【全体的な計画・教育課程にもつながる】「どのように位置づけるのか」で行事を見るといろいろと変わってくる話

先日、「ある3歳児クラスの1年間の話」という研修を行いました。1年をどう見通すか。夏祭り、運動会、発表会等の行事をどのように位置づけてどう向かうのか。…という研修です。研修後、「5歳児の場合は?」という質問を頂いたのでシェアしますね。「どのように位置づけるのか」という視点で行事を見ると、いろいろと変わってきますよ。

「ある3歳児クラスの1年間の話」で頂いた質問

「ある3歳児クラスの1年間の話」という研修を行いました…といっても、私が話をしたのではなく、他の方に話をしてもらっています。詳しい内容は、話をしてくれた人がブログの記事にしているので、こちらを読んでみてください。
https://nekozuki-no.com/2023_07_29/

この研修後、「毎日が1/365日、 また行事の日を特別な日にせず 日々の姿の延長という 意味がわかった気がしました」という感想と、「今回のお話のようなアプローチ、 前回あった導入のお話以外に 年長クラスだから気をつけると言いますか 工夫して良かったと言いますか 何かあれば教えていただきたい」という質問を頂きました。また、勤務している園は、特に年長クラスの行事が多く、先生方が苦戦しているそうです。そこら辺もなんとかなるよう、行事というものをどう捉えるか考えていきましょう。

それぞれの行事を「どう位置づけるか」を考える

今回考えたいのは、それぞれの行事をどう位置づけるかです。「運動会は10月にして、発表会は12月で…」ということともつながってきます。「行事にどのような性質をもたせるか」という表現の方が分かりやすいかもしれませんね。

その行事を何かのきっかけとするのか、途中経過としての行事か、なにかのゴール、集大成として行うのかを考えると、「行事に苦戦する」ということは減ってくるのではないでしょうか。苦戦している園は、おそらく、年間を通して「集大成を見せる」ということが多いのではと思います。何事もバランスが大事です。

きっかけとしての行事

きっかけとしての行事なら、「あ、こういうのもあるんだ。面白そう」と、子どもが何かを始めるきっかけ(すぐに始めなくても、いつかのための糧)になれば良いので、積極的に参加しなくても見て楽しむだけでもOKです。「人形劇や音楽を鑑賞する」みたいな行事ですね。他の行事も、これらの行事と同じような部分はあるはずです。

きっかけとしての行事で大事にしたいこと
見て楽しむ 雰囲気を感じる

途中経過としての行事

たとえば、運動会で育った姿を見てもらうことが集大成の行事だとすると、その過程で行うのが途中経過としての行事です。「今日は特別に、オリンピックに出たことがある人に教えてもらえることになりました!!」ということがあったらモチベーションアップしますよね。普段は参加を渋る子どもも、「そんなに特別なら、ちょっとやってみようかな」となります。

何か普段とはちょっと違う変化を与えることを目的とするならば、「行事の開始から全員が整列して…」なんてことは目指さなくても、途中から「あ、やっぱりやってみようかな」「もしかしたら、やってみると面白いかもしれない」で十分なんですよね。芋掘りの場合は、土を触るのは嫌かもしれないけど、実は興味をもっていて、出てきた芋を比べたり数えたりするかもしれません。

途中経過としての行事で大事にしたいこと
興味をもった部分に向かう やってみて楽しむ 

ゴールとしての行事

おそらく、どの園も「集大成を見せる」という性質をもった行事(運動会や発表会)に苦戦されることが多いと思いますが、その行事の中でも、全てのプログラムを「集大成を見せる」にすると辛いですね。

昔、地域の運動会で未就学児が参加する「おやつ取り」という種目がありました。おやつの詰め合わせが置いてあって、参加者は好きな袋を取るという競技です。ゴールが設けてなくて、おやつを取ったらそのまま応援席に帰るという、素晴らしい競技でした。学校で行う運動会も、プログラムの全てがガチガチの勝負や華やかなショーではなく、お楽しみの種目もありますよね。

「集大成を見せる」ということを考えても、それが「練習してきた成果を発揮する」ばかりにならないようにしたいところです。特に年長だと、頑張って練習することとか、やり抜くことなどに目が向けられがちですが、順番としては、普段の生活、遊びで得ていることがあり、やってみて面白いことがあり、それから見てもらいたくなるんですよ。

ゴールとしての行事で大事にしたいこと
「これ、面白いから見て」「楽しんでる私を見て」という見せたい気持ちを伴った姿

頑張ってやり抜くことは、もちろん大事です。大事ですが、「子どもがその段階にいるのか」「子どもが求めているのか」を分かった上で、「頑張ってやり抜く」を目指しましょう。

おまけ
以上を考えたとき、集大成としての運動会を、小学校の開催時期に合わせて1学期にすると辛くなるのは当然ですよね。開催時期を早くするのなら、行事の目的を変えましょう。

この記事で紹介している研修は、保育塾のオンラインサークルで行ったものです。実際にしている保育と指導案がつながると、保育が楽しくなりますよ。どんな研修があるかチェックしてみてくださいね。

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

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ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。