【詐欺に注意】保育のICT化に潜む罠と正しい導入方法




「持ち帰りやサービス残業が多い」

「朝の人員が少なくて、健康チェックや保護者とのやりとりが十分にできない」

これらの問題を解決するために、保育現場のICT化に希望をもっているみなさん。

 

まずハッキリ言いましょう。

利益しか考えていない業者に、むしり取られますよ。

悪徳業者ではなかったとしても、

機器を購入すればなんとかなると思っている人は、導入しても解決しませんよ。

 

この記事は、保育現場の安易なICT化にストップをかけ、各園が適切にICT化をできるように書いたものです。

導入のポイントは必要なものを見極めること。

自分の園に何をどのように取り入れるべきか、取り入れる前に、今の時点で何ができるかを考えた上で、ICT化を進めてくださいね。

 

そもそもICTとは

ICTの意味

ICTとは

「Information and Communication Technology(情報通信技術)」

の略です。

 

もっと前から聞き覚えのあるのは

IT

「Information Technology(情報技術)」

ですね。

 

あまり区別無く使われることもあるようですが、

ICTは、「情報を共有する」という部分に特徴があります。

そして、「コンピューター技術の活用方法」として、ICTという言葉が使われることもあります。

 

ICT化でできること

たとえば、保育の現場だと、

  • 保育所から、体温などの健康状態や子どもの写真がスマホに送られる
  • 登降園の時間や出欠の連絡をスマホでできる

これらは、保護者から非常に喜ばれます。

 

  • 他園の子どもたちや海外の人たちなどと、リアルタイムでコミュニケーションできる
  • 病気などで自宅や病院から出ることができなくても、園の活動に参加できる

ということもできます。

これらは、ICTの「情報を共有する」という部分ですね。

 

「コンピューター技術の活用方法」ということに目を向けると、キリがないほど例をあげることができます。

授業や保育の場面では、

  • プロジェクターに画像を映し出して興味をひく
  • 文字などを拡大して、細部まで分かりやすくする
  • タブレットを使って絵を描く
  • 聞きづらい子どもには、ノイズキャンセラ-などを使用する

などがあります。

 

事務的な仕事では、

  • 出席簿に出欠席を入力すると、要録の出席日数などにも自動で入力される
  • 様式や文例が用意されており、選択するだけですむ
  • 送迎バスの運行や、職員のシフト作成などの管理ができる

など、作業を軽減できる仕組みがたくさんあります。

 

ICT化で起こる問題

補助金も出てICT化は推進されているし、便利そうだし、導入したらいいのに・・・

と思いますよね。

でも問題だらけなんです。

 

  • とにかく高い
  • 必要ない機能が多い
  • 不具合がある
  • 使う人の差で保護者が不満をもつ
  • 利用の仕方で、アナログ以上に時間がかかる

で、結局使わなくなることすらあります。

これらについて、詳しく説明しますね。

 

ICT化はとにかく高い

ICT化をするとき、業者に言われるままに設備を整えると、とにかくお金がかかります。

初期費用90万円とか、毎月2万5000円とか。

毎月2万5000円だと、10年で300万円です。

利用するためのタブレットやスマホなどの機器も購入する必要があります。

 

さらに、下の記事を見ると、必要以上のお金を支払うケースがあることが分かります。

保育園「補助金100万円」にたかる業者の実態~ICT機器を定価より高く販売、契約書作らず

だまされていることに気付くことすらない人もたくさんいることでしょう。

 

なんで悪質な業者が出てくるかというと、補助金が高く、おいしい商売だからです。

平成31年度実施「IT導入補助金」は、補助上限額450万円!

 

必要ない機能が多い

なぜ高くなるかというと、必要ない機能をたくさんつけるからです。

便利そうだからといって、あれもこれも機能を追加すると、当然、高額になります。

業者はそれを言葉巧みに勧めてくるんですよね。

スマホと同じです。

気付かないうちに、いらない機能で利用料が跳ね上がります。

 

不具合がある

まず、使い勝手がよくない場合があります。

掃除機だろうが、冷蔵庫だろうが、使い始めてから「ここの部分が不満だよね」ということがあります。

それと同じことです。

 

通信機器の場合、送信したつもりが相手に届かないこともあります。

 

うまく動作しないなどの不具合も起こります。

「使い勝手が悪い」「不具合がある」などで改善を要求すると、当然のように追加料金を取られることもあります。

追加料金を取られるくらいならいいですが、対応してもらえないこともあるんです。

開発を外注して、販売するだけの業者の場合、悪質な業者だとしたら、売って終わりです。

ウインドウズのアップデートに対応できなかったら、その時点でただのゴミになります。

 

使う人の差で保護者が不満をもつ

パソコンなどに不慣れな人がいますよね。

ICT化をしたとしても、その人は上手く使いこなせません。

簡単に入力して、すぐに送信できるのがウリなので、入力した内容のチェックはしませんよね。

不慣れな人が、機能を上手く使っていないことに気付かないとしたら・・・

他のクラスと内容に差があることに気付いた保護者が不満をもつことにもなります。

 

利用の仕方で、アナログ以上に時間がかかる

まず、パソコン等に不慣れな人は時間がかかります。

上手く使いこなせなかったら、

それを教えるのにも、上手くできているか確認するのにも時間がかかります。

 

そして、慣れている人たちでも、利用の仕方によっては時間がかかります。

ICT化で時間が短縮されるなら、最も情報機器に慣れている人が多いはずの携帯ショップで、購入するのに半日かかることもあるのは何故でしょう?

ICT化の専門職員がいたとしても、運用するのに時間がかかるのは目に見えています。

 

ICT化をするときのポイントとは

ICT化をするときにポイントとなるのは、

必要なものを見極めることです。

 

ICT化をすると、なぜ高額になるのか。

それは、必要ない機器や機能を勧められて、言われるままに購入してしまうからです。

だから、必要なものを見極める必要があるんです。

 

ICT化の多くはこれまでの機器でもできることを知る

ICT化の多くは、新しい機器を購入しなくてもできます。

 

ICT化でできることは、次のようなものがありましたね。

  • 他園の子どもたちや海外の人たちなどと、リアルタイムでコミュニケーションできる
  • 病気などで自宅や病院から出ることができなくても、園の活動に参加できる

ということもできます。

これらは、無料のアプリを使って通信し、パソコンの画面をプロジェクターに映せばできます。

新しい機器を何十万円も出して買い、毎月の使用料を支払う必要はありません。

 

授業や保育の場面では、

  • プロジェクターに画像を映し出して興味をひく
  • 文字などを拡大して、細部まで分かりやすくする
  • タブレットを使って絵を描く
  • 聞きづらい子どもには、ノイズキャンセラ-などを使用する

ICT化で、これらをすることができました。

 

もう分かりますよね。

プロジェクターは、今までにもあるものです。

タブレットを使えば、文字は拡大できるし、絵を描くこともできます。

ノイズキャンセラーも、普通に販売されています。

 

  • 登降園の時間や出欠の連絡をスマホでできる

これも、無料のアプリでできますね。

問題としては(業者が売っているものも同じ問題があります)、保護者が入力を忘れると、電話等で連絡をして、確認するしかないですね。

アナログより時間がかかる可能性のあるものの1つです。

 

事務的な仕事では、

  • 出席簿に出欠席を入力すると、要録の出席日数などにも自動で入力される→エクセルで作れます。業者のソフトは、見た目を可愛くしてあります。
  • 様式や文例が用意されており、選択するだけですむ→これをやると、保育士や幼稚園教諭である必要は無くなってしまいます。
  • 送迎バスの運行や、職員のシフト作成などの管理ができる→園の実状に合わせてカスタマイズしてもらえるかが問題です。何十万かけてカスタマイズし、園の実状に合ったものができればいいですね。

 

また、要録に関しては、

指導要録・保育要録をパソコンで「無料」かつ「安全」に作成する方法

という記事を書いてあるので、ご覧ください。

 

アナログでもできることを知る

必要なものを見極めるために、もう一度、アナログでもできることを考えてみましょう。

実は、この記事を書くきっかけとなったツイートがあります。

これを知っていたら、

呼吸の有無を感知する機械と、離れたところへも通知してくれる機能はいらないですよね(実際に販売されています)。

というよりも、そんな機械に頼っては行けない場面ですが。

 

他にも、見直せるところはたくさんあります。

このサイトでも、これまでに書いた記事で関連したものがたくさんあります。

いくつかリンクを貼りますので、読んでみてください。

思ったよりもたくさんになったので、これくらいで終わりにしておきます。

 

もともと、この「保育塾」のサイトは、

「保育現場の働き方改革を進めよう」という名前でスタートしたので、ほぼ全ての記事の内容が時短につながるものです。

忙しくて困っている人は、いろいろと読んでみてください。

 

まとめ

ICT化をするときには、「本当にいるものは何か」を見極めることが必要です。

業者に言われるままに機器を買い、機能を追加すると、とんでもない金額になります。

ひどい場合には、購入して手に入る機器やサービス以上の金額を請求されます。

アフターフォローが無い場合もあり、そのときは全てが役に立たなくなる可能性もあります。

 

保育現場で言われているICT化の多くは、既存の設備や一般的に流通している機器で十分にできるものです。

  • 保育所から、体温などの健康状態や子どもの写真がスマホに送られる

個人的には、便利なのはこれくらいかと思います。

ただ、保護者は嬉しいですが、仕事の簡略化にはならないかもしれません。

一度に送ることができる量に制限があると、待たないといけないからです。

それから、デジタルで入力し、データに残しておくだけなら、既存のソフトでできますよね。

 

また、ICT化をしなくても、アナログのままでできることが、本当にたくさんあります。

ICT化をするのにかかる手間で、今のやり方を見直せば、大きく改善できるのではないでしょうか。

 

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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。