1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容の「環境」を手掛かりに「季節の行事」について具体的にどんな姿を記録すればよいか考える

あなたは、季節の行事に関して、子どものどんな姿を記録していますか?保育所保育指針、認定こども園教育・保育要領には、5領域の「環境」のところに季節の行事のことが書いてあります。今回は、1歳以上3歳未満児について、「環境」の「内容」に書いてある文言から、具体的な姿を考えてみます。

保育指針や認定こども園教育・保育要領に書いてあること

保育所保育指針や認定こども園教育・保育要領には、5領域の「環境」について、次のように「ねらい」と「内容」が書いてあります。1歳以上3歳未満児について書いてあるところを引用しますね。

ウ 身近な環境との関わりに関する領域「環境」
周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもって関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う。
(ア)ねらい
① 身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ。
② 様々なものに関わる中で、発見を楽しんだり、考えたりしようとする。
③ 見る、聞く、触るなどの経験を通して、感覚の働きを豊かにする。
(イ)内容
① 安全で活動しやすい環境での探索活動等を通して、見る、聞く、触れる、嗅ぐ、味わうなどの感覚の働きを豊かにする。
② 玩具、絵本、遊具などに興味をもち、それらを使った遊びを楽しむ。
③ 身の回りの物に触れる中で、形、色、大きさ、量などの物の性質や仕組みに気付く。
④ 自分の物と人の物の区別や、場所的感覚など、環境を捉える感覚が育つ。
⑤ 身近な生き物に気付き、親しみをもつ。
⑥ 近隣の生活や季節の行事などに興味や関心をもつ。

引用:保育所保育指針

内容の6番目に、季節の行事について書いてありますね。「興味や関心をもつ」とは、どのような姿なんでしょう?具体的な姿が思い浮かばないと、記録をしたり援助したりすることはできないですよね。「興味や関心をもつ」について、もう少し考えてみますね。

指針解説、教育・保育要領解説に書いてあること

保育指針解説や、認定こども園教育・保育要領解説には、もう少し多めに書いてあります。まずは、ちょっと参考にしてみましょう。

また、園児は、友達や保育教諭等と共に季節や折々の文化、行事に触れて、その雰囲気を味わったり、楽しんだりする。

引用:幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説

「雰囲気を味わったり、楽しんだりする。」ということですが、これも具体的に知りたいですね。どのような姿が、雰囲気を味わっているのか。

園児なりに保育教諭等や友達との一体感、季節や自身の成長の節目などを感じる。

引用:幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説

一体感や季節や成長の節目など、ずいぶん大きな話だと思いますが、これも具体的な姿は書いてありません。「感じる」なので、「感じてるんだよ」と言われれば、そうなんでしょうけど。

「季節の行事」に関わって見られる具体的な姿を考える

では、もう少し具体的に考えてみますね。季節の行事をするときには、一緒に参加したり何かを作ったりするような保育をしたくなるかもしれませんが、もうちょっと楽に考えたいものです。

雰囲気を味わったり、楽しんだりする

季節の行事では、1歳以上3歳未満児は、指針解説や教育・保育要領解説に書いてあるように、「雰囲気を味わったり、楽しんだりする」で良いんですよね。雰囲気を味わうって、具体的にはどういうことかというと、大人で考えると分かりやすいですね。祭に行ったり、あるいは、ディズニーランドのようなテーマパークに行ったりすると、もうその場にいるだけで雰囲気を感じて楽しくなります。子どももそれで良いんですよ。

自分で側に行く、大人に連れられて側に行く、眺める、音を聞く、年長さんや年中さんが楽しそうにしている様子を見る等々、興味を向けているであろう対象と共に、子どもの動きを書けば良いです。

  • 賑やかな様子に気付いて側に寄っていった
  • 年中クラスの壁面を眺めていた
  • ○○を指差して声を出した
  • 年長さんの呼びかけに反応した
  • 太鼓の音に反応して時々振り返っていた

こんな感じだと、「何に興味を示したか」「どんな反応をしたか」が分かりますね。

保育教諭等や友達との一体感、季節や自身の成長の節目などを感じる

一体感については分かります。同じことをしようとする、同じことをして満足げな表情をする、同じものを身に付ける、同じものを持とうとする等、みんなと同じ場にいて、同じことをして、満足そうにしていたら、一体感を得ているんだろうなと想像できます。

季節や自身の成長の節目を感じるというのは難しいですね。お月見会をしたとしても、感じるのは季節ではなくて月についてでしょうし。誕生会で祝ってもらうなど、周りで起きていることに対して、「おそらく何かを感じているかもしれないな」「いずれそういうことにつながっていくんだろうな」と想像するしかないですね。

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

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ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。