【トコトン付き合う】子どもの好奇心を満たすことを考えると保育ですることが見えてくる話(雨の日の遊び編)

あなたは「子どもの好奇心を満たす」とはどういうことか考えたことがありますか?何度も同じ絵本を読んでほしがる子どもへの対応として、「何度でも読みましょう」と言われているのは、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。語彙力、表現力が身に付きやすく、心も満たされるんですよね。では、他の遊びはどうでしょう?

子どもの要求にはトコトン付き合うことが大事

同じ絵本を何回も読んでほしがる子どもがいます。本来、子どもは何度も同じ絵本を読んでもらいたがるものなのでしょうが、「またそれ~?」とか、「もう読んだよ」などと大人に反応されるうちに、ザッと見て終わりにしてしまう読み方が普通になっていくのではないでしょうか。保育の現場で絵本を読もうとすると、子どもから、「もう見た」とか、「え~?家にある」なんて反応が返ってくることがあります。ところが、読んでみると、そんなことを言っていた子ども達も面白がるんですよね。家にあって飽きているはずの子どもから、「もう一回」とリクエストされることもあります。

なんとなく眺める、色使いを楽しむ、細かく描きこんである絵の中から新しいことを見つける、繰り返し出てくる言葉の面白さを感じる、今までは知らなかった言葉の意味が分かる、新しい表現を知る、登場人物の表情を見る等々、1度や2度読んだだけでは分からないことがたくさんあるんですよ。

文字が読めるようになると、「もう自分で読めるでしょ」と、子どもに任せっきりにしてしまう人もいますが、文字を読めることと文を読めること、文章を理解すること、楽しむことは、それぞれ違います。文字が読めるようになったばかりの子どもが絵本を読んでも、「文字を追う」という作業をするだけになってしまいます。絵を見る余裕もありません。もちろん、自分で読むことも必要なんですけど、読んでもらうことと両方をしていきたいですね。

絵本以外の遊びの場合

では、絵本以外の遊びの場合はどうでしょうか。絵本の場合は、「語彙が増える」とか、「表現力が身に付く」などと、繰り返し読む利点を言われることが多いですが、他の遊びについては話題になることは少ない気がします。知育にまつわる遊びついては語られることが多いのですが、関連商品を売らないといけないので、企業が利点をしっかりと語ってくれていますよね。

ここで言う「他の遊び」は、絵本や知育玩具を買わなくても楽しむことができる遊びです。身体を動かす遊びは筋力やバランス感覚を養いますし、チーム対抗の鬼ごっこなどは作戦を考えたり仲間と協力したりすることにもなります。絵を描いたり、秘密基地や乗り物、ロボットなどを作ったりすると、想像力、発想力、表現力などにつながりますし、大がかりなものなら、ここでも協力が必要です。このように、遊びによって育つことはいろいろとあります。今回は、雨の日にどう遊ぶかを考えてみますね。

雨の日にどう遊ぶか

雨の日は、屋内で遊ぶことが多くなります。狭い範囲に多くの子どもが集まるので、走りまわったり材料を広げたりし辛いですよね。ですので、「雨の日は遊びにくい」と感じている方もいらっしゃると思います。カードゲームやボードゲーム、みんなで遊べる積み木やその他のオモチャを充実させるのも1つの手ですが、ここでは、お金のかからない方法をお伝えします。雨そのものを楽しむ方法です。

雨の園庭を探検する

少しくらいの雨ならば、雨が降る園庭を探検してみましょう。植物の見た目も違いますし、カエルやカタツムリが出てくるイメージで探す子どもがいるかもしれません。遊具が濡れて滑るのを確認すると、遊ぶ前に安全かどうかを子どもが気をつけることにもつながります。水溜まりができやすい場所や、水の流れができるところなど、面白いポイントが見つかるかもしれません。

雨具や長靴を楽しむ

傘を差すこと、カッパを着ること、長靴を履くこと、それ自体が楽しいのが子どもですよね。あえて雨水が上からたくさん落ちてくる場所に行って濡れないことを試したり水溜まりに入ったりするのは、傘やカッパ、長靴の機能を分かって確認しているんです。「たぶん濡れないよ。ほら、やっぱりね。」と、予測を立て、検証しているんですよ。新しいものを買ってもらった子どもがいたら、なおさら試したいですよね。

雨宿りをする

雨宿りをするのも楽しいですね。雨が降る様子を語ったりどのタイミングで帰るのか相談したり。全然関係の無い話をしても面白いですけど。「雨宿りをしながら話す」というのが、いつもと違って面白いですよ。

その他いろいろ

他にも、遊び方はいろいろです。

  • 水遊びのように濡れることを楽しむ
  • 物を濡らしてみる
  • 容器に雨を貯める
  • 雨が降る様子、雨水が流れる様子を眺める
  • 雨音を聞く(何もしない状態で聞く、傘に当たる音を聞く、受ける容器によって変わる音を楽しむ等)
  • 雨水でコンクリートに絵を描く
  • 自分が雨になって表現遊びをする
  • 雨にまつわる歌を歌う
    あまだれぽったん

例として、「あまだれぽったん」のユーチューブのリンクを載せたのですが、これをしないといけないということはありません。他の振り付けもありますし、手遊びとして伝えてしまうと子どもの自由な表現が出にくくなってしまいます。ピアノを弾かなくても、手遊びにしなくてもよいので、あまだれを見ながら歌いたいですね。

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管理人うち@uchi70794834|Twitter)

保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。