【テーマパークにて】子どもよりもお父さんの方が注意されることが多いという状況から支援のあり方を考える

あるテーマパークにて。小さな子ども向けの乗り物で、スタッフさんが毎回のように注意をしてたんですよ。子どもよりも、お父さんの方が立っていて、注意をされて慌てて座るお父さんの姿が何度も見られました。この姿を非難するのは簡単なのですが、それよりも、最後まで待てるようになってもらった方が良いですよね。支援の方法を考えてみます。

なぜ支援が必要なのか

むしろ、子どもより先に立ってしまうお父さん達。それくらい自分でできるのが1番良いのは当然なのですが、子どもの前で注意をされるとあまり良い気持ちはしないのではと思います。注意をする方も、仕事とはいえ、「注意することで何か言われたら」と、不安に思われることもあるでしょう。それならば、注意をしなくてすむような支援をすることを考えてみましょう。部外者の私が言うのも余計なお世話なのですが、保育脳で勝手に考えてしまうので、こうしてブログの記事にしてみました。

支援が必要な状況を分析する

支援をするといっても、やみくもにするのではなく、適切な支援をしていきたいものです。そのため、支援が必要だと思った場面について、どうしてそのようなことが起こるのかを考えてみます。

この記事で取り上げているテーマパークの乗り物は2人乗りです。地上3mほどの高さをレールに沿って、歩く速さくらいで動きます。コースを1周して帰ってきたときに、「完全に止まるまでは立たないように」という主旨のアナウンスが流れます。乗り物は一旦止まった後、再び動いてスタート位置辺りまで動きます。乗っている人は、この時点で乗り物から降ります。

お父さん達が立ってしまうのは、乗り物が一旦止まった時です。スタッフの方は「まだ動くからねー。危ないからね。立たないでね。」と、子どもに向かって言葉をかけるような感じで注意を促していました。このような言い方だと、「お父さんだけに言っているのではないよ」と感じられ、単に注意をするよりもソフトな印象です。言われたお父さん達は、みんな同じように慌てて座っていました。一旦止まった時点で、「もう立っても大丈夫だ」と判断してしまったのだろうと推測できます。

状況を変えるためにできること

誤解を与えないように改めて言いますが、安全のために、何かあったら注意をするのは当然のことです。ただ、注意をされた方も、する方も、あまり良い気持ちはしないでしょう。安全を確保した上で、できることなら、より安全な状況になるようにして、注意をしなくてもすむようにしたいものです。そのために支援をします。

この乗り物で起きている、「完全に止まる前に立つ人が多い」という状況を変えるためにできることを考えてみますね。

まず、スタッフの手間を増やさずに状況が変わるであろう方法はコチラです。

  • 乗客が立ってから「まだ動きますので立たないで」と注意するのではなく、乗客が立つ前に「まだ動きますので、もうしばらくお待ちください」と声をかける

手間は少しかかるけど、より安全になる方法はコチラ

  • 「乗り物が帰ってきた際に、一旦止まった後、もう一度動きます。降りるときの様子を、並んでいる間にご確認ください」という表示やアナウンスをする
  • 乗り物が帰ってきたときに流すアナウンスを、「完全に止まるまで立たないでください」から「係員が案内してから立ってください」に変える
  • 乗り物が一旦止まる場所に、「まだ動きます」という表示をする
  • 降りる場所に印をつけて、「印の所で降りてください」と案内する

保育や育児に当てはめて考えてみると

これは憶測なのですが、「乗り物が一旦止まってからもう一度動く」というのは、おそらく、テーマパーク側の都合です。もっと利用者が多かったときは、一旦止まる場所が乗客が降りる場所で、スタッフが降りる案内をし、その後、空になった乗り物がスタート位置辺りまで動くというやり方だったと思われます。

スタッフを減らした都合で、乗るときの安全を確認する人と、降りるときの安全を確認する人を分けることができず、1人で運用するために、より近い場所で乗降できるようなやり方に変えたのではないでしょうか。あくまでも憶測ですが、このように想像すると、人手が足りない保育や育児で、どう子どもに接するかというところも見えてくるのではと思います。

具体的には、この記事で紹介したような支援を取り入れることはできますよね。安全のために、何か起きてから注意をするのも必要なことですが、何かが起きないよう、事前に注意を促す支援をしていきましょう。

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。