【命を預ける】保育所の選び方で最重要となるポイントとは

あなたが保育所を選ぶとき、重要視していることは何でしょう?

近さ?
新しさ?
認可かどうか?

これらはみんな、ちょっと調べれば分かることです。

「そんなことより、子どものことを本当に大事にしていて、安心して預けることができる保育所の見分け方はどうするの?」

という方のための方法を、これからお伝えしますね。

管理人うち

訪問ありがとうございます。
「島根保育塾」代表
うちです。

普段は保育士・幼稚園教諭のみなさんが、余裕をもちながら質の高い保育をできるよう、専門的な情報を発信しています。

時々、保護者のみなさん向けに、少しでも気持ちが楽になるような子育て情報や、保育業界の専門的なことなどを分かりやすくお届けしています。

保育所の選び方での最重要ポイントは

保育所を選ぶときに、重要視したい1番のポイントは「安全・安心」です。

  • アレルギーのある子どもの給食を、他の子どもの給食と並べている
  • 昼寝の時に、連絡帳を書いていて子どもを見ていない
  • 子どもを一部屋に集め、DVDを見せて、職員は別室で壁面飾りを作っている

こんなことをしていない保育所に子どもを預けたいものです。

なんてことを書くと、「保育士の数が」とか「持ち帰り仕事が」などと、いろんなところから怒られるんですけど、アレルギーに関して配慮するのは当然のことだし、昼寝の時は仕事を分担すればいいし、壁面飾りは子どもと一緒に楽しく作ればいいんです。

このような「仕事ぶり」や「子どもへの接し方」ということは、園のホームページや、運動会・発表会などの行事、見学会などからは分かりませんよね。普段の生活が知りたいのに・・・

でも、ある程度、分かる方法があるんです。

知っておきたい「保育所保育指針」

少しでも保育関係の仕事をしていたことがある方はご存知でしょうが

保育所保育指針というものがあるんです。

簡単に言うと、保育士のルールブックとか、教科書みたいなものです。

全ての子どもの最善の利益のためには、子どもの健康や安全の確保、発達の保障等の観点から、各保育所が行うべき保育の内容等に関する全国共通の枠組みが必要となる。このため、 一定の保育の水準を保ち、更なる向上の基点となるよう、保育所保育指針において、 全ての保育所が拠るべき保育の基本的事項を定めている。

引用:保育所保育指針解説「序章 1 保育所保育指針とは何か 」より抜粋

全ての保育所は、保育所保育指針を根拠として保育しましょう。
健康・安全・発達などの基準が書いてありますよ。

ということなんです。

でも、残念なことに、保育所保育指針を無視している園があり、無視している人がいるんですよ。「それなりの仕事しかできないのでは」ということが、容易に想像されます。

ということは、

保育所保育指針の内容について質問すると、「どんな姿勢で保育をしているか」が分かるんです。

保育所保育指針解説を読んでみよう

保育士のルールブックである「保育所保育指針」を無視する園、無視する人は、残念ながら一定数います。

保育所保育指針に書いてあることを実践できる能力が足りない・・・ということもあるかもしれませんし、「交通ルールは分かるけど、自分の都合で従わない」と同じような感覚で、軽く扱っている人もいます。

そこで、「保育所保育指針」に書いてあることを質問してみましょう。普段から保育所保育指針を読み込んでいるか、真摯に保育に向かっているかは、質問への返事ですぐに分かります。

ということで、より良い園選びに必要な質問をするために、「保育所保育指針」を解説した、「保育所保育指針解説」というものを読んでみましょう。上での引用も「解説」の方にリンクしてあります。

昼寝について

「園で昼寝をしなくて困ります。ちゃんと家で早起きをするようにしてください。」ということを言われたという悩みを聞いたことがあります。そんなこと言われても、昼寝をするから夜寝なくなって、そうすると朝早く起きることもできないですよね。

「保育所保育指針解説」には、昼寝について、どのように書いてあるでしょう?

3歳以上児においては、保育時間によって午睡を必要とする子どもと必要としない子どもが混在する場合もある。 そのため、どちらの子どもにとっても、午睡の時間に安心して眠ったり、活動したりできるように配慮する必要がある。午睡を必要とする子どもには、落ち着いた環境の下で眠ることができる場を確保する。同様に、午睡をしない子どもにとっても、伸び伸びと遊ぶことができる充実した環境や体制を整えておくことが求められる。

引用:保育所保育指針解説 (P54)

昼寝をしない子どもは、伸び伸びと遊んで良いんです。ちょっと意外だと思いますか?一人一人の子どもを大事にすると、自然にそうなるんです。

また、次のような記載もあります。

子ども一人一人の成長に合わせて、その日の体調なども考慮した上で、保護者とも相談しながら、午睡を一律にさせるのではなく、発達過程に合わせて、子ども一人一人が自分で生活のリズムを整えていけるようにしていくことが望ましい。

引用:保育所保育指針解説 (P55)

園選びの際は、「就学に向けて、昼寝の時間は変わってくるか」「子どもが寝ない場合、どのような対応をしているか」などと質問してみましょう。

遊びについて

実際の指導場面においては、「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、 表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」を個別に取り出して指導するのではなく、遊びを通した総合的な指導の中で一体的に育むよう努めることが重要である。

引用:保育所保育指針解説(P72)

遊びを通した総合的な指導の中で一体的に育むよう努めることが重要である。 と書いてあります。

「遊びを通した総合的な指導って…」と思いませんか?

これが保育の専門性なんです。遊びを通しての育ちを語ることができる保育士が、本当に力を持った保育士です。もちろん、語るだけではなく、実践する必要がありますが。

たとえば、みんなでイス取りゲームをする場合、単にルールを守って楽しく遊ぶだけではないんです。上記の「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、 表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」と、イス取りゲームが、どう関係しているか、 どのような場面でイス取りゲームを行い、どう声をかけていくか・・・ということ等を、保育士は常に考えています。

まとめ

いかがでしたか?

保育所を選ぶときに、重要視したい1番のポイントは「安全・安心」です。

でも、「この園、安全ですか?」なんて聞き方はできませんよね。園のホームページや入園の冊子などは、特別に考えて作成されたものです。印象の良い言葉が並んでおり、一目見ただけでは、普段の様子は分かりません。

「保育所保育指針解説」を読んで、質問してみましょう。あなたが質問することで、その園の本当の様子を垣間見ることができます。基本に忠実な園かどうかが分かります。子どものことが十分に考えられた、安心して子どもを預けることができる園かどうかが分かります。

さらに、あなたを始めとする保護者のみなさんが、「保育所保育指針」を知り、読むことで、保護者のみなさんからの質問に答えようとする保育士のレベルも上がります。

保育所保育指針解説」読んでみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。「もっといろいろと知りたい」という方は、ホームページや、子育てのための記事一覧サイトマップをご覧ください。

管理人うち
@uchi70794834|Twitter)

保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園での勤務を経て、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

普段は保育士・幼稚園教諭のみなさんが、余裕をもって保育ができるように情報発信をしています。専門的なことも交えつつ、それが感じられないほどの分かりやすい言葉で、保護者のみなさんにも情報をお届けしていきます。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。