あなたは子どもを叱りますか?それとも叱りませんか?実は、「指導上、子どもを叱るのは必要」とする人も、「叱る必要は無い」とする人も、同じことをしている場合があるんですよね。それなのに対立するのはもったいないです。というわけで、今回は子どもへの具体的な対応を取り上げて、「叱るとはなんぞや」ということを改めて考えてみます。
辞書に載っている「叱る」
まずは辞書に載っている「叱る」の意味を確認してみます。
しか・る【叱る/呵る】の解説
[動ラ五(四)]目下の者の言動のよくない点などを指摘して、強くとがめる。「その本分を忘れた学生を―・る」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
子どもを「目下の者」と捉えたくない人は「叱る」をしたくありませんよね。「強くとがめるというのもちょっとね…」と思う人もいるでしょう。
実際の子どもへの対応
では、子どもを叱っている人は、具体的にどのような対応をしているのでしょうか。
分かりやすくまとめたものを見つけたので、引用させてもらいます。今回は「叱る」についてだけ考えるため、取り上げるのは一部分ですが、他の対応もいろいろと書いてあるのでぜひご覧ください。リンクを貼っておきます。
気になる子どもの対応ヒント
叱るときのポイント
まずは、いけないことの理解から始め、叱るのは、次の二つにしぼりましょう。
・他人や自分に危害が及ぶ可能性があるとき
(赤信号を渡ろうとした、他の子どもに暴力をふるったなど)
・反社会的なルール違反を犯したとき
(他人のものを取った、うそをついたなど)
何でものべつ怒らない・叱らないことは、この二つがどんなにいけない事かを、しっかり意識づけることにもなります。
ということですが、この二つの場合であれば、相手が子どもではなくて大人でも止めますよね。相手が大人の場合、「目下の者」に対して「強くとがめる」という「叱る」とはちょっと違う対応をしていると思います。とすると、子どもの好ましくない行いに対しても、「叱る」とは違う対応ができるのではないでしょうか。
叱り方ノウハウ
これは本当に素晴らしいと思いますので、そのまま引用させてもらいます。
叱り方ノウハウ・・・目標:繰り返さない 別の良い行動の習得
◯の対応
・「今、どんなことした?」と自分の行動を振り返らせる。
・「それは良いこと?いけないこと?」と聞いて、気づきを促す。
・「どうしたかったの?」と希望や気持ちを聞いてあげる。
・「そんならこうしようね。」と具体的な別の行動を教える。
・できたら「できるんだ!」とほめる。
・「今度からはそうしようね。」と心がけをインストール!
気になる子どもの対応ヒント
「叱り方ノウハウ」と書いてありますが、実際にやっていることは
- 言葉をかける
- 聞き出す
- 促す
- 教える
- 提案する
- 褒める
ということなんですよね。これらを総称して「叱る」と表現してあります。でも、子どもに対して「目下の者」と思って接している感じは特別にありませんし、「強くとがめる」でもありません。具体的な一つ一つの対応を見てみると、叱ってはいないんですよ。これらを「叱る」と言う人にとっては、「子どもを叱る必要は無いだなんて、何もしないつもりなの?」と感じられるかもしれませんね。
保育塾からの提案
適切な子どもへの対応に「叱る」「叱らない」という言葉を使うのを控えませんか?
子どもへの適切な対応を「叱る」と表現する人がいる一方で、大声で激しく怒鳴る「叱る」を行っている人もいます。子どもへの適切な対応を「叱らない」と表現する人がいる一方で、「叱らない=何もしない」の人もいます。
「叱る」「叱る必要は無い」よりも、具体的な子どもの姿とその時に行う具体的な対応で語りませんか?
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もしあなたが保育関係者なら、「保育塾ベーシック」についての詳しい内容を読んでみてください。「子どもを見取る」「記録する」「援助する」「指導案を書く」「要録を書く」ということについて、3日に1度、10分ほどのプチ研修がメールで届きます。
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。