保育の現場で子どもがハサミを安全に使うために考えておきたいこと

「子どもが初めてハサミを使う活動をするとき、あなたはどんな配慮をしますか?」「ちょっと危なそうで心配だな…という子どもが3人いて、補助の先生が1人だけだったとしたらどうしましょうか?」「ハサミを使う活動では、どんなねらいにしますか?」これらが思い付かない人は、是非続きを読んでみてください。

ハサミを安全に使うための基本的な考え方

冒頭から3つの質問をしましたが、とりあえず置いといて、さらに質問します。これは、私が研修でよくする質問です。

Q.「ハサミを安全に使う」という「ねらい」があったとします。
これは、何歳の何月頃のねらいだと思いますか?

A.「何歳の何月頃」と、ハッキリとは言えない

ハサミは何歳の何月頃だろうが、安全に使われないといけません。「ハサミを安全に使う」などという漠然としたねらいを、どこかの年齢の月のねらいにするなんてことはできないです。せめて、「安全な持ち方を知る」とか「気をつけて運ぶ」という表現なら、活動のねらいとして設定することはあるでしょう。

「安全に使えるように配慮する」という、大人が配慮するべきこととして考えておく必要があります。

ハサミを使うまでに考えておきたいこと

では、どんな配慮をするのか、「私が幼稚園の3歳児を担任するとして、初めて一斉にハサミを使う活動をする前にどうするか」ということを考えてみますね。

  • 一人一人がどんな子どもであるか分かってから活動を行う(年度の始めの頃はやらない)
  • 遊びの中で個別に関わり、一人一人がどれくらいハサミを使えるかを見てから活動を行う 
  • 「危なそうだな」が解消できないならやらない
  • 園長や主任などに声をかける
  • 必要な大人の人数が揃わないならやらない

他にも、ハサミ以外の活動と共通する配慮事項はありますよね。使う道具(ハサミ)をどのようなもにするか、座り方、落ち着いた時間帯にすること、個々の子どもへの事前の声かけ、説明は極力短く等々、キリがないのでここらへんはまとめて書きました。

ハサミを安全に使うための家庭との連携

安全に関してのことなので、家庭とも連携をとっていきます。事故やケガのほとんどは家庭でおきますし。これも、幼稚園の3歳児を担任するとしたら私がしておきたいことです。

  • 昨年度どのような状態だったかを聞く(家庭でも使ったことがあるかどうかを聞く)
  • 七夕飾りを家で作ってもらう
  • 保育参観の時に1対1でハサミを使ってもらう(このとき子どもの様子を見る)
  • クリスマス飾りを家で作ってもらう

あくまでも、「幼稚園の3歳児だとしたら」ですからね。園によってもできることは違いますし。1つの例として考えてください。

この記事で紹介したことは安全のためにやっておきたいことです。これらも踏まえた上で、次に、ハサミの例も使って、「何を見据えてねらいを立てるのか」ということを考えていく研修をしています。

研修概要

研修名:子どもの発達に合った指導案の書き方
日 時:9月10日(日)21:00~22:00

ZOOMにてオンラインで行います

・安全に活動を行うための配慮が分かる
・配慮が必要な子どもへの対応が分かる
・ハサミを使う活動の「ねらい」が分かる
・「ねらい」と「内容」の関係が分かる
・「ねらい」と「援助」の関係が分かる
・「週案や日案のねらい」と「行事や活動のねらい」をつなげるにはどうするかが分かる
・他園の週案がどのようなものかを見ることができる
・ねらいの書き方が分かる
・週案の書き方が分かる
・ねらいが自然に子どもの発達に合ったものになる

という盛りだくさんの内容です。
盛りだくさんの内容ですが、ハサミを使うときに配慮が必要な子どもへの対応や、ねらいと内容の関係などは、この記事と同じくらいシンプルにまとめてあります。

申し込みはnoteの記事で受け付けています。
子どもの発達に合った指導案の書き方

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。