沖縄県の保育園で、昨年12月、近隣施設の砂場に出かけて帰る際、2歳の男児1人が置き去りにされる事故が発生しました。男児にケガは無く、村民が男児を見つけ、園に送り届けたようです。このような事故が起きた際、事後の対応はもちろん大事なのですが、まずは起きないようにすることが第一です。どうすれば防げるかを考えてみましょう。
置き去りの事故についての報道
この置き去りの事故については、沖縄タイムスが「言葉見つからない」保育園長が謝罪 昨年12月の園児置き去りで 沖縄・今帰仁村 というタイトルで記事にしています。詳細までは出されていませんが、事故の情報について記事を引用しますね。
事故が発生したのは昨年12月7日午前10時半~11時ごろ。職員7人と0~2歳の園児24人が近隣施設の砂場に出かけた帰り道、男児が置き去りになった。村民が男児を見つけ、園に送り届けて発覚した。
引用:沖縄タイムス「言葉見つからない」保育園長が謝罪 昨年12月の園児置き去りで 沖縄・今帰仁村
園児の人数確認は約5回行ったが、砂場を離れる直前、2グループに分かれた際、確認を怠ったという。園は、同日中に男児の保護者に謝罪と状況の説明をし、村などにも報告。保護者会も2回開催し、現在は再発防止に向けマニュアルなどを改善している。
人数確認の際に気を付けたいこと
この事故が起きた際、具体的にどのようなことが起こっていたかは想像するしかありませんが、これだけの情報からでも、自園が園外に出かけ、人数確認をするときに気を付けたいことがいくつか思い浮かびます。
一つ目は、「人数確認をいつするか」ということです。
「2グループに分かれた際、確認を怠った」ということですが、2グループに分かれた際というよりは、出発時に人数確認をしたいところですね。列になって歩くでしょうから分かりやすいですし。
二つ目は、「人数を勘違いする原因を減らす」ということです。
24人の子どもが一度に行動するのは大変でしょうから、2グループに分かれたということは分かります。このとき、1歳の子どもと2歳の子どもが手をつなぎ、2歳児が年長者として歩く…という散歩をしている園があります。この歩き方だと、担任している子どもを数えようと思ったとしても、列が長くなる分、人数の把握はしづらいですね。
まずは、担当する子どもがいるかどうかを、それぞれが常に確認する。その上で、全体を見る人も決めておく。出かける際、誰がどの子どもを担当するか、園に報告して許可を得た上で出かける。園により、できることはいろいろとありますよね。
三つ目は、「そもそも子どもが離れる原因を減らす」ということです。
人数確認をして、人数が足りないことが分かっても、子どもはもういなくなった後です。まず、子どもがいなくならないようにしたいところですよね。砂場で遊んでから帰るとき、列に並ぶ隙を見て、砂場に引き返しているかもしれません。そもそも集合せずに、ずっと砂場にいたのかもしれません。他の園の子どもにまぎれたり大人の陰で見えなかったりした場合、声をかけられない可能性もあります。これらは、園外に出かけたときに限らず、普段の保育のときから「声が届いているか」を意識していれば減らせることです。
単にアナウンスすることと、言い聞かせることと、子どもに声が届くようにすることは違いますからね。
「安全計画」という視点から、この「置き去りの事故」を取り上げて、リンク先の研修でこの記事より詳しくお伝えします。それから、全体的な計画、教育課程とはなにか、見直すにはどうするかということを考えていきましょう。
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
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