

幼稚園教育要領や保育所保育指針を見せて説明しましょう。

 

納得してもらえないときには、この記事で紹介した、中央教育審議会答申を見せましょう。

幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について (答申)

ここには、評価のところに、「高校の取り組み方が、小中学校とは、ちょっと違うんじゃないの?」ということは少し書かれています。

でも、幼稚園の評価については触れてありません。

「幼稚園で小中学校と同じような評価が必要なら、ここに書いてあるはずです。」ということを、はっきり伝えましょう。

 

ついでに言うと、評価については、

「子供たち一人一人が、前の学びからどのように成長しているか、より深い学びに向かっているかどうかを捉えていくことが必要である。」

という記載もあります。

保育で取り組んでいることは、こちらに似ていますよね。

「むしろ保育のやり方に合わせることの方が必要なんじゃないですか?」

とまで言うと、ケンカになってしまうので、やめてください。

 

まとめ

保幼小連携や、一貫教育に取り組んでいると、「3つの柱」で子どもの評価を求められる可能性があります。

小学校や中学校は、評価までがセットなので、それは自然なことです。

「全然分かってもらえない。」などと、悲しむ必要はありません。

お互いの違うところや共通したところを、理解し合うのが、連携や一貫教育です。

たとえば、こんなところも違います。

幼稚園・保育所の「教育課程・全体的な計画」と「カリキュラム」の違いとは【小中学校とは違います】

 

みんなが最初から分かり合っていたら、一貫教育など必要ありません。

サラッと言ったけど、これはすごく大事なことです。

連携や一貫教育については、【WARNING!】保幼小連携や一貫教育で絶対にやってはいけない4つのこともご覧ください。

 

「保育園でも評価を書いてよ。」って言われたときは

  • 幼稚園や保育所の評価は、小中とは違うということをはっきり伝えましょう
  • 幼稚園教育要領や保育所保育指針などを見せながら説明しましょう
  • 納得してもらえないときは中央教育審議会答申を見せましょう

学校の先生と話をするときには、文科省の資料など、説得力のあるものを見せると、納得してもらえますよ。

 

「3つの柱」と同じように、「10の姿」についても、小学校の先生とのすれ違いは起ります。

「10の姿」で語っても小学校の教員に通じない3つの理由と対処法もご覧ください。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。