「子どもが今見せている姿そのものを大事にした援助」をどうするか具体的に考える

子どもには大きく成長をしてもらいたいものです。そのために、大人はいろいろと手を尽くすのですが、今回は「子どもが今見せている姿そのものを大事にした援助」を考えてみます。「目の前の子どもは、まさに今成長している」ということであれば、変に手出しをするよりも、今の姿を大事にしたいですよね。ということを具体的に考えていきます。

「子どもが今見せている姿そのものを大事にした援助」とは

まず、「子どもが今見せている姿そのものを大事にした援助」とは反対のことを考えてみましょう。でも、「大事にしない援助」ではないですよ。

反対の援助は、「こんなことしたら、子どもはこんな風に反応するんだろうな」ということを考えてする援助です。花が飾られたら子どもは喜ぶかもしれないし、たくさんのオモチャを出しておいたら飛びつくかもしれません。子どもに変化を求めて(成長してほしくて)、大人が何かをする援助ということです。

これはもちろん必要な援助なんですけど、子どもは常に変わり続けなければならないワケでもありません。もしかしたら、大人が気付いていない、雑草のような花に心を寄せている最中だったかもしれないし、石を眺めて楽しんでいたかもしれません。そのようなときに、豪華な花や魅力的なオモチャが登場したら、それまでの学びはどこかにいってしまいます。

子どもは、大人が何もしなくても変わっていくこともあり、何かをすることが、ハッキリ言って邪魔になることだってあります。だから、「子どもが今見せている姿そのものを大事にした援助」も必要なんですよね。

見守る

先ず思い浮かぶのは「見守る」ですね。ブログの記事にも書いてます。

保育者の援助「見守る」を考えると保育が変わる

詳しくは記事を読んでもらいたいのですが、見守るということは単に見るだけとは違いますよね。子どもが何を感じているか、学んでいるか、それを見取るためにも見守ることが必要です。

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「見守る」の他に何か 「子どもが今見せている姿そのものを大事にした援助」 が思い浮かびますか?

受け入れる

「ちょっとドキドキするような遊び方だけど、周りに小さい子がいるときは遊び方を変えてるし、とっても楽しそうだから、良しとしておこう」というのが「受け入れる」ですね。同じような言葉では、「認める」「受容する」があります。

「やっぱり、その言い方って、◯◯ちゃんらしいよね」「そういう気持ちになるってことが☆☆君だよね」などと認める(価値あるものとして尊重する)

さらに、同じような意味として「価値付ける」「大事にする」「尊重する」もあります。

「受け入れる」は、「大人の価値観とはちょっと違うかもしれない」けど、子どもの姿を優先にしようとする援助。次に書いた「認める」は、大人の価値観など関係なしに、とにかく子どもの姿そのものを見て、その姿を「良」とする援助です。

言葉に表す

子どもが時間をかけてやってきたことや子どもの表情を「たくさんやったね」「笑顔でやってるね」など、子どもの代わりに言葉にすることがあります。ハッキリ分からない時は「問いかける」ということもできます。この「言葉に表す」「問いかける」は、良いとか悪いとかではなく、見えていることそのままを言い表している援助です。

寄り添う・共感する

これらは大人の方から子どもに近付いていく感じがしますよね。子どもがやっていること、感じていることに近付いていって、それから言葉に表したり同じように感じたりする援助です。共感するについて、詳しくはリンク先の記事を読んでみてください。とりあえず1つだけお伝えすると、「そうなんだね」は共感しているような感じですが、子どもにはあまり通じない話し方です。

保育者の援助「共感する」を考えると保育が変わる

大人が何も手を出さないこと(もちろん、放任では無くて、子どもの姿をよく見た上での話です)、大人に何もされないことも、とっても大事なんですよね。時には一呼吸置いて、子どものやっていることをもう少しだけ見てみてはいかがでしょうか。

もしあなたが保育関係者なら、「保育塾ベーシック」についての詳しい内容を読んでみてください。保育塾の研修・ワークショップの1部を3日に1度メールでお届けします。

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。