幼稚園教育要領が改訂されて、新しい言葉も、やるべきことも、いろいろと増えましたよね。
教育課程を見直すときにも、考慮することがたくさんあります。
「教育課程で小学校との接続?」とか思っている人はいませんか?
教育課程を見直すときには、小学校との接続について考えないといけないんです。
幼稚園教育要領解説にも、「第1章 第3節 教育課程の役割と編成等」の中に「5 小学校教育との接続に当たっての留意事項」があります。
この記事は、小学校との接続を踏まえた、教育課程の見直し方を紹介しています。
たった3つのポイントを押さえるだけなので、ぜひ覚えておいてくださいね。
接続を踏まえて教育課程を見直すときの3つのポイントとは
小学校との接続を踏まえて教育課程を見直すときには、次の3つのポイントを押さえておきましょう。
- これまでの教育課程を大事にする
- 教育課程に書いてある姿と「10の姿」との関わりをはっきりさせる
- (もし以前に作っているなら)アプローチカリキュラムを参考にする
それでは、1つずつ説明しますね。
これまでの教育課程を大事にする
小学校との接続を踏まえるからといって、これまでの教育課程を大きく変える必要はありません。
これまでの教育課程を大事にしましょう。
このサイトでは、幼稚園と保育所のみなさん、両方に向けて記事を書いています。
でも、この記事は、ここまで「教育課程」のことだけで、保育所の「全体的な計画」については書いていません。
なぜかというと、保育所保育指針解説には、「全体的な計画の作成」の中に、小学校との接続のことは書いてないんです。
「全体的な計画の作成」は第1章に書いてあり、小学校との接続のことは、「小学校との連携」として第2章に書いてあります。
「小学校との連携」の内容は、幼稚園教育要領解説に書いてあることと同じです。
保育所は、全体的な計画を作成するときに、小学校との連携のことを考えなくて良いのでしょうか?
考えなくて良いということはないですが、もっと大事なことがあるんです。
保育指針解説の「小学校との連携」、教育要領解説の「小学校教育との接続」に書いてあることって、
基盤の育成なんです。
(接続の時期だけ見るんじゃなくて)幼児期にふさわしい生活を通して、基礎を培うようにしましょう。
って書いてあります。
というわけで、これまでの教育課程を大事にしてください。
接続のことだけ考えるのではなくて、幼児期にふさわしい生活ができるように考えて、教育課程を見直しましょう。
教育課程に書いてある姿と「10の姿」との関わりをはっきりさせる
小学校との接続について、教育要領解説には、次のように書いてあります。
(2) 小学校教育との接続
(2)幼稚園教育において育まれた資質・能力を踏まえ、小学校教育が円滑に行われるよう、小学校の教師との意見交換や合同の研究の機会などを設け、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を共有するなど連携を図り、幼稚園教育と小学校教育との円滑な接続を図るよう努めるものとする。
小学校との接続について、教育要領解説に書いてあることは、
1つ目は、先ほど取り上げた、基盤の育成について。
2つ目は、教員同士の連携についてです。
新しく出てきたことは、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」です。
「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を共有するなどの連携を図りたいところですが、具体的な姿が分かっていないと、話が通じません。
たとえば、「先を見通して行動できるようになりました。」とか言っても誤解されます。
このことについて詳しくは、「10の姿」で語っても小学校の教員に通じない3つの理由と対処法をご覧ください。
簡単に言うと、「ものすごく具体的に、簡単に説明できないと、分かってもらえない」ということです。
教育課程に書いてある姿と、「10の姿」の関わりをはっきり説明できるようにしましょう。
ただ、「10の姿」だからといって、10個の項目で教育課程を書き直す必要はありません。
教育課程に書いてある、この姿は、「10の姿」で言うと、このような姿とつながっています。
というように、今の教育課程に書いてある姿が、「10の姿」にどうつながっているかを説明できれば良いんです。
「3つの柱」「10の姿」を踏まえた教育課程・全体的な計画の見直し方
アプローチカリキュラムを参考にする
もし、以前にアプローチカリキュラムを作っているのなら、それを参考にしましょう。
小学校は、スタートカリキュラムと言います。
それに対して、小学校に向かって行くからアプローチカリキュラムです。
以前に作っていなかったとしても、特別なものを作る必要はありません。
すでにあるのであれば、利用してください。
これも、「10の姿」とどのような関係があるかを考えてみましょう。
まとめ
小学校との接続について、教育要領解説に書いてあることを簡単にまとめると、
- 基盤の育成
- 教員同士の連携
です。
基盤の育成のために、接続部分だけを見るのではなくて、
これまでの教育課程を大事にしましょう。
教員同士の連携をする際に、新しく出てきたことは「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」です。
具体的に語れるように、
教育課程に書いてある姿と「10の姿」との関わりをはっきりさせましょう。
そして、もしあれば
アプローチカリキュラムなど、以前に作ったものを参考にしましょう。
小学校との接続を踏まえて教育課程を見直すときのポイントはこの3つになります。
その中で、新しく考えることは、「10の姿」のことだけです。
小学校との接続に関わらず、「10の姿」のことは、すでに考えていますよね。
特別に新しいことをする必要はありません。
「10の姿」と、これまでの教育課程に書いてある姿について、どのようなつながりがあるかを、しっかり考えましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「もっといろいろと知りたい」という方は、