カメの飼い方には要注意!保育関係者が絶対に知っておくべきこと




カメを飼うときには、思った以上に注意が必要です。

カメの飼い方を「初心者」というキーワードを入れて検索するような人、子どもや保護者さんからカメを受け取って、飼い方を調べているような人は、最初から飼わない方が安全です。

さらに、これまで飼っていたカメを、これから飼えなくなる可能性があります。

そのカメは、一番身近な種類のアカミミガメです。

 

この記事では、保育所や幼稚園で親しまれているカメを取り扱うときの注意点を紹介しています。

カメの扱いについて、知らなかった人、なんとなく分かっていたけどスルーしていた人は、もう一度、確認をしてください。

 

なぜカメの飼い方には要注意なのか

なぜ、カメの飼い方には要注意なのでしょうか。

一言で言うと、カメを園で飼うことは、ほぼ不可能だからです。

 

カメを飼い始めるのは簡単です。

でも、冬眠する前や子ども達が進級するタイミングでカメを逃がしていませんか?

カメは逃がしてはいけません。

もし、カメが死ぬまで飼えないのであれば、他の簡単に飼うことができる生き物を飼いましょう。

子どもが自分で世話をできる生き物10選

 

保育所や幼稚園で、カメを飼うことができない理由は次の通りです。

  • カメの寿命は40年くらいある
  • カメが大きくなると、設備も大きいものが必要になる
  • 一度飼ったカメは野生に帰してはいけない
  • 飼ってはいけないカメがいる

 

カメの寿命は40年くらいある

生き物を飼うときには、責任を持って、最後まで飼わないといけません。

でも、カメの寿命は40年くらいあります。

40年飼おうと思うと大変ですよね。

個人の家なら、自分の判断で、飼おうと思えば飼えます。

園で飼うとなると別問題ですね。

 

カメが大きくなると設備も大きいものが必要になる

カメが大きくなると、その分大きな設備も必要です。

少なくとも、保育室に置いておけるような水槽では小さすぎます。

足などを洗うタライで飼っている園を見かけますが、タライだと簡単に脱走します。

カメは脱走させたらダメですからね。

 

一度飼ったカメは野生に帰してはいけない

一度飼ったカメを、野生に帰してはいけません。

動物愛護の観点から、犬や猫を捨ててはいけないのと同じことです。

でも、「拾ってきたカメなら、野生に帰しても大丈夫だ」と思う方もいることでしょう。

もとの場所に帰せば、うまく生きていくことができるかもしれません。

そうすれば、生き物の命を粗末にしていることにはならないでしょう。

 

しかし、カメの場合は、犬や猫とは違う問題もあります。

農作物に被害を与えることや、生態系に大きな影響を及ぼす場合があります。

特に、特定外来生物に指定されている種類のカメを逃がすと、法律により罰せられます。

 

飼ってはいけないカメがいる

特定外来生物に指定されているカメは飼うことができません。

まず、誤解のないように言うと、カメのすべてが、特定外来生物なのではありません。

カメの中の、一部が特定外来生物に指定されています。

・カミツキガメ
・ハナガメ
・ハナガメ×ニホンイシガメ
・ハナガメ×ミナミイシガメ
・ハナガメ×クサガメ

この5種類です。

 

日本には、昔から日本に生息していた生き物ばかりではなく、なんらかの理由で、外国から入ってくる生き物がいます。

その中でも、農作物に大きな被害を与えるとか、生態系に影響がある生き物は、特定外来生物として指定されることがあります。

それを決めるのは環境省です。

 

特定外来生物に指定されると、飼育は禁止されます。

逃がしてもダメです。

生きたまま持ち運んでもいけません。

 

農林水産業や、生態系に、大きな影響を及ぼす場合もあるため、違反した場合の罰則は厳しいです。

許可なく飼育をした場合、個人だと懲役1年以下、もしくは100万円以下の罰金。

法人だと5千万円以下の罰金です。

許可なく逃がした場合、個人だと懲役3年以下、もしくは300万円以下の罰金。

法人だと1億円以下の罰金です。

出典:環境省ホームページ https://www.env.go.jp/nature/intro/1law/bassoku.html を加工して作成

 

保護者や近所の人が持ってきたら

一般の人であれば、何も知らなくても、特定外来生物に関わらなければすむことです。

しかし、保育施設には、善意で生き物が持ち込まれることがあります。

特定外来生物に指定されていたとしても、知らずに持ち込む人がいる可能性はあるでしょう。

特に、ハナガメと他のカメが掛け合わされたものは、見た目もいろいろで区別がつきません。

 

できれば、保護者には、身近にいる特定外来生物について、お便りなどで知らせましょう。

町中でも、池があればウシガエルの声がします。

釣りに行った人が、知らずにブルーギルを持ってくるかもしれません。

これらは、すでに特定外来生物に指定されています。

でも、実際に園に持ってきてしまった例があるのです。

 

カエルについてはやめて(泣)死んじゃう!けっこうな人数が間違っているカエルの飼い方もご覧ください。

ウシガエルの他にも、別の意味で注意が必要なカエルがいます。

 

アカミミガメは飼って良い?

アカミミガメは飼うことを禁止されていません。

すでに飼っている園もあるでしょう。

おそらく、目にすることが一番多いのは、ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)。

目の横に赤い線があるカメです。

園の近くに川があると、年1~2匹は園庭にやってきます。

 

環境省は、平成27年7月に「アカミミガメ対策推進プロジェクト」を公表しました。

https://www.env.go.jp/press/101292.html

さらに、アカミミガメについて、ホームページを平成28年4月22日に更新しています。

https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/attention/akamimi.html

 

新聞報道などで、アカミミガメが特定外来生物に指定されることが決定したと誤解をしている人がいます。

まだ決定していませんからね。

私たちは、責任をもって生き物を飼うために、きちんとしたことを知っておくべきです。

 

もしアカミミガメが特定外来生物に指定されたら

何度も繰り返し言います。

アカミミガメは特定外来生物ではありません。

でも、今後そうなった場合のことを考えておく必要はあります。

 

続けて飼育する方法

特定外来生物は、飼育することはできません。

しかし、規制される前から飼っている場合は、許可を得た上で飼うことができます。

規制されてから6ヶ月以内に

許可を得られれば

その個体に限り

と、条件はいろいろあります。

出典:環境省ホームページ https://www.env.go.jp/nature/intro/1law/shiyou/tetsuduki.html を加工して作成

 

手放す方法

特定外来生物に指定されると、園では飼うことがほぼ不可能でしょう。

手続きをして許可を取って、その後何十年も飼うことは、ちょっと想像できません。

そうなると、指定される前に手放すことを考えないといけません。

逃がしてはダメなので、他の方法です。

 

確実なのは、市役所などに問い合わせをすることです。

ホームページで、カメの引き取りを呼びかけている市もあります。

殺処分が嫌であれば、水族館などの研究施設にお願いする方法があります。

しかし、その施設も、余裕がなれけば受け入れてもらえません。

 

園に迷い込んできた場合

アカミミガメは、周りの環境によっては、目にする機会が多い生き物です。

川がコンクリートで固められていると、産卵する場所がありません。

そのため、産卵場所を探して園庭までやってくることもあります。

 

子ども達がカメを見つけると、捕まえたくなってしまいますよね。

子ども達にも、きちんと話をするべきです。

・生き物を飼うのであれば、死ぬまで責任をもって飼うこと。

・卵を産む場所を探しに来ているから、捕まえずに、そっとしておいたほうが良いこと。

この2つを伝えれば、十分理解できるはずです。

生き物の命について考える、良い機会だと思います。

合わせて知っておきたいこと

アメリカザリガニも外来生物です。

特定外来生物としては指定されていません。

しかし、積極的に駆除を呼びかけ、対策を進めている県もあります。

学校に対しても、

・教材としてアメリカザリガニをできる限り使用しない。

・外来種であることや、それによってひきおこされる問題について説明する。

・飼育している場合は死ぬまで責任をもって飼い、野外に放流しない。

教材として取り扱うことについて、このように指導しているところもあります。

 

ザリガニもカメも、身近な生き物です。

園外に遊びに出かけたときに捕まえることや、園で飼うことも多いでしょう。

アメリカザリガニについては本当は臭いのしないザリガニの飼い方をご覧ください。

外来種であることや、ひきおこされる問題まで、詳しく説明する必要はありません。

しかし、生き物をどのように扱うかについて、改めて考えるきっかけとしてはいかがでしょうか。

もし、「飼うのが大変だ」と感じるのであれば、最初から飼うのが簡単な生き物を飼いましょう。

子どもが自分で世話をできる生き物10選

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。