♭や♯が苦手。
♭や♯がたくさんあると、いくらピアノを練習しても終わらない。
もっと簡単になったらいいのに。
ていう人いませんか?
ト音記号の横に、♭や♯が、ない楽譜は弾きやすいですよね。
でも、ト音記号の横に、♭や♯があると、弾くのが難しいです。
この♭や♯をなくしてしまいましょう。
ざっくり言うと、曲の音の高さを変えることを「移調」と言います。
うまく「移調」をすると、♭や♯の数が減らせるんです。
専門的な言葉を知らない、初心者の人でも分かるように、移調の方法を解説します。
でも、詳しすぎるので面倒に感じる人もいると思います。
「答えだけ知れば十分」という人は、とんでもなくシンプルで簡単!カタカナのドレミで移調をする方法の方を読んでください。
音を1つ高く移調して♭を2個減らす方法
音を1つ高く移調すると、ト音記号の横の♭を2個減らすことができます。
音を1つ高く移調するというのは、ドの音をレの音に、レの音をミの音にしていくということです。
といっても、いろんな場合がありますので、一番分かりやすい場合から見ていきましょう。
ト音記号やヘ音記号の横に♭が2つある楽譜から♭をなくす場合
ト音記号やヘ音記号の横に♭が2つあるときに、次の手順で♭がついていない楽譜にできます。
①ト音記号や、ヘ音記号の横の♭を2つとも消す
②すべての音を1つずつ高くする
楽譜で書きかえると楽です。
何も考えずに、音を1つあげれば良いです。
ドレミを文字で考えている人のために、注意をしておきます。
音を1つ高くするというのは、鍵盤でいうと、2つ右の鍵盤の音にするということです。
この場合、黒い鍵盤も数に含みます。
ド→レ、レ♭→ミ♭、レ→ミ、ミ♭→ファ、
ミ→ファ♯、ファ→ソ、ファ♯→ソ♯、ソ→ラ、
ラ♭→シ♭、ラ→シ、シ♭→ド、シ→ド♯
ミとファの間には、黒い鍵盤がありません。
ですから、ミ♭の2つ右の鍵盤はファ、ミの2つ右の鍵盤は、ファ♯です。
シとドの音も、同じような関係です。
③コードネームのアルファベットも音1つ分高いものにする
(コードネームを見ないなら変える必要なし)
ドレミファソラシドとCDEFGABCが対応しています。
C→D、D♭→E♭、D→E、E♭→F、
E→F♯、F→G、F♯→A♭、G→A、
A♭→B♭、A→B、B♭→C、B→D♭
E→F♯となるのは、ミ→ファ♯になるのと同じ理由です。
M、m、7、on、susなど、他の文字は変えません。
ト音記号やへ音記号の横の♭が3つある場合
音を1つ高くすると、ト音記号の横の♭が3つあったら、♭1つにすることができます。
手順は、さっきとほぼ一緒で、①だけちょっと違います。
①ト音記号や、ヘ音記号の横の♭を、シの♭だけ残して、ミとラの♭を取る
②すべての音を1つずつ高くする(鍵盤2つ分です。気を付けて)
③コードネームのアルファベットも1音分高いものにする
(コードネームを見ないなら変える必要なし)
ト音記号やヘ音記号の横の♭を3つともなくす方法
♭を2つじゃなくて、3つともなくしてしまいたい人もいるでしょう。
ト音記号やヘ音記号の横から♭3つをなくす手順は、次の通りです。
①ト音記号やヘ音記号の横の♭3つを消す
②すべての音を1音半(鍵盤3つ分)低くする
③コードネームのアルファベットも1音半低いものにする
(コードネームを見ないなら変える必要なし)
以上です。
もとの楽譜に、♮ミがあれば、1音半低くすると♯ドです。
もとの楽譜に、♮ラがあれば、1音半低くすると♯ファです。
もとの楽譜に、♮シがあれば、1音半低くすると♯ソです。
ドレミを文字で考える人は、気を付けましょう。
コードは次のように変わります。
A♭→F、A→F♯、B♭→G、B→A♭、
C→A、D♭→B♭、D→B、E♭→C、
E→D♭、F→D、F♯→E♭、G→E
mやM、7、on、susなど、他のアルファベットは変える必要はありません。
「音を1音半低くしながら楽譜なんて書けない」という人のために、裏技も紹介しておきます。
①ト音記号やヘ音記号の横の♭3つを消す
②ト音記号がついている楽譜の一番下の線を消して、一番上の線のさらに上に線を足す
こうすると一音半低くしたことになります。
先ほどと同じように、もとの楽譜に、♮ミや♮ラ、♮シがあるときは気を付けて。
それぞれ♯ド、♯ファ、♯ソになります。
③へ音記号をト音記号に変えて、2オクターブ下を弾く
この画像の場合だと、ラシドレミファソラと読む。
この音の2オクターブ下を弾きます。
こうすると、1音半低くしたことになります。
その他の場合
ト音記号やヘ音記号の横に♭が1つある場合は、できればそのまま弾きましょう。
♭をなくすこともできますが、音の高さを大きく変えないといけません。
歌の伴奏でピアノを弾いているなら、歌が歌えなくなる可能性もあります。
♭1つくらいなら、移調をするよりも、少し頑張って練習してみましょう。
ト音記号やヘ音記号の横に♭が4つある場合、基本的な手順は、これまでと一緒です。
音を1つ高くすれば、♭は2つ減ります。
そのときは、シとミの♭を残して、ラとレの♭を取りましょう。
音を2つ高くすれば、フラットはなくなります。
音を1つ半低くすれば、♭は3つ減ります。
そのときは、シの♭を残して、ミとラとレの♭を取りましょう。
音を1つ低く移調して♯を2個減らす方法
音を1つ低く移調すると、ト音記号の横の♯を2個減らすことができます。
音を1つ低く移調するというのは、レの音をドの音に、ミの音をレの音にしていくということです。
といっても、いろんな場合がありますので、一番分かりやすい場合から見ていきましょう。
ト音記号やヘ音記号の横に♯が2つある楽譜から♯をなくす場合
ト音記号やヘ音記号の横に♯が2つあるときに、次の手順で♯がついていない楽譜にできます。
①ト音記号や、ヘ音記号の横の♯を2つとも消す
②すべての音を1つずつ低くする
音を1つ低くするというのは、鍵盤でいうと2つ左の鍵盤の音にするということです。
ド←レ、レ♭←ミ♭、レ←ミ、ミ♭←ファ、
ミ←ファ♯、ファ←ソ、ファ♯←ソ♯、ソ←ラ、
ラ♭←シ♭、ラ←シ、シ♭←ド、シ←ド♯
ミとファの間には、黒い鍵盤がありません。
ですから、ファの2つ左の鍵盤はミ♭、ファ♯の2つ左の鍵盤は、ミです。
シとドの音も、同じような関係です。
③コードネームのアルファベットも音1つ分低いものにする
(コードネームを見ないなら変える必要なし)
ドレミファソラシドとCDEFGABCが対応しています。
C←D、D♭←E♭、D←E、E♭←F、
E←F♯、F←G、F♯←A♭、G←A、
A♭←B♭、A←B、B♭←C、B←D♭
E←F♯となるのは、ミ←ファ♯になるのと同じ理由です。
M、m、7、on、susなど、他の文字は変えません。
ト音記号やへ音記号の横の♯が3つある場合
音を1つ低くすると、ト音記号の横の♯が3つあったら、♯を1つにすることができます。
手順は、さっきとほぼ一緒で、①番目だけちょっと違います。
①ト音記号や、ヘ音記号の横の♯を、ファの♯だけ残して、ドとソの♯を取る
②すべての音を1つずつ低くする(鍵盤2つ分です。気を付けて)
③コードネームのアルファベットも1音分低いものにする
(コードネームを見ないなら変える必要なし)
ト音記号やヘ音記号の横の♯を3つともなくす方法
♯を2つじゃなくて、3つともなくしてしまいたい人もいるでしょう。
ト音記号やヘ音記号の横から♯3つをなくす手順は、次の通りです。
①ト音記号やヘ音記号の横の♯3つを消す
②すべての音を1音半(鍵盤3つ分)高くする
③コードネームのアルファベットも1音半高いものにする
(コードネームを見ないなら変える必要なし)
以上です。
もとの楽譜に、♮ファがあれば、1音半高くするとラ♭です。
もとの楽譜に、♮ドがあれば、1音半高くするとミ♭です。
もとの楽譜に、♮ソがあれば、1音半高くするとシ♭です。
ドレミを文字で考える人は、気を付けましょう。
コードは次のように変わります。
A♭←F、A←F♯、B♭←G、B←A♭、
C←A、D♭←B♭、D←B、E♭←C、
E←D♭、F←D、F♯←E♭、G←E
mやM、7、on、susなど、他のアルファベットは変える必要はありません。
その他の場合
ト音記号やヘ音記号の横に♯が1つある場合は、できればそのまま弾きましょう。
♯をなくすこともできますが、音の高さを大きく変えないといけません。
歌の伴奏でピアノを弾いているなら、歌が歌えなくなる可能性もあります。
♯1つくらいなら、移調をするよりも、少し頑張って練習してみましょう。
ト音記号やヘ音記号の横に♯が4つある場合、基本的な手順は、これまでと一緒です。
音を1つ低くすれば、♯は2つ減ります。
そのときは、ファとドの♯を残して、ソとレの♯を取りましょう。
音を2つ低くすれば、♯はなくなります。
音を1つ半高くすれば、♯は3つ減ります。
そのときは、ファの♯を残して、ドとソとレの♯を取りましょう。
もっと他の場合についても知りたい人、
「もう少し専門的な言葉があっても分かったのに」という人は、
【移調なのに調を考えなくてもできる】簡単に移調をする方法をご覧ください。
もっと基本から詳しく知りたい人は
「ハ長調とかイ短調って何?」という人にも分かる移調の方法
を読みましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「もっといろいろと知りたい」という方は、