【褒める・認める】子どもを肯定的に見ることができる1つの原則と10の視点

あなたは子どもを肯定的に見ることができていますか?誰しも「全部やってと言ったのに、まだこれができてないでしょう!」とか「また忘れてる」なんてことを思ってしまいがちです。でも、本当なら子どもの良いところを見て、さらに、子どもが良い方向に育つように関わりたいと思いますよね。今回は、子どもを肯定的に見るコツをお伝えします。

子どもを肯定的に見ることができる原則とは

子どもを肯定的に見るために、まず気をつけたいことは「過程に目を向ける」ということです。「またこれを忘れて出かけた」「ちゃんと持ってないから落ちたでしょ」というのは、「忘れた」「落とした」という結果に目を向けているんですよね。過程に目を向けると、「忘れないように気をつけるって自分で言ってたから、もう少しだね」「真剣な顔して持ってた」という声のかけ方ができます。「もう少し気をつけるとできそう」ということを子どもに伝えるために、子どもを否定的に見る必要はありません。

とはいえ、失敗したとか、やるべきことをやっていないという状況で、肯定的に見るというのも難しいですよね。どこを見れば良いのか、続けて10個の視点をお伝えします。

子どもを肯定的に見るための10個の視点とは

子どもを肯定的に見ようとするとき、上手く見つからない場合は、次の10個の視点で声のかけ方を探してみましょう。

  • 継続時間
  • 回数
  • 難易度
  • ほぼできていること
  • 目のつけどころ
  • 考え方
  • 工夫
  • 子どもの様子
  • 表情
  • 気持ち

継続時間

上手くいかなかったとしても、子どもがどれくらい時間をかけて取り組んでいたかを褒めることはできます。「もう30分もやってるよ」「ずっと頑張ってたよね」などと言えますよね。結果を待たず、取り組んでいる最中に言うと、「自分はこんなに頑張っているんだ」と、子どもが客観的に自分を見ることにもなります。

回数

これは時間と同じような視点です。「チャレンジ5回目だよ」などと、時間と同じように声をかけることができますね。何かを作っている場合は、出来映えではなくて個数にも目を向けることができます。たとえば、泥団子を作るのは、ピカピカにするばかりではなくて、たくさん作りたいのかもしれないし、大きくしたいかもしれません。子どもが目指しているところに気付くことは難しいかもしれませんが、それを見つけて声をかけることができると、子どものやる気が全く変わってきます。

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難易度

「できるわけない」と大人が思うようなことにも挑戦する子どもがいます。そうすると、当然失敗します。「これは難しいから無理だよ」と、最初からストップをかけるのではなくて、「難しいことにも挑戦している」ということを認めていきましょう。もちろん、子どもにとって難しいと思われることをやる際には、最大限安全に配慮して行ってください。

ほぼできていること

「できる・できない」で見たとしても、いつも100点である必要はないですよね。60点で「可」ですから。ある程度できていたら、その時点で「ああ、いい感じだね」などと声をかけましょう。特に、きちんとやることを求めすぎてしまう子どもには、結果に対して「キレイにできたね」ではなくて、途中の時点で「OK.OK」と、大体でOKだということを伝えていきましょう。

目のつけどころ

「褒めるところが無い」なんてことを聞くときがありますが、どこかしら必ず肯定できるところがあります。とにかく、子どもの個性を認めると肯定できますよ。「それもあるよね」「◯◯ちゃんらしいよね」と、まずは声をかけてみてはいかがでしょうか。

考え方

「そんな考え方をするんだね」「そういう考えもあるか」と、考え方を肯定してみましょう。「目のつけどころ」と似ています。「目のつけどころ」は突発的な思いつきも含みますが、「考え方」は考慮していること自体を肯定します。「静かにしていると思ったら、とんでもないことをしでかした」ということが子どもにはありますよね。放っておくからそうなります。それだと、「とんでもないことをした」という結果しか見ることができません。途中で声をかけると、「よく考えたね(肯定)。あとこうした方が危なくないよ(提案)」と、導くことができます。いつも上手くいくとは限りませんが。

工夫

どんどん違う遊びをするなら「何にでも手を出して散らかす」でしょうけど、1つの遊びに対してたくさん物が出てくるなら「いろいろと試す」なんですよね。結果として見ると、両方とも「散らかす」になってしまいます。「またこんなに散らかして」という声のかけ方になりますよね。「次の物を使おうとする」「違う方法でしようとする」という姿は、子どもなりに工夫をしているからこそ見られます。「そっちの方が上手くいくかもね」などと、途中で声をかけてみましょう。(実際に上手くいくかどうかはたいした問題ではありません)

子どもの様子

「うるさい」「騒いでいる」ではなくて「張り切っている」「気合いが入っている」などと言えるし、「動きに無駄がある」ではなくて「やる気いっぱい」「力が溜まっている」などと言えます。ただの言い換えではないんですよ。子どもなりにやっていることってあります。子どもの思いを大人が違う解釈で受け取っていることがあって、それを元の言い方に戻すだけです。

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表情

「真剣な顔をしていた」「とても優しい顔をしてるね」と、表情に目を向けることもできます。これって、「子どもが相手の思いに目を向けて表情を見る」ということにつながるんですよ。自分の顔を見てもらって、そのことを言葉にしてもらう経験は多い方が良いです。相手を泣かせたときに、「ほら、◯◯ちゃんを見てごらん。泣いてるでしょ。」と言われることがありますが、それだけだと、誰かを泣かせることの無い子どもは相手の表情を見る経験ができませんよね。子どもが相手を思いやるためにも、まずは大人が子どもの顔を見て声をかけてみましょう。

気持ち

子どもがしたことで、とんでもない結果になったとしても、「一生懸命な気持ちが伝わってきたよ」「◯◯してくれようとしたんだよね」と、子どもの気持ちについて認めることはできます。まずは肯定して、子どもが落ち着いてから結果について「どうしてそうなってしまったか」を考えられるようにすれば、やってしまったことを前向きに省みることができます。

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

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管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。