「保育と育児は違う」から見えてくる園庭と公園の違いと園庭が無い園の保育で意識したいこと

「保育と育児は違う」という言葉を聞きます。何が違うかを考えたとき、1つは仕事としての意識をもって子どもに接するかどうか、もう1つは環境です(私調べ)。特に、環境の違いは本当に大きくて、「子どもが生活するための建物」か、「家族が生活するための建物」かで、全く変わってくるんですよ。同様に園庭と公園も大きく違います。

園は子どものためのもの

保育所や幼稚園は子どものために建てられています。…当然でしょ。と思われるかもしれませんが、改めて考えてくると見えてくることがあるんですよね。

たとえば、給食や弁当を食べるイスやテーブルは子どもサイズです。保育者も子どもと同じイスに座り、同じテーブルで食べます。子どもとは別で食べるところもありますが、それは一旦置いといて、とにかく、大人が子どもサイズに合わせた生活をしています。家庭だと、大人サイズに合わせたイスとテーブルが用意されているのが普通ですよね。子どもが小さいうちは子ども用のテーブルとイスを用意しますが、それは「特別扱い」です。

保育所、幼稚園だと、子どもサイズは特別扱いではないんですよ。それが普通です。

(建てられるときにちゃんと考えられている)保育所や幼稚園は、そもそも子どもの手が届く位置にコンセントがありません。コンセント以外の事故につながる可能性があるものも、極力置かなくても生活できるようになっています。普段子どもが生活する保育室とは別で給食室があるため、調理中に子どもが危険な目に遭うことがありません。家庭だと、子どもが小さいうちはコンセントカバーや柵を付けるなどしますよね。これも、子どもが小さい間だけの特別な配慮です。

保育所、幼稚園だと、特別ではないんですよ。安全面も小さい子ども基準です。

もちろん、その上で十分に気をつけなければなりませんが、基本的に、家庭よりも安全で過ごしやすい環境が整えられています。これは園庭も同様なんですよ。

園庭と公園の違い

園舎が子どものために建てられているのと同様、園庭も子どものために造られています。公園にも、小さい子どもに合わせて遊具や砂場がありますが、それは公園の1部分です。園庭と違うことがいろいろとあります。

  • 公園は外部から自由に出入りできる
  • 公園は不特定多数の人が利用できる
  • 公園は小さい子ども向けではない部分もある

家庭が大人中心であるのと同じように、公園も様々な人が利用することを想定して造られています。子どものためだけに造られたものではないんですよね。家庭内で子どもが自由にできない部分があるのと同じように、公園には小さい子どもにとって制約がいろいろとあります。一方で、子どものために造られた園庭では、公園でできないことがいろいろとできます。

  • 好きなときに遊ぶ
  • 虫を捕まえる
  • 葉っぱや実を採る
  • 集めた自然物を園庭でとっておく
  • 砂場を造成して翌日以降に続きをする(園によっては築山や地面も掘る)
  • 秘密基地をつくる
  • 畑をつくる
  • 木に登る
  • たき火をする(もちろん、地域によって違います)

ざっと考えただけでも、公園でできないことがこれくらいは並びます。もちろん、園によっていろいろで、これらをできない園も多いでしょう。また、もちろん公園に行く利点もあります。公園への行き帰りで、社会を知ることになりますし、体力もつきます。安全な歩き方を学ぶことにもなります。園庭よりずっと自然が豊かな公園もありますよね。

ただ、子どものために造られた園庭で遊ぶのとは違い、公園に行く場合は、道中も遊んでいる間も、園庭以上に気を張って安全に気をつける必要があります。この点で、園庭が無い園は、園庭がある園で働く以上に疲れるので、職員の休憩時間をしっかり確保することも考えないといけませんね。また、園庭で得ることができる経験を、何を代わりにして保障していくかが難しいですね。これについては改めてじっくり考えたいです。

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。