【移調なのに調を考えなくてもできる】簡単に移調をする方法

みなさんが、移調をするときに、大変だと思っていることはなんですか?

「ハ長調とかト長調とか、調を考えるのがややこしい」

「ト音記号やヘ音記号の横についている、♯や♭の数を、何個つけたら良いか分からない」

などではありませんか?

実は、ハ長調とかト長調などと、全く考えなくても、簡単に移調ができます。

それぞれの調に、♯や♭を何個つけるか、覚える必要もありません。

専門的な言葉も、ほぼ使いません。

それなのに、全部の調に通用する方法があります。

ただ、専門的な言葉を全く使わないと、説明が長くなりすぎます。

そうなると、逆にややこしくなります。

「半音」「1音」が分からない人、

移調について、全く考えたことがない人には、

【ピアノ初心者にも分かる】移調して曲を簡単にする方法

「ハ長調とかイ短調って何?」という人にも分かる移調の方法

をオススメします。

この記事では、移調について、かなり詳しく説明しています。

そのため、単純な法則を紹介していますが、難しく思う人もいるはずです。

「半音」か「1音」の上げ下げくらいが分かれば十分という人には、

とんでもなくシンプルで簡単!カタカナのドレミで移調をする方法をオススメします。

さらに詳しく知りたくなったら、この記事に戻ってきてください。

それでは、簡単な法則で全部の調を好きなように移調できる方法をお伝えしますね。

♯と♭の法則を2つ覚えると簡単に移調できる

2つの法則の基になっているのは、「5度圏」と呼ばれるものです。

でも、これは難しいので、ここでは詳しい説明をしません。

「2つの法則に、理論的な裏付けがある」とだけ思っておいてください。

1つ目の法則は♯と♭の数の法則です。

ト音記号やヘ音記号の横の、♯や♭の数については、これだけ覚えれば、全ての調に対応できます。

  • 音を1音高く移調すると、♯が2つ増える。♭は2つ減る。
  • 音を1音低く移調すると、♭が2つ増える。♯は2つ減る。
  • 音を1音半高く移調すると、♭が3つ増える。♯は3つ減る。
  • 音を1音半低く移調すると、♯が3つ増える。♭は3つ減る。

2つ目の法則はシャープと♭の順番の法則です。

長調、短調のときは、ト音記号の横に♭が1つあるときはシの音が、♭が2つのときはシとミの音が♭になります。

シ、ミ、ラ、レ、ソ、ド、ファの順に♭がついていきます。

♯の場合はファ、ド、ソ、レ、ラ、ミ、シです。

覚えることは以上です。

ここまでで、すでに分からなくなった人は、

【ピアノ初心者にも分かる】移調して曲を簡単にする方法

「ハ長調とかイ短調って何?」という人にも分かる移調の方法

を読んでみてください。

すでに分かってしまった人は、ピアノが苦手なら弾けなくても良い!3つの理由と対処法を読んで、もっと効率的にピアノと向き合いましょう。

もう少し知りたい人は、続きを読んでくださいね。

では、詳しく説明していきます。

♯と♭の数の法則

1つ目の法則は、♯と♭の数の法則です。

・音を1音高く移調すると、♯が2つ増える。♭は2つ減る。

・音を1音低く移調すると、♭が2つ増える。♯は2つ減る。

・音を1音半高く移調すると、♭が3つ増える。♯は3つ減る。

・音を1音半低く移調すると、♯が3つ増える。♭は3つ減る。

♯や♭の、数の増減について、覚えるのはこれだけです。

もとの調と、移調する先の調が、どの調の場合でも、これで通用します。

じゃあ他の場合も、ちょっと計算してみましょう。

簡単な足し算、引き算です。

2音高く移調するときの計算

2音高く移調する場合は、「1音高く移調することを2回繰り返す」のと同じことです。

音を1音高く移調すると、♯が2つ増えます。

2音高く移調する場合は、1音高く移調することを2回分なので、♯が4つ増えます。

1音高く移調すると、♭の場合は2つ減るので、2音高くしたときは、♭は4つ減ります。

♭が3つのときに、♭を4つ減らすことはできませんね。

3つ減らした時点で♭はなくなります。

残りの1つ分は♯を増やします。

「♭を1つ減らす=♯を1つ増やす」です。

「♯を1つ減らす=♭を1つ増やす」でもあります。

ということは、

♭の数が1つのとき、1音上げると、♯が1つになります。

♭の数が1つのとき、2音上げると、♯が3つになります。

2音半高く移調するときの計算

2音半高く移調するきは、1音+1音半と考えます。

音を1音高く移調すると、♯が2つ増えます。

音を1音半高く移調すると、♯は3つ減ります。

♯を2つ増やして、3つ減らすということは、2音半高く移調するとき、♯は1つ減ります。

2音半高く移調すると、♭の場合は1つ増えます。

半音変えるときの計算

半音低く移調するときは、どうなるでしょう?

1音半低く移調して、それから1音高く移調すれば、半音低く移調したことになります。

1音半低く移調すると、♯は3つ増えます(♭だと3つ減ります)。

それから1音高く移調すれば、♯は2つ増えます(♭だと2つ減ります)。

ということは、

半音低く移調すると、3+2で、♯は5つ増えます(♭だと5つ減ります)。

反対に、半音高く移調すると、♯が5つ減ります(♭だと5つ増えます)。

ここで、困ったことが起きました。

元々の♯の数が少ないときは5個増やせます。

でも、最初に♯が5個あったら?

♯を5個増やしたら、♯が10個になってしまいます。

この場合は、♯を10個にするのではなく、♭2つにします。

実は、♯が10個の調と、♭が2個の調は、同じ音なんです。

他の場合も、全部書いておきます。

♭6つの調=♯6つの調
♯5つの調=♭7つの調
♭5つの調=♯7つの調
♯4つ=♭8つ
♭4つ=♯8つ
♯3つ=♭9つ
♭3つ=♯9つ
♯2つ=♭10個
♭2つ=♯10個
♯1つ=♭11個
♭1つ=♯11個

という風に、♯と♭の数を足すと、12になります。

一応、理屈を説明しますが、ややこしいので、嫌だったら読み飛ばしてください。

「異名同音調」の力を借りています。

「異名同音調」というのは、名前が違うけど、音が同じ調です。

この2つは、見た目は違うけど、ピアノの鍵盤で考えると同じ音です。

♯5つの調と、♭7つの調は、同じ音です。

♯が5つの調を、半音下げて移調する場合、「♯を5つ増やす」ではなく「♭を5つ減らす」と考えることができます。

♭が5つ減って、シとミだけに♭が残ります。

でも、こう考えると、ややこしいです。

先程の、「♯を♭の数を足すと12」のほうを覚えてしまえば、「異名同音調」などと考えずにすみます。

♯と♭の順番の法則

2つ目の法則は、どの音から順に♯や♭がつくかという法則です。

ト音記号の横に♯が1つあるときは、ファの音についているはずです。

2つのときは、ファとドの音についています。

スケールが長調や短調のときは、必ずこうなります。

ファ、ド、ソ、レ、ラ、ミ、シ

の順に、♯は増えていきます。

♯がつく1つ目の音が「ファ」ということだけ覚えたら、あとは音を5つ並べれば、次の音が見付かります。

「ファ」をスタートにして、音を5つ並べると「ファソラシ

ファの次は、ドに♯がつくのでしたね。

次は2番目に♯がつく「ド」をスタートにして音を5つ並べると「ドレミファ

3番目に♯がつくのは「ソ」ということです。

同じように、「ソ」をスタートにすると「ソラシド

残りも同じように
「レミファソ
「ラシドレ
「ミファソラ

となります。

♭の場合、最初につくのはシの音です。

シ、ミ、ラ、レ、ソ、ド、ファ

の順に♭がついていきます。

♯と順番が反対ですね。

これはスタートの「シ」の音から5つ下がっていけば、次の音が見付かります。

「シラソファ
「ミレドシ
「ラソファミ
「レドシラ
「ソファミレ
「ドシラソファ
こうすると、次に何の音に♭がつくかが分かります。

長くなったので、一旦まとめます。

2つの法則を覚えると、調を考えなくても移調ができる

1つは、数の法則

1音上げて移調すると♯が2つ増える(♭は2つ減る)

1音下げて移調すると♭が2つ増える(♯は2つ減る)

1音半上げて移調すると♭が3つ増える(♯は3つ減る)

1音半下げて移調すると♯が3つ増える(♭は3つ減る)

もう1つは順番の法則

♯は、ファ、ド、ソ、レ、ラ、ミ、シ、の順に増えていく。

♭は、シ、ミ、ラ、レ、ソ、ド、ファ、の順に増えていく。

この法則を分かった上でとんでもなくシンプルで簡単!カタカナのドレミで移調をする方法を読むと、本当にバカみたいに簡単です。

少し慣れると、移調なんてなんでもないことに思えてきます。

楽譜作成ソフトを使う方法

楽譜作成ソフトを使うと、音を上げ下げするときは何も考えずに移調できます。

ソフトによって操作方法が違うので、ある程度考えないといけないものもありますが。

私が主に使っているソフトは「MuseScore」です。

無料で手に入るソフトとしては、文句なしに一番のおすすめです。

無料なのに、できることがとても多いです。

移調をするときも、調と音程の好きな方で移調できます。

移調がどれだけ簡単か紹介すると、

①「音符」から「移調」をクリック

②1音分上げたいのなら

「音程で」にチェック

「上」を選択

「長2度」を選択

「調号も連動させる」にチェック

以上終わりです。

これだと、♯や♭が何個になるかを考えなくてすみます。

楽譜を入力する手間はありますが、移調の手間はほとんどありません。

♯や♭の数が何個になるか知りたいだけなら、1小節入力すれば十分です。

もう一つ別の方法は、

①「編集」から「すべて選択」をクリック

②変えたい音の高さ分だけ、キーボードの矢印ボタンを押す

例えば1音下げたいのであれば、下矢印を2回押すと、全体が1音下がります。

③調号を選ぶ

これは、調号を自分で考えないといけません。

試してみたくなった人はこちらから↓

【画像を見ながらボタンを押すだけ】無料の楽譜作成ソフト「MuseScore」をダウンロードする方法

もう一つ無料で、「Crescendo」というソフトがあります。

音符を入力していると、すぐ側にパレットのようなものがついてくるので、

カーソルを大きく動かす必要がありません。

キーボード入力をしない人にとって、これはすごく便利です。

ピアノ譜だけ作成するのであれば、このソフトで十分です。

移調の仕方は

①「楽譜」から「移調」をクリック

②画面に出てきたウィンドウの矢印を押して、好きな調にする

③調号を選ぶ

このやり方も、調号は自分で考えないといけません。

移調の手間はほとんどかかりません。

まとめ

2つの法則を覚えると、調を考えなくても移調ができます。

1つは、数の法則

1音上げて移調すると♯が2つ増える(♭は2つ減る)

1音下げて移調すると♭が2つ増える(♯は2つ減る)

1音半上げて移調すると♭が3つ増える(♯は3つ減る)

1音半下げて移調すると♯が3つ増える(♭は3つ減る)

もう1つは順番の法則

♯は、ファ、ド、ソ、レ、ラ、ミ、シ、の順に増えていく。

♭は、シ、ミ、ラ、レ、ソ、ド、ファ、の順に増えていく。

また、楽譜のソフトを使うなど、考えずに移調してしまう方法もあります。

この記事が難しかった人は、

【ピアノ初心者にも分かる】移調して曲を簡単にする方法

「ハ長調とかイ短調って何?」という人にも分かる移調の方法

を読んでみてください。

「半音」か「1音」の上げ下げくらいが分かれば十分という人は、

とんでもなくシンプルで簡単!カタカナのドレミで移調をする方法

をオススメします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

「もっといろいろと知りたい」という方は、

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管理人うち@uchi70794834|Twitter)

保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務経験あり。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。