さて、問題です。
次のA~Dのうち、小さな子どもにやらせてはいけないことはどれでしょうか?
A跳び箱の開脚跳び
B鉄棒の逆上がり
C縄跳びの前跳び
Dマット運動の後ろ回り
答えは後ほどお伝えしますね。
小さい子どもの生活には危険がいっぱい
1歳から9歳までの子どもの死亡原因は「不慮の事故」が最も多く、さらに、死亡にいたらない事故は日常生活の中で多発しています。家庭内の事故には、「誤飲・誤嚥」「転倒・転落・打撲」「やけど」「溺水」「窒息」などさまざまなものがありますが、いくら気をつけても、簡単に0になるものではありません。
幼い子どもは不注意なのが当然です(だから事故があっても仕方がないということではありませんが)。それだけでも防ぐのは難しいのなら、せめて、大人が原因のものは極力減らしていきましょう。今回は、子どもの成長を願ってやってしまうことに潜む危険の中から、跳び箱やマット運動についてお知らせします。
低学年は運動遊び
たとえば、跳び箱といえば開脚跳び、縄跳びといえば前跳びをイメージする方が多いのではと思いますが、実は、「跳び箱」とか「縄跳び」「鉄棒」と聞いてイメージされることの多くは小学校の段階でする運動です。しかも、低学年ではやらないことが多いんですよ。小学校の低学年では、跳び箱やマット、鉄棒を使った「器械運動」はやりません。「器械・器具を使った運動遊び」とか「マットを使った運動遊び」なんです。
どの運動をいつするのか
さて、冒頭の問題に戻りましょう。
次のA~Dのうち、小さな子どもにやらせてはいけないことはどれでしょうか?
A跳び箱の開脚跳び
B鉄棒の逆上がり
C縄跳びの前跳び
Dマット運動の後ろ回り
小学校の学習指導要領には、それぞれ何年生で扱うものなのかが書かれています。
- 開脚跳びは3~4年生
- 逆上がりは5~6年生(補助ありは3~4年)
- 前跳びは1~2年生
- 後ろ回りは3~4年生
縄跳びは、器械運動ではないので、低学年から取り扱っています。逆上がりは補助が無い場合5~6年生なんですね。ですので、小さいうちにする必要はありません。「小学校で苦労しないように」という気持ちは分かりますが、3~4年生や5~6年生になってから扱う理由には安全面もあるんです。
やらせてはいけないものはどれ?
「小学校の中学年や高学年ですることだから、無理にする必要はない」とか「やらない方がよい」どころではなく、小さい子どもにやらせてはいけないことがあります。
問題の答えはD
マット運動の後ろ回りは、子どもが小さいうちはやらせてはいけません。
鉄棒や跳び箱から落ちると危ないのは当然ですが、マット運動の後ろ回りは危なくなさそうに思えても、実は危険です。
脊椎を傷める恐れがあるのに子どもができてしまう
これが、やらせてはいけない理由です。身体が十分に育ってないので、小学校になってからするよりも危険がずっと大きいんですよ。また、安全に行うための指示が理解できず、安全ではない方法、姿勢でやってしまう、さらに、できたら嬉しくなって、安全ではないやり方のまま繰り返してしまうという点でもリスクは高くなります。
関連記事
【事故数ケタ違い】跳び箱の指導で気をつけるべき10のこと
もしあなたが保育関係者なら、「保育塾ベーシック」についての詳しい内容を読んでみてください。3日に1度、10分ほどでできる無料のプチ研修がメ-ルで届きます。
さらに、指導案や要録を実際に書き進めていく様子を見たり他の人の考えを聞いたりしたい方のために、オンラインの研修も用意しています。実際にしている保育と指導案がつながると、本当に楽しいですよ。どんな研修があるかチェックしてみてくださいね。
サブスクリプション方式で、研修その他の催しが受け放題のオンラインサークルはこちら
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「もっといろいろと知りたい」という方は、
ホームページや、このサイトの記事が一覧になったサイトマップをご覧ください。
管理人うち(@uchi70794834|Twitter)
Follow @uchi70794834
保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。