あなたは、「子どもが小学校に入るまでに、長い時間座っていることができるように」…と学校の先生や上司から言われたことはありますか?接続の研修の資料などで目にしたことは?「園では座れてる」「小学校のことは学校の先生の問題でしょう?」なんて言う人もいますが、それだけですむ問題でもありません。ちょっと具体的に考えてみますね。
入学までにできるようになってほしいこと
「小学校に入学するまでに、できるようになってほしいこと」の話が度々出てきます。保護者さんとの面談で質問されることもありますよね。挙げるとキリがないんですけど…
- トイレ(使い方、履き物、男の子の小便器など)
- 給食(時間、準備や片付け、当番、おかわりの方法、ハシの持ち方など)
- 着替え(更衣室、体育館への移動、たたみ方、男女別に着替えることなど)
- 持ち物の整理(ロッカー、引き出しの整理、絵の具道具や体操服の管理など)
- 休み時間の過ごし方(遊べる場所、時間、してよいこととダメなこと)
生活面だけでも、他に掃除や登下校など、まだまだ挙げるとキリがないです。学校によって、やり方が決まっているなんてことは無く、学年で違うどころか、求められることが隣のクラスと違うこともよくあります。宿題の音読を、学童でしてもOKのクラスと、音読は絶対に家の人に聞いてもらうというクラスに分かれているとかね。
このように、多くのことは学校の環境により、担任の先生のやり方により違うので、「入学までにできるようにしておく」というのはキリが無いんですけど、「授業中は座る」ということは、「共通している」と言えるのではないでしょうか。共通しているから、「座っていることができるように」「話を聞けるように」ということを求められる場合があるんですよね(「話を聞けるように」については、また別の機会にお伝えします)。
園では座ることができてます
小学校との接続について話をするときに、幼稚園、保育所の先生から「園ではできてます」という話が出ることがあります。「園でできているんだから、小学校に入ってからのことは小学校の問題でしょう?」という気持ちはよく分かります。実際、入学してからしばらくは、少なくとも入学式の日は、子ども達みんな座ってますし。入学式の日に、小学校の先生方の対応を見ると、いろいろと思うところはあるでしょうし。幼稚園や保育所に入園してくる子ども達と比べると、十分過ぎるほど育ってますし。
所によりですが、保育でしていることを取り入れようということをしている場合もあるんですよ。「園でしていた手遊びを教えてください」とかね。落ち着けるように、導入などで手遊びをしようということなんですけど、それをしてきてない子どももいる中、学校の先生が手遊びをしたらどうなるか、簡単に想像できますよね。
接続期に何をするか
「長い時間座っておけるよう、園でも座ってする活動を増やす」「学校の勉強に抵抗が少なくなるように、机とイスを使って学校ごっこをする」等については、ここでは触れません。保育で座学をすることについて話すと、これもキリがありませんし、ちょっと踏み込んだことを言うとすぐに怒られますので。これも別の機会に改めてまとめます。
さて、この記事で提案するのは、「座ることについて、幼児期に見られる成長と、園でしてきたことを学校の先生に伝える」ということです。年長の1年間だけでも、集まり方や並び方、話し方などを変えてますよね。子ども達の姿勢も変わってますし。「幼児期にも何年もかけてやってきたことなので、スタートカリキュラムの期間だけで終わる話ではない」ということを学校の先生も保育をしている側も理解して、そんなに簡単に終わることではないというところから目を背けずにやっていきましょう。
小学校でも、「体育の時に座って話を聞く場合は、並ばずに教師の周りに集まるだけ」ということをしている人もいます。上手くいっているようですよ。今はまだ、「スタートカリキュラムだけで終わらせず、子どもの実態に合わせて柔軟に対応する」は教師個人に委ねられている状態なんですよね。
子どもの姿をより詳しく見取って、どんな成長をしているかを理解し、学校の先生に伝えるためにも、「保育塾ベーシック」についての詳しい内容を読んでみてください。記録の仕方や子どもの見取りについて、どう考えていくかをお知らせしています。3日に1度、10分ほどでできる無料のプチ研修がメ-ルで届くメルマガです。
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。