先生達こそ「アクティブラーニング」が必要なワケ

「アクティブラーニングって言われてるけど、何のことか分からない」って思っている、保育関係者の人はいませんか?

悩む必要はありませんよ。
教育要領や保育指針で言われているように保育すればいいんです。

ただし、先生達には、アクティブラーニングが必要です。

どういうことか、詳しく説明しますね。

保育現場で「アクティブラーニング」という言葉が出てこないワケ

「幼稚園教育要領解説」「保育所保育指針解説」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説」
この3つには、アクティブラーニングという言葉は出てきません。

保育では、ずっと昔から、すでにアクティブラーニングをしているんです。
というより、保育の世界は、多くのことがアクティブラーニングそのものです。

ずっと昔から、すでにアクティブラーニングをしているから、今さら言う必要はないんです。

でも、どこかで「アクティブラーニング」って、聞いたことありますよね。

アクティブラーニングとは

アクティブラーニングとは、学生参加型・学生主体型の学習方法です。

  1. 主体的な学び
  2. 対話的な学び
  3. 深い学び

この3つが、アクティブラーニングのポイントです。

保育でのアクティブラーニング

アクティブラーニングとは、

保育で言うと、遊びそのものです。

「年長さんが作ってるみたいなピカピカの泥団子を作りたい」など、自ら「やりたい」と思って遊ぶことが「主体的な学び」です。

「どうやって作るんだろう?」「こうすればいいんじゃない?」「築山の下に、サラサラの砂があったよ。」って言いながら遊ぶことが、「対話的な学び」です。

「水を混ぜすぎるとベチャベチャになることを体験する」「キレイに丸くするための力加減を見付ける」「割れないように乾燥を調節する」と追求するのが「深い学び」です。

似たような場面が、どの遊びでもありますよね。

基となるのは、主体的であることです。
「はい、みんなで泥団子を作りますよ。」だと、興味をもたせることはできても、主体的ではないですよね。

学校でのアクティブラーニング

実は、学校からも「アクティブラーニング」という言葉はなくなっています。

代わりに「主体的・対話的で深い学び」という表現になっています。
【総則編】小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説

「いや、日本語にしただけでしょ。」と、ツッコミを入れたくなるのは置いといて、もうちょっと、アクティブラーニングについて考えてみましょう。

アクティブラーニングの根拠となるもの

この図は、「ラーニングピラミッド」と呼ばれています。アメリカ国立訓練研究所の研究による、学習方法と平均学習定着率の関係を表しています。「どんな方法で学習すると、どれくらい定着するか」ということです。

アクティブラーニングを語るときは、すぐに「ラーニングピラミッド」が登場します。図の下の方にある、「グループ討議」や「人に教える」辺りが「アクティブラーニング」です。

ただ、この「ラーニングピラミッド」は、「パーセンテージや項目に、根拠が無いのではないか」とも言われています。
参考記事:ラーニングピラミッドの誤謬

とはいえ、ある程度は当てはまる部分もあるでしょう。

ラーニングピラミッドから分かる先生達にアクティブラーニングが必要なワケ

ラーニングピラミッドの図から分かることは、
「先生達が研修等に参加しても、今のやり方ではあまり意味がない」
ということです。

講義を受けても、聞くだけではほとんど記憶に残りません。聞いてなかったら、限りなくゼロに近いでしょう。授業を聞いていないと勉強ができなくなるのと同じです。

「でも、研修では、グループ討議とかすることもあるでしょ?」と思いますよね。
「いや、私は司会とかできないから・・・。」と断るとか、「あんまり興味なかったから、適当に返事してた。」という状態では、全く意味がありません。
主体的な参加をしていないからです。

研修の主催者は、きちんと参加費を徴収するべきです。
自分でお金を払って参加するなら、一生懸命になりますよね。
主体的に参加していることを評価して、給料に反映させればいいんです。

まとめ

アクティブラーニングとは、学生参加型・学生主体型の学習方法で、

  1. 主体的な学び
  2. 対話的な学び
  3. 深い学び

がポイントです。

保育では、ずっと昔から、アクティブラーニングと同じようなことをしていたので、特別にやり方を変える必要はありません。

ただし、先生達にはアクティブラーニングが必要な人もいます。
主体的に学ばない人です。

平成が終わり、令和になる時代に、昭和の保育をし続けるのはやめましょう。
保育には、変えてはならない部分も当然あります。
反対に、変えなければならない部分もあるんです。

園長先生・所長先生方のご指導に期待します。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「もっといろいろと知りたい」という方は、
ホームページや、このサイトの記事が一覧になったサイトマップをご覧ください。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。