「今日もまたサービス残業・・・」
「持ち帰り仕事が多すぎる」
「忙しくて月案を書く時間が無い」
こんなこと思っている人、いませんか?
たくさんいるのではないでしょうか。
保育の現場では、サービス残業や持ち帰りが多いですよね。
キツいですよね。
これは、人員不足ばかりが原因ではありません。
「仕事」と「作業」の区別ができていないからです。
区別できている人も、もちろんいますが、周りの人たちが分かってないので、同じような働き方になってしまいます。
この記事では、「仕事」と「作業」の違いを分かりやすく説明しています。そして、保育では何を大事にし、どこを簡単にすませるべきかを提案しています。
自分のしていることの、何が「仕事」で、何が「作業」なのか、考えながら読んでみてください。できれば、同じ職場のみんなが共通の意識をもつと、働き方が大きく変わりますよ。
「仕事」と「作業」はどう違うのか
「仕事」と「作業」は、何がどう違うのでしょうか。
保育以外の世界、たとえば、ビジネスの世界では、「仕事と作業は違うもの」という話が、いくらでも出てきます。
たとえば、
「作業」とは、事前に定められている手続きとゴールに向けて行う活動のことです。
つまり、ルーチンワークを言われた通りにこなすことを指します。
どんなに真面目で丁寧に行っていても、上司に言われたことをそのまま形にしているだけでは、「仕事」ではなく「作業」に分類されてしまいます。一方で、「仕事」とは、その結果によって誰かに価値を届けるための活動です。
上から指示されたことを実行した上で、「これでいいのか」といったような疑問を持ち、自分なりの工夫を施していくことを指します。
このように、自分の意思を持って手を動かすことで不測の事態などにも対応できるようになり、その状態となって初めて「仕事をしている」と言えるのです。
こんな感じです。
上司に言われたことをこなすのは、作業なんです。
自分なりの工夫をプラスするのが、仕事なんです。
保育の現場での「仕事」と「作業」
たとえば、職員会議をするのは「仕事」で、畑を耕すのは「作業」で・・・というように、することによって「仕事」か「作業」かを分けられるものではありません。
会議の中にも「仕事」の部分と「作業」の部分があり、畑を耕すのも「仕事」のときもあれば「作業」のときもあります。
具体例を挙げますので、どんなことが「仕事」で、どんなことが「作業」なのかを、考えてみましょう。
お便りで考える「仕事」と「作業」
お便りを書くときにも、「仕事」と「作業」があります。
- 短時間で書くために、決められた様式で書く
- 冒頭のあいさつは、先輩が数年前に書いたものを写す
- 可愛いイラストを探し、なぞって手描き風にする
これらは、仕事だと思いますか?作業だと思いますか?
- 読みやすさを考えて、文章で書いてあった部分を箇条書きにする
- 印象に残るように、1番伝えたいことを冒頭のあいさつに入れる
- 文とイラスト、空白など、全体のバランスを考えて見やすくする
これらは、仕事だと思いますか?作業だと思いますか?
上司に言われたことをこなすのは作業。
自分なりの工夫をプラスするのが仕事。
ということを考えてみましょう。
「決められた様式で書く」「先輩が書いたものを写す」「イラストをなぞる」は、こなすだけなので作業です。
「読みやすくする」「印象に残るようにする」「見やすくする」は、工夫がプラスされているので仕事です。
あなたは、おたよりを書くときに、作業ばかりしていませんか?
事務的な手紙・おたよりは、「作業」の部分が多いです。極端な話、昨年と伝えることが変わらなければ、写してしまえばいいです。だから5分もあれば書くことができます。
関連記事はコチラ↓
保育の事務的な手紙・おたよりを5分で書く方法
クラス便りや園便りを書くときには、「仕事」をキッチリしたいところです。子どもの様子や、子どもが言った言葉、あなたが保護者に伝えたいことなどは、あなたにしか書けません。サッと書いて、保護者に誤解を与えてもいけませんよね。
ただ、お便り冒頭のあいさつは、一般的な手紙などと同じように、ある程度の型があります。ここは「作業」として、サッとすませてしまいましょう。
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【保護者の心をつかむ】保育所・幼稚園のおたより(7月)の文例50選
他の月も、記事内にリンクがあります。
運動会で考える「仕事」と「作業」
この記事の冒頭で、
「今日もまたサービス残業・・・」
「持ち帰り仕事が多すぎる」
「忙しくて保育指導案を書く時間が無い」
と思ってる人は・・・・
ということを書きました。
残業や持ち帰り仕事の具体的な例が思い浮かびますか?
たとえば、
「運動会で使う道具を、みんながいるうちに作ってしまおう」
↓
パートの先生はサービス残業
「みんなで作ったけど、間に合わない分は担任が責任もってする」
↓
持ち帰り(みんなが持ち帰る場合もありますが)
「もうこんな時間。あと、競技の進行表や放送原稿も書かないと!」
↓
保育指導案を書く時間が無い・・・
ということがありますよね。
気付いている人もいるかもしれませんが・・・
残業や持ち帰りの多くは「作業」なんです。
もしくは、
「作業」に時間をかけると、「仕事」を残業に回したり持ち帰ったりすることになるんです。
仕事をしましょう。
「どんな競技がいいかな~」と何かで調べた通りに必要な物を作ると(たとえば、「バイキンマンにボールを当ててやっつける」などの競技にすると)、たくさんの物を作る「作業」が必要です。
「この子ども達が経験するべきことはなんだろう」と考えると、状況は変わります。投げる経験が必要だと思っても、別にバイキンマンを登場させる必要はないですよね。「やっつける」のも、教育上どうかと思いますし。
「バイキンマンが登場したら楽しくできるでしょ」と思うなら、「残業が・・・」とか言わずに楽しく「作業」をしてください。
ボールを投げる経験をして、子ども達が楽しめて、バイキンマンを登場させなくていい競技を考えましょう。
それが「仕事」です。
- 子どもがボールを投げて、お家の人がキャッチできたら先に進む
- 同じく、的に当たったら先に進む
- 同じく、フラフープをくぐらせて、子どももフラフープをくぐる
- フラフープでしたことと同じことを、穴を開けた段ボールでする
- 玉入れのカゴの代わりに床に置いたバケツに向かって投げる
- 当たっても痛くないボールをたくさん用意し、相手コートに投げ合う
- ボールを投げて、転がった所まで走って、また投げてを繰り返し、ゴールに向かう
- それを紙飛行機でする
- 転がすのではなく、投げてボーリングのピンを倒す
- 「ボールを投げる」「紙飛行機を飛ばす」「輪投げをする」「手裏剣を投げる」など、いろんな投げ方をする
15分ほどで、10個を思い付きました。
これくらいなら、準備の時間はほとんどいりませんよね。
数人で考えたら、さらにいい考えが浮かぶはずです。
道具が少ないと・・・
- 残業が減る
- 保育指導案を書く余裕ができる
- 保育指導案を書いた分、しっかり保育ができるので、苦労することが減る
- 材料費も減る
- 競技の進行表に書くことも減る
- 係の先生がすることも減る
- 保護者のみなさんにボランティアを募る手間も減る
- ボランティアのみなさんに説明する必要もなくなる
- 運搬の手間も減る
- 置いておくスペースも必要なくなる
- 当日の準備に手間がかからない分、子どもの待ち時間が減る
- 待ち時間が減ると、待っている間にぐずらない分、競技中に泣く子どもが減る
- 片付けの手間が減る
- いつまで残しておくか悩む時間が減る
- 解体の手間が減る
「道具を作る」という「作業」を減らすだけで、労力を費やすことが、これだけ減るかもしれないんです。
まとめ
上司に言われたことをこなすのは作業。
自分なりの工夫をプラスするのが仕事。
残業や持ち帰りの多くは「作業」。
または、「作業」に時間をかけたために、できなかった「仕事」。
仕事をキッチリすると、するべき「仕事」と「作業」、減らしてもいい「作業」が分かるようになります。
「仕事」をし、「作業」を減らすことで、残業、持ち帰りを、極力少なくしていきましょう。
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