鍵盤ハーモニカ、鉄棒、跳び箱、字を書くこと、計算・・・今までに「できない」ことが「できる」ようになったら、誰だって嬉しいですよね。もちろん、子ども達も何かが「できるようになること」は嬉しいんです。
でも、実は・・・
できるようになるだけでは全然足りないんです。
この記事では、子ども達が育つ上で必要不可欠な◯◯◯をお伝えします。
子どもの育ちが大きく変わりますよ。
子どもの育ちに不可欠な○○○って何?
子どもを育てるとき、何かをできるようにするだけでは全然足りないんです。これは、「保育所保育指針」や「幼稚園教育要領」(保育士や幼稚園教諭にとっての教科書みたいなもの)に書いてあります。そこから1部分、引用しますね。3歳以上児の「健康」に関する「ねらい」です。
① 明るく伸び伸びと行動し、充実感を味わう。
引用:保育所保育指針
② 自分の体を十分に動かし、進んで運動しようとする。
③ 健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する。
保育所では、3歳以上児がこんな風に育つように保育をします。
実は、この「ねらい」を見ると、子どもの育ちに必要なことが分かるんです。
今度は、分かりやすいよう色をつけてみますね。
①明るく伸び伸びと行動し、充実感を味わう。
引用:保育所保育指針
②自分の体を十分に動かし、進んで運動しようとする。
③健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する。
「充実感を味わう」「進んで運動しようとする」「見通しをもって行動する」
この3つには、全部「気持ち」が関わってきます。
子どもの育ちに必要不可欠なものは「気持ち」
子どもの育ちに必要不可欠なものは「気持ち」です。「保育所保育指針」という、保育士の教科書のようなものに示してあるんです。3歳以上児の「健康」についての「ねらい」を見ると、子どもの育ちには「気持ち」が必要不可欠であるということが分かります。
「健康」の「ねらい」は気持ちが基になっている
①明るく伸び伸びと行動し、充実感を味わう。
引用:保育所保育指針
②自分の体を十分に動かし、進んで運動しようとする。
③健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する。
「さあ、充実感を味わいましょう。」と言われて、「はい。今から充実感を味わいます。」とはなりませんよね。「充実感を味わう」って、周りの環境も自分の調子も整っている中で「ああ、充実してるな」と感じる、「気持ち」に関わることです。
「進んで運動しようとする」って、「進んで運動する」ではないんです。実際に上手くいかなくてもいいんです。上手くいかず、悔しい気持ちを感じるとか、悔しくて泣いても、でも「頑張ってみよう」と前向きな気持ちになるとか、「気持ち」に関わることも含んでいるんです。
「見通しをもって行動する」も、行動する前に、「もうすぐ給食だから、もっと遊びたいけど、これ以上道具を出すのはやめておこう」などと、気持ちの整理が伴ってきます。
保育所でするべき保育の、「健康」の「ねらい」は3つあります。3つとも、気持ちに関わること、気持ちが基になっていることなんです。じゃあ、「健康」以外の「ねらい」はどうなっているのでしょう?
人間関係のねらい
①保育所の生活を楽しみ、自分の力で行動することの充実感を味わう。
引用:保育所保育指針
②身近な人と親しみ、関わりを深め、工夫したり、協力したりして一緒に活動する楽しさを味わい、愛情や信頼感をもつ。
③社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。
人間関係のねらいも、 「気持ち」を表す言葉がたくさん出てきます。
環境のねらい
①身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ。
引用:保育所保育指針
②身近な環境に自分から関わり、発見を楽しんだり、考えたりし、それを生活に取り入れようとする。
③身近な事象を見たり、考えたり、扱ったりする中で、物の性質や数量、文字などに対する感覚を豊かにする。
環境のねらいにも、「気持ち」のことが全面に書かれています。
本当に「気持ち」のことばっかりなの?
この記事で取り上げた、「健康」「人間関係」「環境」の他にも「ねらい」はあります。他のものについても、「気持ち」が基になっています。この記事では3歳以上児の「ねらい」について紹介しましたが、3歳未満児の「ねらい」についても、「気持ち」のことが全面に出てきます。幼稚園も、こども園も同様です。
保育所保育指針
幼稚園教育要領
幼保連携型認定こども園教育・保育要領
気持ちが大事ならどうすればいいの?
「気持ちが大事なら、じゃあどうすればいいの?」と思いますよね。保育士や幼稚園教諭の教科書を持ち出して話をされても、難しくて困惑してしまいます。
でも大丈夫です。子どもと接するとき、思い出してほしいことが1つだけあります。1つだけなので、ぜひ覚えておいてください。
「何をしてほしいか」ではなく「何を感じてほしいか」
あなたは、学校でした勉強を、今も続けていますか?続けている人は、おそらく、ごく少数ではないでしょうか。でも、音楽の勉強を続けてなくてもカラオケ好きな人はいます。体育の勉強を続けてなくても、毎日のように走っている人はいます。
好きなこと、楽しいことは、ずっと続けてやりたいものですよね。そのうち、上達したくて自分で調べたり記録したり分析したり習いに行ったりすることもあります。自主的に学ぶようになるんです。この根底となる「好き」や「楽しい」などを、子どもが十分に感じるようにすればいいんです。
「鍵盤ハーモニカを弾けるようになってほしい」ではなく
「音楽の楽しさを感じてほしい」
「跳び箱を跳べるようになってほしい」ではなく
「身体を動かす気持ちよさを感じてほしい」
「字を書けるようになってほしい」ではなく
「文字に興味をもってほしい」
できるまで何度も繰り返すことが、楽しさや気持ちよさ、興味につながるでしょうか?「何をしてほしいか」ではなく「何を感じてほしいか」と思えば、子どもへの接し方も見えてきます。
カラオケやジョギングの楽しさは、おそらく保育所や学校で教えてもらったものではありませんよね。あなたが「楽しい」と感じたのと同じように、子どもが「楽しい」と感じることをやっていけるようにすればいいんです。
まとめ
子どもが何かをできるようになることは、もちろん大事です。ですが、保育所や幼稚園でしていることは、「好き」や「楽しい」などを、子どもが十分に感じるようにすることです。保育士や幼稚園教諭の教科書にも、「気持ち」を大事にした「ねらい」が書いてあります。
大事なことは 「何をしてほしいか」ではなく「何を感じてほしいか」
これを覚えておけばいいんです。子どもが「楽しい」と感じることをやっていけるようにすればいいんです。
一応、オマケとして跳び箱の指導方法を書いた記事を載せておきます。その気になれば、すぐに跳べるようになりますよ。家庭でできることも書いてあります。
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園での勤務を経て、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。普段は保育士・幼稚園教諭のみなさんが、余裕をもって保育ができるように情報発信をしています。専門的なことも交えつつ、それが感じられないほどの分かりやすい言葉で、保護者のみなさんにも情報をお届けしていきます。