「朝の準備は思った以上に時間がかかる」「もう時間が無いのになんでボーッとしてるの?」と、子どもを見てイライラしていませんか?私は保育者としての視点で自分の子どもを見るようにしたらずいぶん楽になりました。子どもは気持ちの切り替えをしたら次の行動に移ることができる…ではなくて、今回は別の理由と声のかけ方をお伝えします。
朝の準備に時間がかかる理由とは
子どもが朝の準備をできない理由の1つは、気持ちの切り替えができないことです。寒くて布団から出ることができない、朝食のメニューが気に入らなくて不機嫌になる…などということは確かにあります。ありますが、今回は別の話をします。子どもは前向きに朝の準備をしようとしているのに、時間がかかることがあります。
仕事と同じことなんですけど、前向きに取り組もうとしているときに「さっさとやりなさい」とか「ボーッとしてるんじゃないよ」とか言われたら、あまり良い気持ちはしないですよね。さっきまでやる気があったのに、そのように言われたら不機嫌にもなります。
子どもの朝の準備も、仕事と同じようなものと考えてみましょう。前向きに取り組もうとしているのに、ボーッとしているように見えてしまうのはどんなときでしょうか。
考え事をしているときは、ボーッとしているように見えてしまうかもしれません。ちょっとした迷いがあるときも立ち止まりますよね。
朝の準備の最中に立ち止まるのはなぜか
朝の準備は仕事とは違います。毎朝のことなので、立ち止まって考え事をする必要はありません。ただし、これは「大人の場合は」です。子どもの場合はちょっと違います。なぜでしょうか。
身に付いていないから
子どもは朝の準備の一つ一つがまだ身に付いていません。曜日によって持っていく物が変わるなら、曜日を把握していない場合は適切に準備ができません。「今日は何曜日かな」ということを考えて止まっているかもしれないし、「月曜日は給食セットと上履きと…」ということを思い出している最中かもしれません。学年が上がって担任が替わると、準備するものが変わることもあるでしょうし、その日の天気によって着る服も変わります。これら一つ一つがまだ身に付いていないので迷います。考えているうちに、なぜか関係ないことを思い付いてしまうんです。
しょっちゅう順番が変わるから
「水筒とマスクとハンカチを一緒にカバンに持っていけば一回ですむでしょう」と指摘され、「ああそうか」と納得した次の日、水筒が準備してなくて、「できることからやりなさい!ハンカチは?」と言われることがあるんですよね。時間がギリギリで、歯磨きをやめて口をゆすぐだけになるかもしれないし、ご飯を食べる時間もなくて、車の中でパンをかじることになるかもしれません。準備をする順番が変わることが多いと、さらに、大人の機嫌により注意されるようなことがあると、どれからやれば正解か、迷って止まることになります。止まるとボーッとしてしまいます。
では大人はどうするか
では、朝の準備をするとき、どのようなことに気をつけて、子どもにどのような声をかけると、子どもはスムーズに準備ができるのでしょうか。まとめますね。
環境としてやっておきたいこと
- 準備する順番はなるべく決まった通りにする
- 順番を変えるのであれば子どもと一緒に確認する
- 何を準備するか分かりやすく掲示する
声のかけ方
- 時間が無く、早く準備することを優先するときは、「早くしないと間に合わないからこの服を着て」「まだエプロンにアイロンをかけてないから、先に歯を磨いてて」などと、理由もつけて明確に指示をする
- 子どもが自分でできるようになることを優先するときは、基本的に任せて見守りながら、気になるときは「次何するんだっけ?」「何しようとしてるところ?」「あとは何がいる?」などと、思考を促す声をかける
どうしても時間が無いときは仕方ないですよね。無理し過ぎないように、気長にいきましょう。
もしあなたが保育関係者なら、「保育塾ベーシック」についての詳しい内容を読んでみてください。3日に1度、10分ほどでできるメルマガが無料で届きます。子どもの見取り、記録、援助、保育指導案や要録の書き方が分かるようになってきます。
指導案や要録を実際に書き進めていく様子を見たり他の人の考えを聞いたりしたい方のために、
オンラインの研修も用意しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「もっといろいろと知りたい」という方は、
ホームページや、このサイトの記事が一覧になったサイトマップをご覧ください。
管理人うち(@uchi70794834|Twitter)
Follow @uchi70794834
保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。