「言葉がはっきりしない」
「なにを言っているのか、よく聞き取れない」
子どもが話す言葉がハッキリ聞こえずに、悩んでいる人はいませんか?
この記事に書いてあるのは、「専門家でなくてもできること」です。専門的なことは分からなくても、子どもに対してできることはあります。子どもの言葉がハッキリと聞こえないとき、できることの1つが、「何かを吹く遊び」です。
保育所や幼稚園だけではなく、家でも簡単にできることなので、この記事を読んで、試してみてくださいね。
なぜ「吹く遊び」が大事なのか
子どもの言葉がはっきりと聞こえないとき、何かを吹く遊びを、しっかりしてみましょう。
はっきりとした話し方にならないのは、口の周りの筋肉が十分に発達していない可能性があるからです。
Q
ことばがはっきりとしません。発音を良くするために家でできることはありますか?A
お子さんが自分の口や舌の動きに注目することはとても難しいことです。直接的に「こうやってやるんだよ」と教えることは、おすすめできません。間接的に、遊びながら口や舌の動かし方を意識できるような関わりが、正しい発音への近道になると思います。
直接的に教えるのは、オススメできないんですね。
「遊びながら口や舌の動かし方を意識できるような関わり」をしたほうがいいんです。
リンク先には、【まねっこ】【吹く】【食べる】の、3つのことが紹介してあります。
【まねっこ】については、割と詳しく書いてあります。
道具もいりません。
【食べる】についても、毎日のことなので、やりやすいのですが・・・
普段の生活で【吹く】という動きは、そんなにないですよね。
リンク先では
- シャボン玉や風車で優しく・長く息を吹く
- 蝋燭の火やラッパの玩具を強く・早い息で吹く
など、バリエーションをつけて経験できるとよいでしょう。
と紹介してあります。
シャボン玉は、何度も楽しめます。
でも、蝋燭やラッパを何度も吹く事って、ちょっと考えにくいですよね。
やろうと思えばできますが。
ということで、楽しい【吹く】遊びを紹介しますね。
いろいろな【吹く】遊び
植物を使った【吹く】遊び
植物を使った、昔からある遊びには、【吹く】がいろいろとあります。
- タンポポの風車
- 葉っぱの風車
- カラスノエンドウ(ピーピー豆)の笛
- 草笛
- どんぐり笛
どんぐり笛は、とにかく削ってひたすら中身を掘り出すと完成です。
ドングリの横から穴を開けてもできますよ。
全部をキレイに取り出さなくても、ある程度で音は出ます。
使うドングリの大きさによって、音の高さが変わります。
かなり息の勢いが必要です。
ストローを使った吹く遊び
- ストロー笛
一番簡単なストロー笛。
子どもでも簡単に吹くことができます。
動画では5センチと言っていますが、別に5センチにする必要はありません。
長いほど音が低くなります。
穴を開ければ音階も作れるし、つなげてトロンボーンのように動かしながら音を変えることもできます。
いろいろ工夫して作ってみましょう。
キッチリ潰せば、斜めに切らずに両端に縦に切れ目を入れても作ることができます。
これだと、子どもが作るのはちょっと難しいですね。
さらに音の出る仕組みが違うストロー笛。
子どもの頃、鉛筆のキャップやジュースのビンを吹いて音を出していた人はいませんか?
それと同じ理屈です。
その気になれば、同じような物を、竹や塩ビ管を使って作ることができます。
これは、ストロー笛というか水笛ですが。
ストロー笛の先を、水に入れるとできます。
息が入る角度が、ちょっと変わるだけです。
- ストローの風車
タンポポを使ってもできますが、ストローを使っても風車を作ることができます。
動画を探してもこの形↓の風車が見つからなかったので実物
1.太いストローと細いストローをくっつける
2.太いストローに、写真のように切り込みを入れて、細いストローに通す
3.細いストローの先に、太いストローで栓をする
4.太いストローを吹くと、切り込みを入れた太いストローが回ります
切り込みを入れる太いストローの、切らない部分をもう少し長くして、表裏に絵をつけると、回ったときに絵が変わって面白いです。「表が鳥で、裏が鳥かごの絵を回すと、鳥かごに鳥が入っているように見える」みたいな絵を描いて、貼ってみましょう。
- ストローの吹き矢
綿棒を使わなくても、細いストローの先を折って、太いストローをはめれば、同じ物ができます。
的に当てる、先端にカエルやアンパンマンなどの絵をつけて飛ばす、飛ばした距離を競うなど、いろいろな遊び方ができます。
その他の吹く遊び
- 口笛を吹く
あなたは口笛を吹けますか?
「家の中で吹いてはいけない」という言い伝えのようなものもあり、吹くのを禁止されていた人も多いでしょう。
でも、口笛って、口の形を適切に変える能力と、息のスピードが必要です。この記事の趣旨とは違いますが、音感もよくなります。
- ラップの芯や塩ビ管などを吹く
トランペットなどの金管楽器のように、筒状のものを吹いてみましょう。
ペットボトルやホースなどを使って、ラッパのような形を作ることもできますが、作らなくても音は出せます。
作る過程も楽しいですが、音を出すこと自体を楽しむ子どももいますよ。
- ティッシュを吹く
口の前のティッシュを吹いて浮かせる・・・という訓練的なものは面白くないので、ティッシュを上に向かって吹いてみましょう。
ティッシュを吹いて宙に浮かせ、落とすまでに何回吹くことができるかというゲームです。
- ピンポン球を吹いて転がす
ピンポン球を吹くと、いろんな遊びができます。
・ヨーイドンでピンポン球を吹き、ゴールまでどちらが速いか競争する。
・テーブルの上でピンポン球を吹き、エアホッケーと同じルールで遊ぶ。
・ピンポン球を吹いてボーリングをする。
他にも、ゴルフの代わりにするとか、迷路を吹いて進むとか、何かのかわりにすると、いくらでも遊び方はあります。
- オモチャの車や折り紙の動物を吹いて移動させる
これも、ピンポン球と同じく、いくらでも遊び方があります。
何かを動かして遊ぶときに、手で動かす代わりに息で動かすだけです。
いろんな遊びの途中に、「吹いて動かせないかな」などと試してみると、今までの遊び方とは違う楽しみ方が見つかるかもしれませんよ。
まとめ
はっきりした発音で話すためだとしても、
直接的に教えるのは、オススメできない
ということでしたよね。
「遊びながら口や舌の動かし方を意識できるような関わり」をしたほうがいいんです。
さらに言えば、遊びの中にはいろいろな要素があり、しっかり遊びこんでいれば、自然と口や舌の動かし方も分かるようになってきます。
「ハッキリした言葉のために、吹く遊びをたくさんしなくては」
ではなくて
「遊びの中に、ときには吹く遊びも取り入れる」
くらいに思って、楽しく遊んでくださいね。
最後に、
この記事は気楽に読めるように、動画等を交えながら、【吹く】に視点を当てて簡単に説明してあります。
しかし、言葉の発達が遅れているなどの場合には、様々な要因があり、吹く遊びをしたからといって、解決するとは限りません。
専門的なものにも目を通し、知見を広めてくださいね。
福祉と障害者理解のための情報紙 のびやか「ことばの発達とことばの遅れ」特集号
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