「入学前に座って話を聞けるようにしておいてください」
「入学までに、自分で自分のことはできるようにしておいてください」
などということを、小学校の先生から言われたことはありませんか?
小学校の先生の気持ちは分かります。幼稚園でも、「入園前に自分でお尻が拭けるようになると、困ることが減りますね。」などと保護者さんに言うことはありますから。でも、幼稚園や保育所に入園することと、小学校に入学することでは、決定的に違う点があるんですよ。
その「決定的に違う点」を知ることが、保幼少の接続や小1プロブレムを考える時の鍵となります。
保幼小の接続や小1プロブレムを考える時に知っておきたいこと
保幼少の接続や小1プロブレムを考える時に、知っておいてもらいたいことがあります。家庭にいた子どもが保育所・幼稚園に入園するときと、保育所・幼稚園から小学校に入学するときとでは、「決定的に違う点」があるということです。もちろん、いろいろな違いはありますが、1番知っておいてもらいたいのは、「できる」の捉え方についての違いです。
「できる」の捉え方の違いとは
赤ちゃんは泣きたいときに泣き、眠くなったら寝て、動かしたいように手足を動かします。安全のために行動範囲を制限されることはありますが、今いる空間においては基本的に自由であり、マイペースで生活できますよね。保育所や幼稚園もこれに近い状態です。家庭的な雰囲気の中で、子どものペース、思いは極力尊重されて保育がなされます。この点においては、保育所・幼稚園への入園時に生ずる段差は大きくありません。
ところが、小学校では「できる」の捉え方が一気に変わります。短い休憩時間に男女交替で着替えをし、トイレを済ませ、教室から離れた体育館まで行かなければなりません。服を畳む時間はありませんよね。脱いだ服を、体操服を入れる袋に大急ぎで突っ込んでも、はみ出ていたり袋を所定の場所にかけず机の上に置いておいたりしたら、「身の周りのものの始末がきちんとできない」と評価されることだってあります。
保幼少の接続や小1プロブレムを考える時、実態調査をして、「できること」「できないこと」の一覧を作っても、「自分のことは自分でできるようにしておいてください」と保育現場に要望が出されても、今のままではあまり意味がありません。同じ場面を見たときに、小学校現場では「できていない」と捉え、保育現場では「できている」と捉えていることが多々あるからです。保幼少の接続では、この捉え方の違いを知り、互いに歩み寄る姿勢をもって話を進めていくことが必要です。
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。