【集まりの場面編】「信じて見守る」と言いながら実際にベテランがしている「信じる」「見守る」以外の具体例

ベテランの先生が「信じて見守る」と言うのを聞いたことがあるあなた。

あれ嘘ですからね。

ただ、嘘をつこうと思っているのではなくて、ベテランの先生が言う「信じて見守る」は、スレンダーな体型をナチュラルに維持している人が言う「何もしていない」と同じようなものです。特別に意識をしていないだけで、実際には、かなり多くのことを自然にしています。

ベテランの先生が「信じて見守る」で実際にしていること

今回は、集まりの場面でベテランの先生が実際にしていることを考えてみましょう。「信じて見守る」と言いながら、「信じる」「見守る」以外にも、かなり多くのことをしています。

集まる場面
・集まるときは大事な話や面白いことがあるという日々の積み重ね
・集まりやすい場所の選択
・集まったときに落ち着きやすい並び方になるような位置取り
・どこにどう集まるか分かりやすい印や声かけ
・集まりたくなるような仕掛け
・静かになるような雰囲気作り
・集まった子どもへの声かけやスキンシップ
・集まらない子どもへの目配せや呼びかけ

集まるときは大事な話や面白いことがあるという日々の積み重ね

まずこれが1番大きいです。

自由遊びの時間に、ベテランの先生が中心となって鬼ごっこなどの呼びかけをしたとしましょう。集まるのは全員である必要はないです。参加した子どもは「集まって遊んだら楽しかった」という思いが残ります。また、折り紙をしているベテランの先生の周りに子どもが集まることもあります。折り紙をもらった子どもは、「来て良かった」と思いますよね。これらのような、「先生の近くに行くとお得」という経験を積み重ねると、呼びかけられたときに「集まろう」という気持ちも湧くことでしょう。

集まりやすい場所の選択

ベテランの先生は「どこに集まると集まりやすいか」ということを考えます。お祭りや発表会の前など、保育室に出してある物が多いときには、遊戯室など、他の空いている場所に集まることもあります。周りに物が多すぎると、子どもが落ち着かないことがあるんですよね。

集まったときに落ち着きやすい並び方になるような位置取り

集まったときに、目の前がゴチャゴチャしていたり触りたくなるような物が見えたりすると、子どもは落ち着きません。集まった後の子どもが落ち着きやすいように、ベテランの先生は、何も貼っていない壁などを背にして座ります。立ったまま待っていると、子どもも立ったまま集まるので、すぐにどこかに行きたくなります。

どこにどう集まるか分かりやすい印や声かけ

「集まるよ」とか「集まろう」と言われても、それだけだと、子どもは「どこにどのように集まるか」ということが分かりません。集まる場所に印をつけておいたり「絵本が見えるように先生の周りに座って」と、具体的な言葉を使って子どもに声をかけたりしましょう。

集まりたくなるような仕掛け

たとえばジャンケンゲームなら、これからゲームをするだろうということが分かるように小道具を作っておきます。「◯◯するから集まるよ」と伝えても、前半を聞いてない子どもや、聞いても忘れる子どもがいるんです。お楽しみにするなんてことは、もっと自然に集まることができるようになってからで十分。目で見て分かるように、見えやすい場所に小道具を出しておきましょう。

また、普段集まることができにくい子どもがいる場合、たとえばその子どもがバス好きならば、バスのマークをつけておいたりバスのゲームをしたりしてみましょう。「集まったら楽しいことがあった」という経験が必要です。とにかく、面白そうなものがあれば、子どもは集まります。

Lothar DieterichによるPixabayからの画像

静かになるような雰囲気作り

集まった子ども達には、あえて小声で話してみましょう。秘密の話をしているように見えると、まだ集まっていない子ども達も興味を示します。大きな声で「集まって!」などと言うのは逆効果です。さらに騒がしくなることでしょう。

集まった子どもへの声かけやスキンシップ

「よく集まってきてくれたね」「◯◯ちゃん、待ってたよ」などと、集まった子ども達へ声をかけましょう。集まらない子どもに注意をするのではなくて、集まった子どもに声をかけたりスキンシップを取ったりします。「集まってよかった」という思いが、次に集まるときの意欲へとなっていきます。

集まらない子どもへの目配せや呼びかけ

人は自分の名前を呼ばれると、とても大きな反応をするそうです。集まらない子どもの名前を呼んでみましょう。その子どもは、「集まる」ということが完全に頭から抜けているだけかもしれません。名前を呼んで子どもがこっちを向いたら、ニコッと笑うだけでいいんです。状況に気付いて、自分でやってくるかもしれません。

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。