【簡単で効果抜群】みんなが楽しめる保育所・幼稚園の交流アイディア

あなたの園では、他園の子ども達と交流してますか?
「すごい人数になるから、する場所が無い」
「一緒に何をしていいか分からない」
「慣れたころには終わってしまう」
なんて思ったことありませんか?

この記事では、子どもの発達も考えながら、交流の仕方について、いくつものアイディアを紹介しています。互いが楽しめて、負担にならない交流となりますよ。

あなたの園に、どれを取り入れることができるのか、考えながら読んでくださいね。

保育所・幼稚園で互いに楽しめる交流アイディアとは

他の園と交流をするとき、互いに負担なく楽しめる交流の基本は

「『みんなで一緒にする』にこだわらない

ということです。

まず自己紹介して、それから触れ合えるゲームをして・・・と考えるから、することがなくなるんです。「みんなで一緒に」という発想を変えて、ちょっと違う活動を考えてみましょう(みんなで一緒にすることを全部やめるのではありません)。

自己紹介の仕方を見直す

自己紹介をやめてしまう

自己紹介をしなくても、子どもは一緒に遊びます。公園などで、知らない子どもと、いきなりごっこ遊びを始めることがありますよね。自己紹介どころか、「一緒に遊ぼう。」も言わず、何の話もせず、自然に遊びが始まります。

交流のときに子どもが思うように遊べないのであれば、何かやり方を変える必要があります。

思い切って、自己紹介をやめてしまうのも1つの方法です。

対等な自己紹介にする

普通に自己紹介をすると、互いの立場が対等ではなくなります。

お互いに、「初めて会う相手の前で話す」という条件は同じですよね。でも、どこかの園で交流をするとしたら、片方の園には「慣れない場所」という条件もついてきます。当然、緊張して思うように話せません。

ホスト側の子どもたちは、しっかり自己紹介ができ、ゲスト側の子ども達は、緊張の中、思うように自己紹介ができないんです。そもそも、「ホスト」「ゲスト」の形になっている時点で、対等ではありません。

  • 自己紹介をゲームの中でする
  • みんなの前ではなく、少人数のグループなどでする
  • 先に少しでも遊ぶなどして、緊張がほぐれてからする

これらの配慮をしたいところです。

たとえば、「フルーツバスケット」を使って、自己紹介のゲームができます。「名前に『か』がつく人。」などと先生が言って、イスを移動した子どもに名前をインタビューします。イスの数は、子どもの人数と一緒にしておきます。最後は「まだ名前を言ってない人。」と言えば、全員が自己紹介できます。
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人数が多いときは、全員自己紹介をしても、覚えることはできませんよね。時間もかかって飽きてしまいます。みんなで遊べるゲームをチーム対抗でするとか、ミニ運動会でチームをつくるのであれば、チームの中だけで自己紹介をしてみましょう。

親しみをもてる自己紹介にする

自己紹介って、何のためにするんでしょう?
相手に親しみをもつためですよね。

それなら、「仮面ライダー△△が好きなんだって。」「(相手の園の)○○ちゃんと、お家が近いみたいだよ。」などと、先生が付け加えましょう。
先生が全員に一言付け加えると、何も言えない子どもがいたとしても目立ちにくいです。

園の特色をいかす

「みんなでできるゲーム」や「触れ合う活動」をしようとすると、交流のネタが限られてしまいます。

園の特色をいかした活動をしてみましょう。
といっても、「マーチングの全国大会に出てます」みたいな特別なことである必要はありません。普段やっていることをすればいいんです。

園庭で遊ぶ

子どもにとって、他園の園庭で遊ぶことは、「今まで遊んだことのない公園で遊ぶ」というのと、同じくらい魅力的なことなんです。しかも、園庭には、総合遊具で鬼ごっこをする小学生もいません。好きなように遊ぶことができます。

それぞれの園によって、普段の遊び方が違います。
他園の子どもと一緒に園庭で遊ぶと、子ども達の遊びに、大きな刺激があります。自園に帰ってからの遊び方にも変化があると思いませんか?

たとえば・・・

  • 築山がすごく大きい
  • 築山に水を流したり川を作ったりしている
  • 子ども達がピカピカのマイ泥団子を持っている
  • 木登りしていい木がある
  • 登り棒や雲梯で遊ぶ子どもがたくさんいる
  • 実を食べることができる木がたくさんある
  • 今まで思い付かなかった砂場道具の使い方をしている
  • 砂場じゃないけど掘ってもいい場所がある
  • アスレチックなど、見たこともない遊具がある
  • 自由な遊びの中で、畑の作物を世話している
  • 園庭に雪がすごく積もっている

キリがないので、このくらいにしておきます。
もし、あなたが上の例を読んで、「こんなことしてるの?」と思ったとしたら、子ども達にとっても、かなりの刺激があるはずです。すぐ近くにある園が、理想の交流先かもしれませんよ。

特別な何かをしなくても、遊んでいるうちに、子ども達は一緒に遊ぶようになります。

園の近所で遊ぶ

交流先の園には、すぐ近くに魅力的な場所があるかもしれません。そこで一緒に遊ばせてもらう方法もあります。せっかくなので、普段は経験できないことをさせてもらいましょう。

たとえば・・・

  • たくさんの虫がいる広場がある
  • 入って遊べる川がある
  • 貝殻をたくさん拾える砂浜がある
  • ドングリが何種類も拾える山がある
  • ガケ登りをできる山がある
  • タケノコ掘りをできる山がある
  • 自生しているお茶の葉っぱを採ることができる山がある

これも、キリがないのでこのくらいにしておきます。普段も行ける距離なのに、気付いてなかった場所があるかもしれませんよ。

普段行く公園で交流する

普段行っている公園で出会う園がありますよね。その園の子ども達と交流をしてみましょう。

普段は、別々に行っているから関わりがあまりないんです。お互いに遠慮して、違う場所で遊んだり遊具を譲ったりしてしまうんです。小さい子ども達には、そんな意識は全然ありませんが、大人が遠慮してしまいますよね。

毎回一緒に遊んで、どんどん仲良くなってしまいましょう。

「一緒に遊ぶこと」以外に目を向けた「ねらい」にする

「一緒に遊ぶ」を「ねらい」にすると、「一緒に遊べるゲームをしないと」というようになります。「一緒に遊ぶこと」以外にも目を向けてみましょう。

交流って、一緒に遊ぶこと以外にも、目を向けるべきことがあります。

まずは「親しみをもつ」でいい

交流では、他の園の子ども達と関わりますよね。10の姿でいうと「社会生活との関わり」です。

他の場所に出かけた場合、「公共の場を大切に利用する」ということにつながる「ねらい」でもいいですが、まずは「親しみをもつ」でいいんです。
「社会生活との関わり」での「地域に親しみをもつ」って、どういうことだと思いますか?

「自分が通っている保育所の他にも、保育所ってあるんだ」などということを知るのが第一歩です。

  • 他の保育所にも、自分達と同じような子どもがいる
  • 歩いていると声をかけてくれる人がいる
  • 園からちょっと出かけたら、宝物がいっぱい見付かる山がある
  • 隣の園には面白い遊具がある
  • 思い切り走れる広い公園がある

これまでずっと、保育所での生活を共にしてきた仲間と、他園の子ども達は、違って当然です。他園の子ども達との関わりを、「社会生活との関わり」だと捉えると、「親しみをもつ」という「ねらい」で十分だと思いませんか?園庭など、同じ場で遊ぶだけでも、親しみを感じることができます。

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「10の姿」(社会生活との関わり)につながる具体的な姿を考えるヒント

まずは「思いを出す」でいい

交流では、初めて会う子ども達と一緒に遊びますよね。3~4回も回数を重ねたとしたら、「年間を通して繰り返し交流している」というように言えるでしょう。慣れてくると、仲良くなる子どもも出てきて、関わりが深くなっていきます。

これは、10の姿でいうと、「道徳性・規範意識の芽生え」と関係がありますよね。「道徳性・規範意識の芽生え」については、「他の幼児との関わりにおいて、感情や意思を表現しながら~(中略)~ 互いに理解し合う体験を重ねる中で育まれていく。 」という記述があります。
幼稚園教育要領解説
保育所保育指針解説、幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説

「感情や意思を表現しながら」が1番最初なんです。
「恥ずかしいから言えない」「何をしていいか分からないから一緒に遊ばない」も、「なんとか関わろう」と意識しているから出てくる姿です。

初めて会う子ども達に対しては、「思いを出す」という「ねらい」でも十分だと思いませんか?

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親しみをもてる仕掛けをする

遊びの内容はもちろんですが、遊び以外の部分にも、相手に親しみをもてる仕掛けを考えてみましょう。せっかくの交流です。「交流を通して親しみをもつ」でもいいですが、どうせなら「親しみをもって交流する」にしましょう。

同じ名前の組同士で交流する

同じ名字や同じマークだったり好きなものが同じだったりすると、親しみを感じますよね。だったら、A幼稚園の「ほし組」とB保育所の「ほし組」のように、同じ名前の組同士で交流してみましょう。

普段から、「ほし組の仲間」という言葉を使っているとしたら、他園の子どもだったとしても、出会ったばかりですでに仲間です。

仲の良い先生同士で交流する

「5歳児は毎年、隣の園の子ども達と交流しています」というような交流なら、やり方を変えても問題ないですよね。子どもは毎年変わってますから。昨年と同じことをしても、違うことをしても、子どもには関係ありません。隣の園との交流を続けると、先生の移動があったときに、「例年はこういう流れで交流をしていまして・・・」と1から説明をしないといけません。

それよりは、仲の良い先生同士の園で交流をしてみましょう。先生同士の仲が良いと、子ども同士は初めて会う交流でも、雰囲気が違います。良く知った仲だと、進行もスムーズです。遠慮せずに言い合えるので、次の年の改善もしやすいですよね。

自己紹介の段階で親しみをもてる仕掛けをする

「自己紹介は、相手に親しみをもつためにする」ということを考えてみましょう。これは、この記事の最初で触れました。「交流を通して親しみをもつ」よりも「親しみをもって交流する」にするために、自己紹介を工夫してみましょう。

まとめ

他園との交流をするとき、基本的には

「みんなで一緒にする」にこだわらないようにしましょう。

魅力のある遊びをしているうちに、一緒に遊ぶようになります。

そのために、次のことを紹介しました。

◯自己紹介の仕方を見直す

  • 自己紹介をやめてしまう
  • 対等な自己紹介にする
  • 親しみをもてる自己紹介にする

◯園の特色をいかす

  • 園庭で遊ぶ
  • 園の近所で遊ぶ

◯普段行く公園で交流する

◯「一緒に遊ぶこと」以外に目を向けた「ねらい」にする

  • まずは「親しみをもつ」でいい
  • まずは「思いを出す」でいい

◯親しみをもてる仕掛けをする

  • 同じ名前の組同士で交流する
  • 仲の良い先生同士で交流する
  • 自己紹介の段階で親しみをもてる仕掛けをする

いかがでしたか?
あなたの園に取り入れることができそうなものを試してみてくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。