肯定的な言葉を通して見ると子どもの行動はこう変わる




「肯定的な言葉を使うと気持ちが前向きになる」というのはよく聞く話です。

同じように、子どもへ声をかけるときも、肯定的な言葉がけをすることが非常に効果的です。

そのためには、まず、肯定的な言葉のフィルターを通して、子どもを見てみましょう。

肯定的な言葉をかけなくても、肯定的に見るだけで子どもの行動は変わっていきます。

なぜ肯定的な言葉を通して見ると子どもの行動が変わるのか

なぜ肯定的に見ると、子どもの行動が変わるのでしょうか。

まずは、肯定的な言葉を使うことについて考えてみましょう。

医学博士の佐藤富雄(さとう・とみお)さんは、次のように述べています。

「ありがとう」を意識的に言うことは大切です。心から感謝の気持ちを持っていなくてもいいのです。言いたくない相手にも言いましょう。心はあとからついてきます。それほど言葉の持つ力は強いものです。自律神経系は人称を解さないので、相手への感謝の言葉も、発生している自分への感謝の気持ちと解して自信がつきます。

脳には面白い特性があります。脳は騙されやすいのです。なぜなら、脳は現実と想像の区別がつかないからです。本当はそう思っていなくても「今日はとても楽しい」と口にすれば、脳はこの言葉の意味を読み取り、自律神経系がこれを現実化しようとします。想像上のことであっても、身体は現実のことと同じように反応します。こういった生理的な仕組みを理解して口ぐせを上手く利用することで、性格を変えることができるのです。

出典:リーダーたちの名言集 名言DB

このように、肯定的な言葉を使うことで、気持ちや性格まで変わっていきます。

自律神経や脳が関係して、医学的にも根拠があることだったんですね。

子どもを見るときに、肯定的な言葉のフィルターを通して見ると、自然に肯定的な言葉をかけることができるようになってきます。

前向きになるような言葉や褒め言葉が、自然に出てくるようになるということです。

その結果、子どもの行動も変わってきます。

肯定的な言葉を通して子どもを見ると、保育する側の言動が変わるので、子どもの姿も変わってくるのです。

このことは、文部科学省が出している「幼児理解と評価」にも書かれています。

その幼児の育ちつつある面やよさに目が向けられていると、自然にかかわり方が温かいものになり、その幼児の行動を信頼して見守ることができるようになります。幼児は自分に好意をもって温かい目で見守ってくれる教師との生活では安心して自分らしい動き方ができるし、様々な物事への興味や関心が広がり、自分から何かをやろうとする意欲や活力も高まってきます。

このようなことから、教師が一人一人の幼児を肯定的に見てそのよさや可能性をとらえようとすることが、幼児の望ましい発達を促す保育をつくり出すために必要となるのです。

出典:文部科学省(2010)幼稚園教育指導資料第3集 幼児理解と評価

「幼児理解と評価」の

「第1章 幼児理解と評価の基本」「第2節 よりよい保育をつくり出すために」の中で、

「基本的におさえておきたいことの中から5つを取り上げています。」として、一番最初に取り上げられているのが、

「(1)幼児を肯定的に見る」です。

「よりよい保育をつくり出すために」一番最初に考えないといけないことは、

「幼児を肯定的に見る」ということなんですね。

ただ、肯定的に見るといっても、注意が必要です。

肯定的に見るといっても特別な才能を見付けたり、他の幼児との比較で優劣を付けて、優れている面だけを拾いあげたりするということではありません。まして、幼児の行動の全てをそのままに容認したり、放任したりして良いということではないのです。それは、教師が幼児の行動を見るときに、否定的に見ないで、成長しつつある姿としてとらえることが重要なのです。

出典:文部科学省(2010)幼稚園教育指導資料第3集 幼児理解と評価

たとえば、

「あいさつをするときに、恥ずかしがってばかりいる」

という子どもがいるとします。

これは子どもの実態です。

この状態を、ただずっと見ているだけというわけにはいきませんよね。

「あいさつできない」と、とらえるのが否定的な見かたですね。

成長しつつある姿だとしてとらえると、

「あいさつしようとする気持ちがあるから恥ずかしくなる」

と、考えることができます。

手を振るだけ、タッチするだけ、首をかしげるだけでも、

「あいさつしたい気持ちが分かったよ」というように、言葉をかけましょう。

肯定的な言葉をかけているうちに、子どもは声を出してあいさつをするようになってきます。

また、友だちに対して、手を出してしまう子どもがいるとします。

「乱暴だ」と、否定的にとらえてしまうのは簡単です。

「活発で、友だちと積極的に関わろうとしている」

という成長の過程だととらえると、

「どんなふうに関わりたかったんだろう」

という視点で言葉をかけることができます。

使っている物を貸してほしかったのか、

他の遊びをしたかったのか、

好きだからもっと近くにいたかったのか・・・

他にもいろいろと、可能性はありますね。

自分の気持ちを分かってもらえたら、手を出す必要は無くなります。

否定的な言葉を肯定的な言葉に置き換える

否定的な言葉を、肯定的な言葉に置き換えると、

「成長しつつある姿」としてとらえやすくなります。

保育関係者は、日々の記録や保育指導案、指導要録など、

文字に表すときにも、肯定的な言葉を使って文章を書きましょう。

戦いごっこで、相手に手を挙げるような姿があったとしても、肯定的な面を見ることはできますよ。

戦いごっこの前を見ると分かる!戦いのタイプ別対応の仕方

具体的に、否定的な言葉を肯定的な言葉に置き換えてみたので、参考にしてみてください。

甘える→可愛がられる、好かれている

飽きっぽい→好奇心旺盛な、何にでも興味をもつ

あきらめが悪い→粘り強い

あわてんぼう→行動的な、行動が早い

いい加減な→おおらかな、こだわらない

意見が言えない→協調性がある

意志が弱い→柔軟性がある

意地悪い→他の人に対して興味がある、気にかけている

威張る→自信がある、自己主張できる

疑い深い→慎重な、よく考える

うるさい→元気が良い、明るい、活発な

遠慮がち→慎重な

遠慮が無い→積極的な

怒りっぽい→感受性豊かな、情熱的な

幼い→可愛い、純粋な

お喋りな→社交的な

遅い→マイペース、丁寧な

落ち着きが無い→いろいろなことに興味をもつ

おとなしい→穏やかな、人の話を良く聞く

面白くない→真面目な

カッとしやすい→情熱的な、気持ちを出せる

変わっている→自分らしい、味がある、個性的な

頑固→意志が強い、信念がある

気が強い→情熱的、はっきりものを言える

気が弱い→我慢強い、人を大事にする、優しい

気にしすぎる→思慮深い、丁寧な

厳しい→責任感がある

口が悪い→素直な、はっきりものを言える

口下手な→考えてものを言う、慎重な

暗い→落ち着いている、おしとやかな、自分の世界を大事にしている

経験がない→独特の発想ができる、可能性のある

欠点→持ち味、個性

ケチな→ものを大事にする、慎重な、よく考えて行動する

強引な→エネルギッシュな、行動力のある

興奮しやすい→情熱的な、気持ちをしっかり出せる

こだわりやすい→感受性の強い、大事にできる

細かい→よく気がつく

断れない→寛大な、相手を大事にする

騒がしい→明るい、活発な

時間がかかる→マイペース、丁寧な

しつこい→粘り強い、根気がある

自分がない→協調性豊かな、柔軟な

自分勝手→リーダーシップがある、やりたいことがはっきりしている

失敗→学び、経験

自慢する→自己主張できる、自己肯定感のある

地味な→素朴な

消極的な→控えめな、周りの人を大切にする、譲ることができる

図々しい→堂々とした、積極的な

せっかちな→行動的な、行動が早い、頭の回転が速い

責任感が無い→無邪気な、自由な、こだわらない

外面がいい→社交的な

退屈な→余裕がある

だまされやすい→素直な、純粋な

だらしない→おおらかな、こだわらない

短気な→感受性豊かな

調子に乗りやすい→雰囲気を感じられる、ノリがいい

調子の波がある→メリハリがある、表情豊かな

冷たい→冷静な、判断力がある

適当→おおらかな

でしゃばり→積極的な、世話好きな

泣きやすい→感受性豊か

生意気な→自己主張できる

ネガティブな→慎重な

八方美人→社交的、人付き合いが上手

反抗的な→考えがはっきりした、自分の意見が言える

人に合わせる→協調性豊かな、柔軟性のある

一人になりがちな→自分でできる、自立した

ふざける→陽気な、明るい

プライドが高い→自己肯定感のある、自信のある

ぼーっとしている→マイペース、こだわらない

周りを気にする→周りが見える、心配りができる

負けず嫌い→意思が強い、向上心がある

無口な→穏やかな、周りの話をよく聞く

無理をする→頑張る、期待に応えようとする

命令する→やる気のある、リーダーシップのある

目立たない→協調性がある、穏やか

目立ちたがる→自己主張できる、自己表現できる

面倒くさがる→慎重な、力を貯めている

やる気が無い→慎重な、力を貯めている

よく考えない→行動的な、こだわらない

乱暴な→元気が良い、たくましい、活発な

理屈っぽい→論理的な

ルーズな→こだわらない、おおらかな

わがままな→自分の意見をもっている、自己主張できる

「他にもこんな言い換え方があるよ」ということを思い付いた人は、コメント欄に書き込みお願いします。

みんなでリストを作っていきましょう。

幼稚園の指導要録、保育所の保育要録は、子どもの姿を肯定的に書く必要があります。

少しずつでも、肯定的な見方を身に付けておきましょう。

肯定的な言葉で「指導要録・保育要録」を書ける3つの法則

「保育指導案などの書き方をもっと詳しく教えてよ」という人は、「保育塾ベーシック」についての詳しい内容を読んでみてください。

保育塾ベーシックの紹介

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

「もっといろいろと知りたい」という方は、

ホームページや、このサイトの記事が一覧になったサイトマップをご覧ください。




ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。