伝わりやすい保育指導案の書き方【ねらいと内容の違いを自信をもって説明する】

  • ねらいと内容に書いたことが、他の人にうまく伝わらない。
  • 実習生や新任の先生の指導案を直しても、もとの表現の何がまずかったのか理解してもらえない。
  • そもそも、ねらいと内容の違いがよく分からない。

こんな風に思ったことはありませんか?

この記事は、ねらいと内容の違いをはっきり説明できるようになるために書いたものです。

この話し方で、実際に実習生や新任の先生がすぐに理解できています。

先にまとめてしまいますが、
「今の子どもの姿があって、内容に書いたことを経験して、ねらいに書いた姿になるよ。」
という一言で分かる人もいます。

一言で分からない人には、ねらいと内容を、できるだけ簡単な言葉に言いかえて伝えてみましょう。

ねらいと内容の意味をもう一度はっきりさせよう

ねらいと内容を簡単に表すと

ものすごく簡単に表すとこうです。
ねらい 目標
内容  目標に向かってすること
もっと単純に言うと、ねらいは目標、内容は方法です。

ねらいと内容を、このように言い換えることには多少抵抗もあると思いますが、理解しづらい人は、まずこれくらいシンプルに考えてみたほうが良いと思います。

本当は、ねらいと目標は違うものです。

今は、混乱した頭を整理するために、あえて「ねらい≓目標」で話を進めていきます。

ねらいと目標が違うということは、頭が整理されてからこちらをご覧ください。

簡単な例で考えてみる

もう一度確認しますね。
ねらいは目標、内容は目標に向かってすることです

もっと単純に言うと、
ねらいは目標、内容は方法です。

ダイエットをする話で例えると、こうです。

やせる方法として、

  • 運動する
  • 食事に気をつける
  • 規則正しい生活をする
  • 病気になる

などがあります。

でも、病気でやせるのはちょっと困りますよね。

幼稚園教育要領では、第2章の最初に、次のように書いてあります。

内容は、ねらいを達成するために指導する事項である。

保育所保育指針では、こう書いてあります。

「内容」は、「ねらい」を達成するために、子どもの生活やその状況に応じて保育士等が適切に行う事項と、保育士等が援助して子どもが環境に関わって経験する事項を示したものである。

これを考えると、方法として「病気になりなさい。」っていうのはふさわしくないですよね。

じゃあ、ダイエットのことを、ねらいと内容にすると、こんな感じになります。

ねらい(目標)
○夏までにやせる
内容 (方法)
●運動する
●食事に気をつける
●規則正しい生活をする

保育のねらいと内容も、ダイエットのねらいと内容と同じことです。
最初はすごく簡単に考えて、大体のところを決めてから、後から正確に書けばいいです。

「ねらいと内容の違いは分かってたけど、なんかうまくいかない」という人は、もしかしたら、言葉の使い方がまずいのかもしれません。
こちらもご覧ください。

これから混乱しないために

子どもの姿をはっきりとイメージする

ねらいと内容の区別がつかなくなってしまった人は、文字ばかり眺めて悩んでいませんか?

まず、今の子どもの姿をしっかりと見ましょう。

そして、少し先の子どもの姿をイメージしましょう。

「こんな風に成長してほしいな」と思ってイメージした姿が、ねらいの姿です。

ねらいの姿に成長するまでの過程で経験することが、内容です。

ねらいよりも内容のほうが具体的

次のような「ねらいと内容」だと、ちょっと「?」が浮かびます。
ねらい(目標)
○保育所に行くことを楽しみにしながら生活する
内容(方法)
・保育所で楽しく遊ぶ

確かに、保育所に行くのは楽しみにしてほしいので、ねらいにできます。その過程で楽しく遊んでほしいので、「保育所で楽しく遊ぶ」も内容と言えるでしょう。でも、しっくりきませんよね。

自分に置き換えて考えてみましょう。
ねらい(目標)
○保育所で働くことを楽しみにしながら生活する
内容(方法)
・保育所で楽しく働く

「いや、同じでしょ。」と、自分でツッコミが入ります。このねらいと内容で、楽しく働けたら、誰も苦労はしていません。
内容は、もっと具体的に思い浮かべましょう。

思い浮かべるのは自分のことで、ちょっとしたことで十分です。
何が楽しみですか?

「明日の給食はおいしいかな」
「抱っこしてもらいたいとき、○○ちゃん、本当に可愛いよね」
「新しくした壁面に、みんなどんな反応するかな」
これらを保育指導案の内容っぽい言葉で書きます。

ねらい(目標)
○保育所に行くことを楽しみにしながら生活する
内容(方法)
・給食や手遊びなど、普段の生活でお気に入りのことを見つける
・保育者や仲の良い友達と一緒に、好きな遊びをする
・誕生会などの行事に期待をもつ

内容のほうが、ねらいよりも具体的です。

具体的だと、保育者の援助も思い浮かびやすいです。

目標を達成するための方法は、いくつかあります。「紙面を埋めることが大変だ」と考えてしまうと、「1つですませよう」となってしまいます。でも、1つにまとめるほうが、むしろ難しいですよ。

思い浮かんだことを、箇条書きでも良いので、とにかく書いてみましょう。うまく言葉にできないのであれば、誰かに相談しましょう。悩んでいるよりも、相談した方が早いです。

こちらの記事も参考にどうぞ

手本を見ない

保育指導案を書くことに慣れてないうちは、当然何かを参考にします。しかし、市販の本や、先輩の書いた保育指導案を、参考にし過ぎると分からなくなります。なぜなら、あなたが担任している子ども達のために書かれた保育指導案ではないからです。

さっきと同じことを繰り返して言います。

子どもの姿がはっきりとイメージできますか?手本の保育指導案を見ても、子どもの姿は、はっきりと分からないはずです。だって知らない子ども達のための保育指導案ですから。それに、手本にしている保育指導案が、すべて正しいかどうかは分かりません。他の人の保育指導案を参考にするのは、「あ、自分はこの視点がぬけていたな。」というようなことに気付くためです。

いつも手本を見て保育指導案を書いている人は、


を読んでみてください。

少しは頭が整理できたでしょうか。何度も言いますが、文字ばかり見ているから悩んでしまいます。子どもの姿をイメージして、文字に表してみて、うまく表わせないのならまたイメージして・・・
これの繰り返しです。

そんなこと言われても、上手いこと言葉が思い浮かばなくて困ってるんだよね。という人は、ねらいと内容の書き方についての他の記事も読んでみてください。

月案の「ねらい」と週案の「ねらい」を書き分けることができない。月案の「内容」と週案の「内容」の区別がつかない。月案の「内容」と週案の「ねらい」が似てしまう。などという人は、


を読んでみてください。

言いたいことはあるんだけど、ぴったりの言葉が思いつかないのであれば、



を読んでみてください。

ねらいと内容どころか、本当に混乱して困っている人は、こちらをご覧ください。


実習生向けに書いた記事ですが、現場で働いていても、実習生と同じように分からなくなることはあります。

ねらいと他の言葉の関係について分からないことがある人は、



を読んでみてください。

「保育指導案の書き方をもっと詳しく教えてよ」という人は、「保育塾ベーシック」についての詳しい内容を読んでみてください。保育塾ベーシックの紹介

指導案や要録を実際に書き進めていく様子を見たり他の人の考えを聞いたりしたい方のために、
オンラインの研修も用意しています。また、サブスクリプション方式で、好きな催しに好きなだけ参加できるオンラインサークルも行っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。「もっといろいろと知りたい」という方は、ホームページや、このサイトの記事が一覧になったサイトマップを、研修・ワークショップなどについて詳しくは「保育塾」の取り組みをご覧ください。

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。