「僕らの前で運動苦手な子は1人もいません。」これは、運動遊びの専門家、小川さんの言葉です。さらに、「3歳未満児を対象とした運動遊びもします。」「跳び箱・マット・鉄棒はしません。」
と言われます。「一体どんな運動遊びなんだろう…」と思いませんか?
保育現場に外部講師が来ることの是非
英語、体操、リトミック、マーチングなどがカリキュラムに入っていて、「年長は毎週木曜日に取り組んでいます」というような園は少なからずあります。一方で、保育現場に外部講師が定期的に来ることについて、批判的な人もいます。ですが、外部講師が来ることに批判的な立場の人の園も、子ども達に鍵盤ハーモニカを教えていたり発表会の練習に全員参加だったりします。
何が違うのかというと、おそらく、時間を区切って、有無を言わさず教え込まれることへの批判なのではと感じます。外部講師の人が来ることの利点よりも、子ども達や職員の負担が大きくなる点のほうが大きい場合があるんですよね。
であるならば、外部講師の人も保育ができれば、話は大きく変わってきます。
外部から見た保育現場の運動遊び
Trenta(トレンタ) 代表の小川さんは、保育の現場に行くときには、いわゆる外部講師です(Trentaホームページはコチラ)。外部から見たとき、一般的な保育現場の運動遊びはどのように見えているのでしょうか。
- 運動遊びの時間なのに運動してない(並ぶ時間、待つ時間が多い)
- 苦手な子が、プレッシャーを感じてまで運動する必要があるのか
- 保育士が並ばせ、静かにさせ、外部講師の補助をする…これが保育なのか
外部の方から見ても、不自然だと感じられることがあるんですよね。
リトミックや合奏も同じような問題はありますよね。
普段の保育とつながった運動遊び
上記のような問題があるならば、それを解決してしまえばすむことです。
運動遊びの専門家である小川さんは、「保育者が今している保育中に見られる子どもの姿の中に、運動はたくさんあるんだよ」ということを教えてくれる人です。実は、子ども達はすでに運動をたくさんしているんですよ。「僕らの前で運動苦手な子は1人もいません。」と言われるのも頷けます。
遊びの中で、子どもが自ら選び、楽しんで遊んでいることそのものが運動遊びだとしたら、「運動面でこんな育ちが見られましたよ」と、保護者さんに伝えて満足してもらえるとしたら、普段の保育とは大きく変わることはありません。
小川さんの話を聞いたとき、「この人がしているのは保育だな」と感じました。「外部の保育者が、たまに来て楽しいことをしてくれる。この人の場合は、得意なのが運動遊び。」という感覚なら、外部講師が来ることへの印象も変わるのではないでしょうか。「隣のクラスとの合同保育を第三者がしてくれる」と考えると分かりやすいかもしれません。
ドキュメンテーション×運動と発達
縁あって、小川さんと知り合うことができたので、普段行われているプログラムとは少し変えて、保育塾オリジナルの研修をして頂けることになりました。今回の研修では、小川さんに「この姿勢ってね、こういうところが育ってるからできる姿勢なんですよ」というように、ドキュメンテーションを見ながら話してもらいます。
いつもの保育塾では、「この子どもは、ダンゴムシを眺めてるけど、手を引っ込めたままだから、興味をもちつつ怖がっているのかもしれないね」と、写真1枚からでも分かることを話しています。今回は、いつもやっていることを、特に運動面に着目して語る回だと思ってください。
「今できることを大人も一緒にトコトン楽しむ」は、普段の保育だけではなく、運動遊びともつながっているんですよ。普段通りでできる運動遊びを知り、育ちをどのように保護者さんに伝えるか、考えてみましょう。
研修の概要
研修名:運動遊びの専門家が運動と発達の視点からドキュメンテーションを解説する研修
期日 :8月27日(日)
時間 :14:00~15:00
ZOOMにて、オンラインで行います。
この研修に参加すると、1時間でこんな良いことがあります。
- 「運動遊びってこれでいいんだ」「自分の保育でよかったんだ」が実感できる
- 子どもの普段の動きがどんな運動になっているのかを知ることができる
- 現役の保育士が「参考にしたい」と言う関わり方を知ることができる
- 運動遊びを適切に取り入れるカリキュラムの可能性も見える
参加の申し込みはnoteの記事から受け付けています。
運動遊びの専門家が運動と発達の視点からドキュメンテーションを解説する研修