【保育所に学ぶ】インフルエンザで学級閉鎖にならない方法




保育所に対して「感染症が心配」「何人もインフルエンザなのに学級閉鎖や休園にならない」などの印象をもっている人、いますよね。それ、何年も前の一部の話です。実際は、ガイドラインもあり、きちんと守っている保育所は、インフルエンザが流行することはないんです。

この記事では、「毎年インフルエンザにかかる子どもが少ない保育所は何が違うのか」を、保育所と幼稚園の先生が検証した結果を紹介しています。インフルエンザが流行して困っている学校や職場の人は参考にしてみてください。

保育所は学級閉鎖にならないの?

保育所が学級閉鎖になったら、働いている保護者のみなさんが困ります。だから、保育所は学級閉鎖をしません・・・ということではありませんよ。保育所も学級閉鎖になることがあります。ただ、学校とは違い、学級閉鎖にすることが少ないのは確かです。

保育所は学校とは違って、感染症の流行に伴って臨時休業を行う法的根拠は元々なく、季節性インフルエンザが集団発生した場合でも保育所を休園することはありませんでした。一方、この新型インフルエンザ等対策特別措置法が施行されることによって、地域の自治体の判断によっては法的根拠をもった保育所の臨時休業が行われることになるかもしれません。

出典:2012年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン(厚生労働省)

元々は、臨時休業(学級閉鎖)にすることはなかったんですね。でも、新型インフルエンザの影響で、それまでとは対応も変わっていくことになりました。

感染症が発生した場合には、嘱託医等の指示に従い、必要に応じて市区町村、保健所等に連絡し、感染拡大防止のための措置を講じることが求められます。また、保育所や地域の感染症の発生状況等から、嘱託医が、感染症を予防する上で臨時に保育所の全部又は一部を休業することが望ましいと判断した場合にも、同様に、市区町村、保健所等に連絡し、情報共有を行いながら、密接に連携し対応することが必要となります。

出典:2018年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン(厚生労働省)

感染症対策のガイドラインが新しいものに変わると、保育所もそれに従って対応を変えているんです。

インフルエンザにかかる子どもが少ない保育所がやっていることとは

インフルエンザにかかる子どもが少ない保育所があります。流行っている時期でも、園全体でほんの数人です。しかも、毎年少ないんです。他の幼稚園・保育所や学校と、何が違うんでしょう?

ここでは、厚生労働省のインフルエンザQ&Aの、「インフルエンザにかからないために」を参考にして、検証します。

インフルエンザにかからないために

厚生労働省のインフルエンザQ&Aでは、「インフルエンザにかからないために」で次の5つを紹介しています。

  • 流行前のワクチン接種
  • 外出後の手洗い等
  • 適度な湿度の保持
  • 十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
  • 人混みや繁華街への外出を控える

インフルエンザにかかる子どもが少ない保育所では、これらをどのように行っているのでしょうか?1つずつ検証してみます。

流行前のワクチン接種

ワクチン接種をするかどうかは保護者が決めることです。でも、接種を促すことはできます。

インフルエンザにかかる子どもが少ない保育所では、園便りや掲示板などでワクチン接種についてのお知らせをしています。

特に、感染症のことだけを掲示するための、掲示板を作っているところもあるんです。感染症に対する意識がとても高いことが分かります。

外出後の手洗い等

インフルエンザ予防で手洗い、うがいをしっかりするのは基本ですよね。

意外と知られていないのが歯磨きです。

口腔内の細菌はインフルエンザウイルスを粘膜に侵入しやすくする酵素(プロテアーゼやノイラミニダーゼ)を出すため、口腔を不潔に保っているとインフルエンザに感染しやすくなる。また、歯周病による炎症もウイルス感染を促進させる。

さらに、インフルエンザウイルスは口腔内雑菌の出す「ノイラミニダーゼ」(NA)という酵素を介して増殖する。タミフルやリレンザなどはNAの働きを妨げることでウイルスの感染拡大を防ぐ抗インフルエンザ薬だ。

出典:インフルエンザ対策は歯磨きから「口腔ケア」が感染と重症化を防ぐ(保健指導リソースガイド)

インフルエンザにかかる子どもが少ない保育所では、食後はもちろん、おやつの後もしっかり歯磨きをしています。

学校や職場では、昼食の後に歯を磨く人と磨かない人がいますよね。学校では、歯磨きの時間があっても、先生がその場にいないなど、子ども任せのことも多いですよね。インフルエンザの時期には、特に気をつけて磨きましょう。

適度な湿度の保持

インフルエンザにかかる子どもが少ない保育所では、各部屋で加湿器を使用しています。

私立の幼稚園・保育所のほうが、ちゃんと加湿器を使っている印象があります。公立だと、「例年と同じようにしか予算を使えない」とか、「全園の全クラスに導入する分の予算が無い」などで、加湿器そのものが無い状況も多いのではないでしょうか。

役所のみなさんには、「インフルエンザにかかった子どもが何人いる」を把握するだけではなくて、園によってインフルエンザにかかる人数が違う原因を調べてほしいですね。インフルエンザにかかる子どもが減れば、自治体が負担している医療費も減るので、加湿器くらい安いものです。

十分な休養とバランスのとれた栄養摂取

インフルエンザにかかる子どもが少ない保育所では、昼寝をしっかりしています。

小さい子どもには、体力の回復や病気の予防などのために、昼寝が必要です。でも、幼稚園の場合は昼寝はありません。帰りの車の中でウトウトしたから帰ってから寝ないとか、昼寝をしても早く起こされるなどで、十分に昼寝が足りていない場合があるでしょう。もちろん、個人差があるので、昼寝を必要としない子どももいますが。

インフルエンザにかかる子どもが少ない保育所では、給食をしっかり食べています。

保育所の給食っておいしいですよね。「某中学校で、給食を残した率が55%」とかいう状況とは、あまりにもかけ離れています。子どもが小さいうちは、家庭でも食事に対する意識が高いです。結果として、他の年代よりはバランスのとれた栄養摂取ができています。

人混みや繁華街への外出を控える

「人混みや繁華街への外出を控える」のは、人が多いほど、インフルエンザに感染した可能性のある人も多くなるからですよね。

インフルエンザにかかる子どもが少ない保育所では、インフルエンザの時期には集会やクラスの交流などの行事、活動を控えています。

他にも、インフルエンザに感染した可能性のある誰かと接触しないように、いろいろなことに注意をしています。

  • テーブルに向かい合わせて座ることをやめる
  • 並ぶときは普段より間隔を開ける
  • 先生達は全員マスク着用
  • 咳の出る子どもにマスクを渡す
  • 咳エチケットを教える

でも、先生達が全員マスクをしていると、あまりいい印象をもたない保護者もいます。「インフルエンザ予防のため」という説明が、きちんと伝わってないんでしょうね。

1番効果的な予防法

多くの保育所や幼稚園では、学校や職場ではできていない、最も効果的な予防法を実践しています。

その予防法とは、

発熱等の症状がある子どもをすぐに見付けて、保護者に迎えに来てもらうことです。

多くの保育所や幼稚園では、「あの子、今日ちょっといつもと違うよ。」と一目見て分かる人がいるんです。その時点では熱を測っても平熱だったけど、その後30分ほどですぐに熱が高くなった・・・なんていうこともあります。こんな特殊な能力がある人は、保育の現場くらいにしかいませんよね。一目見て分からなくても、子どもと触れ合うことが多いので、少しでも熱があればすぐに発見されます。

熱がある子ども、熱が出そうな子どもは、すぐにベッドのある部屋に移動して、迎えに来てもらうよう、保護者に連絡します。

他の施設だと、この間、ずっとインフルエンザウイルスが広がっていることになります。辛いのを我慢して、出席、出勤する人までいますよね。

まとめ

世間でインフルエンザが流行っていても、インフルエンザにかかる子どもが少ない保育所があります。しかも毎年です。ガイドラインにしたがって、インフルエンザの予防をしっかりしている保育所だということです。

さらに、その保育所は

「普段から子どものことをよく見ている保育所」で、

「子どもの様子が少しでも違ったときに、すぐに気付いてくれる保育所」かもしれませんよ。




ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。