【令和に考える】幼稚園・保育所で働く人たちの年齢と世代間ギャップ

「若い先生は、すぐスマホで手遊びとかを調べる」

「昔の絵本は教育的だったのに、今は違う」

「定番の曲は、いいものだから歌い継がれている」

なんて思っているベテランの先生、いますよね。

 

反対に、

「いつも同じ手遊びじゃなくて、ググってレパートリー増やせばいいのに」

「昔の絵本は聞いたこともないような古い言葉が使ってある」

「子どもが見てる番組の曲は、楽しんで歌える」

なんて思っている若い先生、いますよね。

 

この記事では、幼稚園・保育所で働く先生たちに年齢の幅があることを、改めて考えています。そして、世代間のギャップがある中で、どうすればいいかを提案しています。

あなたが思っている以上に、ギャップは大きいですよ。

 

幼稚園・保育所で働く人たちの年齢はこんなに違う

幼稚園・保育所では、20歳そこそこの若い先生から、退職後に嘱託で働くベテランの先生まで幅広い年代の人が働いていますよね(他の職業でも同じ事ですが)。

特に昭和生まれの人は知りたくない事実かもしれませんが、数字でハッキリ考えて、年齢に差があることを改めて受け止めましょう。

 

元号と西暦で考える

元号で考えると、「令和」と「昭和」の間が「平成」ですよね。

西暦を入れて考えると違います。

「令和」と「大正」の間が「昭和」なんです。

 

昭和47年生まれ(今年47歳)の人、昭和48年生まれ(今年46歳)の人は、

「令和」と「大正」の真ん中に産まれています。

 

今年は2019年。平成31年・令和元年。

1926年が、昭和元年・大正15年。

2019年(令和最初の年)と1926年(大正最後の年)の真ん中は、1972年・1973年(昭和47年・昭和48年)なんです。

新任の先生と価値観や常識が違って当たり前ですよね。

 

新任の先生が産まれた年で考える

1998年(平成10年)に産まれた人が、今年21歳。

短大卒の1年目です。

早生まれだと、1999年(平成11年)に産まれた人も、短大卒で4月から働いていますよね。
(私と年齢に差がありすぎて分からなくなってきました。計算が間違っていたらスミマセン。)

今は、2000年代に産まれた人も、社会人になっています。

 

1998年といえば、

郵便番号が7桁になり、ビストロ・スマップKANTANレシピが発売され、ドラマでは「ショムニ」がやっていた頃。

私なんかにとっては、特別に昔ではない気がします。

 

20年前を、特別に昔ではないと感じる世代と、

スマホと共に育った世代(iPhoneが日本で販売されたのが2008年)は、

違いがあって当たり前ですよね。

 

ベテランの先生が経験してきたことで考える

今度は、ベテランの先生達が経験してきたことを考えてみます。

「私達の若い頃は・・・」と言われてもウンザリでしょうから、サラッといきますね。

本実習は6週間や8週間。

日が変わるまで指導され、明け方まで保育指導案を書き、提出すると×印だけが書かれて返ってくる。

子どもの頃は、先生に殴られるのが当たり前でした。

今の時代ではアウトなことだらけです。

もちろん、所により、時代によって違いますが。

 

世代によって、これだけの違いがあるんです。

上司が部下に、自分と同じ価値観を求めることや、部下が上司の要求に、全て応えようとすることは、無理な話なんです。

もし、やっているとしたら、誰かが相当な無理をしています。

 

世代間のギャップをどうにかする方法

とはいえ、「ギャップを埋めるのは無理だ」ということばかり言っていても、進歩はありません。

どうすればいいかを考えてみましょう。

 

教育要領や保育指針をガイドラインにする

「お互いに歩み寄る」って、大変です。

じゃあ、みんなで同じ方を向きましょう。

参考にするべきものは、「幼稚園教育要領」、「保育所保育指針」、「認定こども園教育・保育要領」です。

 

昭和31年(1956)に、「保育要領」の全面改定が行われ、「幼稚園教育要領」となったようです。

その時に、6領域「健康」「社会」「自然」「言語」「音楽リズム」「絵画製作」ができました。

昭和39年(1964)に改定が行われましたが、6領域のままです。

平成元年(1989)に、やっと「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5領域に改められました。

「ねらい」と「内容」に分けられたのも、このときです。

幼稚園教育要領における教育内容の変遷

 

ハッキリ言いますね。

いまだに6領域の時代の保育をしている人、いますよね。

現行の「教育要領」「保育指針」で示されている保育に近づきましょう。

 

若い先生達にもハッキリ言いますね。

市販されている本や、保育のサイトの全てを手本にするのはやめましょう。

本についている保育指導案は、あなたが担任している子どものために書かれたものではありません。◯◯出版の問題集を解くときに、△△社の問題集のために作られた答えを写しているようなものです。

製作に特化された本は、保育のプロではなく、製作のプロが書いたものです。「ドングリを煮沸すると、虫が出てきませんよ」なんて、生き物の命を全く無視して紹介してあります。製作にかかる手間や子どもの動きなども、当然、考慮してありません。
【処理する必要なし】どんぐり虫のいないドングリを見分ける方法・逃がし方・飼い方

保育のサイトで記事を書いている人の多くは、保育経験が豊富な人ではなくて、文章を書くのが上手な人です。本や他のサイトを参考にして、それらしい文章を書いているだけです。ひどいものになると、「保育経験が全くないのでは?」という人が書いたものもあります。

 

もちろん、

市販の本や保育のサイトも、役に立つものはたくさんあります。

全てを信じるのではなく、どれが本当なのか、見極める目を養いましょう。

そのためにも、教育要領や保育指針を、しっかり読みましょう。

 

互いの長所に目を向ける

ベテランの先生って、想像もつかないくらい、たくさんの経験をしています。もちろん、本と違って、あなたが担任している子どもたちのことを、よく見ているし、製作にかかる手間や、子どもの動きなども分かっています。お手本にするのは、本やサイトではなく、ベテランの先生です。

若い先生って、あなたが分かっているつもりで、実は忘れてしまっている、若い感性を持っています。子どもたちと近い感覚・価値観を持っています。あなたが想像もつかない世界を知っています。あなたから教えるばかりではなく、若い先生から学ぶこともたくさんあります。

「そんな理想論を言われても、うちの園の新任はちょっとね・・・」とか「あんな好き放題してる主任が・・・」などと思っている人、いませんか?

上司や部下の長所を見つけることができない人は、子どもたち全員の長所を、すぐに言えますか?子どもたちの、できないことばかりに目が向いてないでしょうか。

今までとは少し違う視点をもって、お互いの長所を見てみましょう。同じ価値観になることは、当然ありませんが、少しだけ近づくことはできます。

 

まとめ

ベテランの先生と、若い先生にはギャップがあります。

産まれた時代が全く違うので、ギャップはあって当然です。

無理に同じ価値観を持とうとしても、無理な話です。

教育要領や保育指針をガイドラインとして、同じ方を向きましょう。

そして、お互いの長所に目を向け、少しだけ近づけるようにしてみましょう。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。「もっといろいろと知りたい」という方は、ホームページや、このサイトの記事が一覧になったサイトマップをご覧ください。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。