「これ明日どうしようか」という質問1つで全てが上手くいく話(年長の後半向け)

今回は年長向けです。ちょっと難しいと思われるかもしれませんが、ぜひやってみてください。「これ明日どうしようか」という質問1つで何もかもが上手くいくということがあるんですよ。もちろん、誰にでもできるというわけではありません。ですが、普段の保育に質問を1つ増やすだけなので、試してみる価値があると思いませんか?

「これ明日どうしようか」で上手くいくこと

似たような言葉として「これ明日どうするの?」とか「これこの先どうなる?」などがありますが、どれを使うにせよ、対話が大事です。決めぜりふというか、核になる言葉が「これ明日どうしようか」です。前後のやり取りをした上で「これ明日どうしようか」がはまると、次のようなことが上手くいきます。

  • 子どもの願いが明確化される
  • 見通しをもつことになる
  • 遊びが継続される
  • 会話がそのまま「ねらい」や「内容」になる
  • 何を準備するかが分かる

子どもの願いが明確化される

「これ明日どうしようか」という質問で、子どもの願いが明確化されます。子どもは質問に答えようとして考えたり言葉に表したりしますから。なんとなく「こうなったらいいな」と思っていたことが、明確なイメージをもって「こうしたい」になるんですよね。ただし、言葉にすることが苦手な子どもには、聞き過ぎるとプレッシャーになるので注意が必要です。

見通しをもつことになる

質問をすることで、子どもが見通しをもつことにもつながります。1つは「どれくらい時間がかかりそうか」という見通しです。正確である必要はありません。「やりたいことがたくさんあるから、明日は朝から遊ばないと」ということを思えたら十分です。小学校では、「休み時間にこれだけの物を出すと次の授業に間に合わないのでは」という見通しが必要です。普段の遊びで見通しをもつことが、小学校の生活にもつながるんですよ。

もう1つは、「明日のことを聞かれているから、そろそろ片付けだな」という見通しです。同じような質問を繰り返すことで、大体の流れが分かるようになってきます。「片付けだよ」と繰り返し言うよりも、見通しをもてるように声をかけるほうが良いと思いませんか?

遊びが継続される

願いが明確化され、見通しをもつようになると、遊びが継続されることにもなります。同じ遊びが継続されると、より多くの工夫が見られ、人間関係が深まることにもなりますよね。10の姿に書いてあるようなことが、実際に目の前の子ども達に見られるようになってきます。

会話がそのまま「ねらい」や「内容」になる

会話がそのまま「ねらい」や「内容」になるというのも、「これ明日どうしようか」と聞き出すことをオススメする理由です。「もっと広げたいけど場所がないんだよね」と子どもが言ったのであれば、たとえば次のような文が思い浮かびます。

  • 「もっと広げたい」などの願いをもって遊ぶ
  • どうすれば場所を確保できるか考える
  • 場所を広げるために、周りで他の遊びをしている子ども達と話し合う

子どもの言葉を借りて、「明日以降、子どもがどうするかな」と考えると、このような文がすぐに出てきます。

何を準備するかが分かる

「これ明日どうしようか」と質問をして、子どもが「こうしたい」と言ったのであれば、準備する物を1から考える必要はありません。子どもが答えを言ってくれているのですから。予算や時間の関係で、すぐに準備ができないのであれば、どうするかを次の日に子どもと一緒に考えたり手作りしたりすればいいんです。年長後半にもなれば、必要なものを自分で作ることもできますし、作ること自体が楽しいですよね。

まとめ

今回は「これ明日どうしようか」という言葉で、子どもの思いを聞き出す話をお伝えしました。たった一言ですが、いろんなことが上手くいくことにつながります。

  • 子どもの願いが明確化される
  • 見通しをもつことになる
  • 遊びが継続される
  • 会話がそのまま「ねらい」や「内容」になる
  • 何を準備するかが分かる

冒頭でもお伝えしましたが、前後のやり取りがあった上での「これ明日どうしようか」です。ぜひ、子ども達と対話をしてくださいね。

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。