保育士・保育者の専門性とは?




  • 保育士の専門性って何?
  • 専門性の向上ってどうすれば良いの?
  • 専門性を生かしてって言われても…

などと思っているあなた。

後輩に聞かれたとき、分かりやすく説明できなくて困ったあなた。

この記事では、保育士・保育者の専門性について説明しています。というよりも、「保育士・保育者の専門性について、書いてあるものが存在するので、それを見れば良いですよ」という話をしています。

保育士・保育者の専門性は何を見れば分かるのか

保育士・保育者の専門性について、いったい何を見れば分かるのでしょうか。実は、みなさんの手元にあるはずのものに書いてあります。幼稚園教育要領解説保育所保育指針解説です。「解説」の方です。

一見、短い言葉で分かりやすく表してあるのは、幼稚園教育要領解説です。が、重要な部分が無限ループに見えます。もちろん、幼稚園教育について書いてあるものですので、保育士にとっては足りない部分があります。

「保育士の専門性とはこのようなものである」と、はっきりと詳しく表してあるのが、保育所保育指針解説です。しかし、ここで気をつけてもらいたいことがあります。改訂前のものは、書いてあることが足りません。改訂後のものは、専門性についてどこに書いてあるのか、見つけづらいです。これについては後から詳しく書きます。

もちろん、「専門性」について書いてある論文もたくさんありますが、何百も存在するので、読む気になるどころか、探す気にもなれませんよね。

幼稚園教育要領解説に書いてあること

実は、幼稚園教育要領解説には、「専門性」という言葉が6回しか出てきません。「専門性」というよりも、「教師の役割」の方に重きを置いてあるようにも感じられます。

このような教師の役割を果たすために必要なことは,幼稚園教育の専門性を磨くことである。その専門性とは,幼稚園教育の内容を理解し,これらの役割を教師自らが責任をもって日々主体的に果たすことである。

引用:幼稚園教育要領解説

ここの部分(リンク先の41ページ目、PDFデータのページ数で言うと45ページ目)が、専門性について端的に表してある場所です。これだけだとちょっと分かりにくいですね。無限ループに見えます。続きを読むと

つまり,幼児一人一人の行動と内面を理解し,心の動きに沿って保育を展開することによって心身の発達を促すよう援助することにある。そのためには専門家としての自覚と資質の向上に教師が努めることが求められる。

引用:幼稚園教育要領解説

「つまり」と書いてあるので、先程の「専門性」についての文章を分かりやすく書いてあるということですよね。

もう1つ、「教師の役割」に書いてあることを見てみると

幼稚園教育においては,幼児の自発的な活動としての遊びを中心とした教育を実践することが何よりも大切である。

引用:幼稚園教育要領解説

教師が遊びにどう関わるのか,教師の役割の基本を理解することが必要であり,そのために教師には,幼児の自発的な活動としての遊びを生み出すために必要な教育環境を整えることが求められる。

引用:幼稚園教育要領解説

ここら辺が、幼稚園教育においての保育者の専門性になるのではと考えます。

幼稚園における保育者の専門性とは
一人一人の行動と内面を理解し、子どもの心の動きに沿って、自発的な活動としての遊びを中心とした保育を展開することにより、心身の発達を促すよう援助すること。そのために専門家としての自覚と資質の向上に努めること。

ちょっと硬いですね…。読みやすくします。

幼稚園における保育者の専門性とは
・一人一人に寄り添う保育
・自発的な活動としての遊びを中心とする保育
このような保育を展開し、心身の発達を促すよう援助すること
また、そのために向上し続けること

保育所保育指針解説に書いてあること

「これが保育士の専門性です」と、一目見て分かりやすく書いてあるのは改訂前の保育所保育指針解説です。リンク先の12ページ目(PDFデータのページ数で言うと18ページ目)の見出しに 「(4)保育士の専門性」と書いてあります。ただ、改訂前のものなので、足りない部分があります。

改訂後の保育所保育指針解説 には、大きくは「支援の質を高める」ということが追加されています。 文章全体としても変わっていますので、 改訂前の保育所保育指針解説しか読んだことがない人は、改訂後の保育所保育指針解説も読んでみてください。リンク先の17ページ目(PDFデータのページ数で言うと22ページ目)です。児童福祉法第18条の4の中身についても言及されています。

その続きに、保育士に求められる主要な知識及び技術が6つ書いてあります。普通に引用すると長すぎて嫌になるので、文はそのままで、分かりやすい表示方法にします。次の段落が、保育所保育指針解説からの引用です。

  1. これからの社会に求められる資質を踏まえながら、乳幼児期の子どもの発達に関する専門的知識を基に子どもの育ちを見通し、一人一人の子どもの発達を援助する知識及び技術
  2. 子どもの発達過程や意欲を踏まえ、子ども自らが生活していく力を細やかに助ける生活援助の知識及び技術
  3. 保育所内外の空間や様々な設備、遊具、素材等の物的環境、自然環境や人的環境を生かし、保育の環境を構成していく知識及び技術
  4. 子どもの経験や興味や関心に応じて、 様々な遊びを豊かに展開していくための知識及び技術
  5. 子ども同士の関わりや子どもと保護者の関わりなどを見守り、その気持ちに寄り添いながら適宜必要な援助をしていく関係構築の知識及び技術
  6. 保護者等への相談、助言に関する知識及び技術

さらに、次の文が続きます。

保育士には、こうした専門的な知識及び技術を、状況に応じた判断の下、適切かつ柔軟に用いながら、子どもの保育と保護者への支援を行うことが求められる。その際、これらの知識や技術及び判断は、子どもの最善の利益を尊重することをはじめとした児童福祉の理念に基づく倫理観に裏付けられたものでなくてはならない。

引用:保育所保育指針解説

さらに、「これらのことを踏まえ~」と続くのですが、「省察し、同僚と協同し、子ども理解に努め、子育て家庭の実態や社会の状況を捉えながら、質を高めましょう。」ということが、もっと長い文章で書いてあります。詳しくは、 保育所保育指針解説を読んでください。

元々、改訂前の保育所保育指針解説には「(4)保育士の専門性」と書いてあるので、この記事としては「専門性について詳しく書いてあるものを紹介したので以上で終わりです」でも良いんですけど、まとめます。

保育士の専門性とは
一人一人の行動と内面を理解し、子どもの心の動きに沿って、自発的な活動としての遊びを中心とした保育を展開することにより、心身の発達を促すよう援助すること。保護者についても必要な援助をしていくこと。そのために専門家としての自覚と資質の向上に努めること。

保護者等への相談、助言も「援助」なので、一言で「援助」としました。

記憶力が良い方は覚えていると思いますが、「幼稚園における保育者の専門性」として書いたことに、保護者のことをプラスしただけです。幼稚園教育要領解説も、保育所保育指針解説も、本質的には同じことが書いてあるからです。ですので区別する必要はありません。幼稚園でも保護者支援はしますので、改めて、この記事ではこれを「保育士・保育者の専門性」と結論づけます。

まとめ

本音を言うと「保育士・保育者の専門性」とは
「保育指針解説や教育要領解説に書いてありますよ」です。

保育塾としてまとめると

保育士・保育者の専門性とは
一人一人の行動と内面を理解し、子どもの心の動きに沿って、自発的な活動としての遊びを中心とした保育を展開することにより、心身の発達を促すよう援助すること。これらの専門的な知識に基づいて、保護者についても必要な援助をしていくこと。そのために専門家としての自覚と資質の向上に努めること。

読みやすくすると

保育士・保育者の専門性とは
・一人一人に寄り添う保育
・自発的な活動としての遊びを中心とする保育
このような保育を展開し、心身の発達を促すよう援助すること。
専門的な知識に基づいて、保護者についても必要な援助をしていくこと。
また、これらのために向上し続けること

もちろん、これは1例であって、正解ということではありませんので、まとめる必要があれば、各園で検討をしてください。

最後に、「こども園は?」と思った方のためにリンクを貼っておきます。
幼保連携型認定こども園 教育・保育要領解説
結論から言うと、「専門性」という言葉は何度も出てきますが、「これが専門性だよ」と、まとめて説明したページはありません(私が気付いていないだけならスミマセン。どのページに書いてあるか知っている方がいらっしゃいましたら、連絡をください)。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。「もっといろいろと知りたい」という方は、ホームページや、このサイトの記事が一覧になったサイトマップを、研修・ワークショップなどについて詳しくは「保育塾」の取り組みをご覧ください。

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。