指導要録・保育要録の内容と保育力をレベルアップさせる「援助」の書き方

「幼稚園幼児指導要録」「保育所児童保育要録」「幼保連携型認定こども園園児指導要録」「特別支援学校幼稚部幼児指導要録」

できることなら、余裕をもって、しっかりしたものを書きたいですよね。

ポイントとなるのは「援助」です。

 

この記事では、「保育者の援助の書き方」に注目することで、指導要録・保育要録の内容を格段にレベルアップさせる方法を紹介しています。

保育者の援助について、深く考えることになるので、あなたの保育力もアップします。

簡単な言葉で説明しますが、内容としては、ちょっと高度です。

「要録って何?」「何書くか分かんない」という状態の人は、

【超シンプルな視点で書ける】指導要録・保育要録の意味と書き方

【1語からスタートしても書ける】指導要録・保育要録をスラスラ書く方法

【文のスタート・つながりで悩まない】指導要録・保育要録をスラスラ書く方法

を読んでみてください。

 

読んでみて物足りないときは、改めて、この記事を読んでくださいね。

それでは、指導要録・保育要録をレベルアップさせる「援助」の書き方を説明します。

 

指導要録・保育要録には「保育者の援助」を書くべき

指導要録・保育要録には、

  • どのような援助をしてきたか
  • どの援助が効果的だったのか

を書きましょう。

 

指導の要約を記録したもの」が指導要録、「保育の要約を記録したもの」が保育要録だからです。

子どもの姿を思い出すのは当然として、「保育者が何をしてきたか」が大事です。

 

「援助」を視点に文を見直す

「1学期の始めは母子分離不安があったが、園の環境に慣れてくると、次第に笑顔が増え、1学期の終わり頃には、のびのびと遊べるようになった。」

よくある状況ですよね。

これと似たような例文を見かけたことがある人もいると思います。

 

要録の例文で見かけたような文ですが、「保育者の援助」が書いてありません。

「子どもが園の環境に慣れるまで、保育者は何もしなかった」のであれば、当然、援助は書くことができません。

でも、援助を書いてない人も、本当は、いろいろな援助をしているはずです。

 

「子どもの姿をしっかり伝えたい」「書くスペースがない」など、いろいろと都合はあります。

都合があっても、せめて1つくらいは「保育者の援助」を書きましょう。

 

「時期を表す言葉が本当に必要か」を見直す

「1学期の始めは母子分離不安があったが、園の環境に慣れてくると、次第に笑顔が増え、1学期の終わり頃には、のびのびと遊べるようになった。」

この文に、保育者の援助を書き入れてみましょう。

普段、あなたがしていることを思い出して書けばOKです。

 

書くスペースがない人は、「1学期の始めは・・・」あたりを消してしまいましょう。

このような姿が、1学期の始めに見られるのは、特別ではないからです。

  • 2学期になって、母子分離不安が見られるようになった
  • 年少、年中のときには見られなかったが、年長の11月から母親を強く求める姿が現れた。

このように、スペースが無い場合は、特別に伝えたいときだけ、時期を書きましょう。

 

また、「始めは1学期で、終わりは3学期」と書くと、時期を2カ所に書く必要があります。

「3ヶ月続いた」「4、5月に見られた」などと書くと、1カ所だけ書けばすみます。

 

自分がした援助を具体的に書く

具体的には、みなさん、あの手この手を使っていると思いますので、それを書けばOKです。

ここでは、子どもが保護者から離れられないとき、どのような対応をしているか、思い出してみましょう。

よく思い出してみると、子どもにより、状況によって、少しずつ対応を変えているはずです。

 

まず、玄関先では、次のような対応をすることがあります。

  • 担任が玄関まで迎えに出る
  • お気に入りの人形やエプロンのキャラクターで話しかける
  • 仲の良い子どもを連れてくる
  • しゃがんで手を差し出し、抱っこを促す
  • サッと抱き上げて連れて入る
  • スキンシップをとる

これらが「要録に書くには具体的すぎる」と言われるのであれば、

  • 母親の代わりに、よりどころになるように働きかける
  • 安心できるような状況をつくる

などの表現ができます。

 

次年度の先生としては、できれば1つでも例があると、ありがたいです。

  • 抱っこを促し、スキンシップをはかるなど、よりどころになるようにする
  • 仲の良い子どもと迎えに出るなど、安心できるようにする

「など」を使うと、「実際は、いろんなことをしてるんだろうな」ということが分かります。

 

他にもいろいろと、援助していますよね。

泣き止まないかもしれないけど、とにかく園に入ったら、その次は、

  • 髪型や着ている服にプリントされている絵などを話題にする
  • おまじないや魔法の言葉をかける
  • 好きな遊びやお気に入りの場所に誘う
  • 水筒のお茶を飲むように勧める
  • 落ち着くまで抱っこする
  • 落ち着くまで保育者の横にいるようにする

このような対応をしているのではないでしょうか?

 

「要録らしい言葉を使わないと」と言われるのであれば、

  • 気持ちが切り替わるような言葉をかける
  • 気持ちが落ち着くように働きかける

などと書きましょう。

 

でもやっぱり、1例だけでも伝えたいので

  • 好きなものを話題にすることで、気持ちが切り替わるようにする
  • 落ち着くまで行動を共にした後、遊びを促す

スペースが少しでもあるなら、このように書くほうが親切です。

 

「Aちゃんはプリキュアの話をすると、すぐに反応するんだけどな」などと、どうしても伝えたいことを具体的に書けない場合は、連絡会議など、要録以外のことで伝えましょう。

 

保護者と離れられないのは、「園での生活に不安を感じているから」という場合も多いですよね。

  • 見通しがもてない、話が理解できないなどで、不安を感じている
  • 友達との関わりが思うようにいかない
  • 今日は苦手なことがある日

このように、不安の原因が分かるのであれば、原因を取り除く援助をしているはずです。

  • 全体へ向けた話だと理解しづらいため、後から個人的に伝える
  • 話をしながらホワイトボードに絵を描いて、分かりやすく伝える
  • 友達に気持ちを伝える機会をつくったり保育者が気持ちを代わりに伝えたりする
  • 苦手なことが上手くできるように繰り返し教える

他にも、場合によって、いろいろな援助をしていますよね。

 

要録に書くときには、個別支援視覚支援スキルを教えるなどと、一言で表すとスッキリします。

  • 見通しをもてるよう、次の日の予定を伝えるなどの個別支援を行う
  • カードやホワイトボードでの視覚支援を行いながら話をする

こんな書き方ができるでしょう。

 

母子分離不安について要録に書くときの実際

要録の例文で、よく見かけるのは、

「1学期の始めは母子分離不安があったが、園の環境に慣れてくると、次第に笑顔が増え、1学期の終わり頃には、のびのびと遊べるようになった。」

というような文です。

でも、実際は、いろいろな援助をしているはずですよね。

  • 時期を表す言葉が本当に必要なのかを見直す
  • 実際にしてきたことを思い出して、援助の具体例を1つは入れる

ということを考えてみましょう。

 

試しにいくつか書いてみます。

  • 母子分離不安が見られたときは、担任が玄関まで迎えに出ると、安心できることが多かった。3ヶ月ほどで、スムーズに離れられるようになっている。
  • 母親と離れづらいときは、担任がスキンシップをはかり、落ち着いた頃を見計らって遊びに誘ってきた。7月からは、特に対応する必要は無くなった。
  • 次に何をするか分からないことに不安を感じ、「幼稚園に行きたくない。」と言う時期があった。実際には休んでない。予定を事前に伝えること、絵で分かりやすく表示することで、不安が解消された。
  • 2学期に母子分離不安が見られた。気持ちを聞き出し、運動会の活動に対しての不安を取り除くと、安心して登園するようになった。

文字数は、援助を書いていない例文とほとんど変わっていません。

状況を詳しく書かなくても、保育者の援助を具体的に書くことで、状況が想像できます。

「母子分離不安がありましたよ」と伝えられる側の人は、「どう対応すれば解決できたか」についても知りたいと思っています。

要録には、保育者の援助を具体的に書きましょう。

 

まとめ

指導要録は「指導の要約を記録したもの」

保育要録は「保育の要約を記録したもの」です。

ですので、子どもの姿だけでなく、保育者の援助を書きましょう。

 

「1学期には~」「3学期になると~」の表現を見直すことで、スペースが生まれ、より詳しい表現にもなります。

特に必要でなければ、時期を表す言葉をやめてしまいましょう。

また、「4、5月は」「3ヶ月間」など、より具体的な期間を表す表現にしましょう。

 

保育者の援助は、実際にしてきたことを思い出しましょう。

詳しすぎると、「要録としてはちょっと」となってしまいます。

まとめすぎると、状況が思い浮かびません。

1例を挙げて、短くまとめましょう。

 

援助を具体的に書くと、状況も思い浮かびます。

要録に保育者の援助を具体的に書くと、次年度の先生が助かります。

自分の保育を見直すことで、保育力もアップします。

自分のためにも、要録をしっかりと書きましょうね。

 

「この記事に書いてあることは、ちょっと難しかったな」という人は

【超シンプルな視点で書ける】指導要録・保育要録の意味と書き方

【1語からスタートしても書ける】指導要録・保育要録をスラスラ書く方法

【文のスタート・つながりで悩まない】指導要録・保育要録をスラスラ書く方法

を読んでみてください。

 

肯定的に書くのが難しいときは

肯定的な言葉で「指導要録・保育要録」を書ける3つの法則

 

書くのに時間がたくさんかかってしまう人は

指導要録・保育要録に時間を取られる5つの理由と対処法

を読んでみましょう。

 

指導案に関しての「保育者の援助」については、

具体的な動きや声のかけ方が分かる「保育者の援助」の書き方

ブレない「保育者の援助」でレベルアップするための4つの視点

をご覧ください。

 

「要録の書き方をもっと詳しく教えてよ」という人は、下の画像をクリックして、「保育塾ベーシック」についての詳しい内容を読んでみてください。

保育塾ベーシックの紹介

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

「もっといろいろと知りたい」という方は、

ホームページや、このサイトの記事が一覧になったサイトマップをご覧ください。

 

まずは、今年度のように要録に苦労しないために

「発達を考えた遊び方」のカテゴリー

子どもの姿・見取りのカテゴリー

環境の構成、保育者の援助のカテゴリー

などをチェックして、好きな記事を読んでみましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。