あなたは、子どもの気持ちを受け止めることができていますか?
この時点で難しい人は、この記事を読まない方が無難です。
今回は、ちょっと難しいことをお伝えします。子どもの気持ちを受け止めることができたとしても、実はそこがスタートだという話です。子どもの気持ちを受け止めた後、どのようにしていくかを考えながら読んでみてくださいね。
子どもの気持ちを受け止めるとは
まずは、「子どもの気持ちを受け止める」とはどういうことか確認します。似たような言葉「受け入れる」と比べてみましょう。
「受け入れる」
保育塾サイトより:【辞書より詳しい】保育用語の意味・関係・違い・使い方を紹介します(その1)
相手に同意して、相手の期待通りのものを与えることです。
事例「A君は、どうしてもこの箱を使いたいんだね。分かったよ。じゃあ、この箱を使って。」
「受け止める」
相手の気持ちを理解すること。理解できなくても、理解しようとすることです。
事例「A君は、どうしてもこの箱を使いたいんだね。気持ちはよく分かったよ。でも、この箱を取ると、Bちゃんが作った車が倒れるよね。」
では、「受け止める」の次に考えることについて、さらに詳しく見ていきましょう。
子どもから何かを奪っていないか
先ほど、「気持ちを受け止める」とは、「相手の気持ちを理解すること。理解できなくても、理解しようとすること」だとお伝えしましたが、今回は、受け止めた続きも考えます。
たとえば、子どもに「プールで遊びたい!」という気持ちがあったとします。でも、今すぐに対応できない場合はいくらでもありますよね。「分かった。後でね。」とか「ちょっと考えさせて」と返事をしたとしましょう。これは、理解しようとしているので「気持ちを受け止める」なのですが、後回しや先送りにすると、うやむやになってしまうことがあります。そうなってしまうと、結果的に子どもの時間を奪い、気持ちをないがしろにしていることになるんですよね。
「後でね」「考えさせて」と返事をしたからには、「後で行う」ことや「考えた上で改めて返事をする」という責任が生じます。
大人の速さで返していないか
「子どもの気持ちを受け止める」ができたとして、その後、大人の速さで返してしまうことがあります。「あなたがやりたいって言ったから準備したのに」「やりたいんだったら早くして」だとしたら、子どもではなく、あなたのペースで物事を進めようとしています。「あなたの気持ちを子どもが受け入れる」という状況になっているのではないでしょうか。
違うものや似たようなものにすり替えていないか
「どうしても、ケイトスペードのトートバッグが欲しい!色はピンク!黒じゃダメなの」ということがありますよね。「ほら、こっちも可愛いよ」とか「これも似合うんじゃない?」と言われても納得いきません。「手に入らないのなら何もいらない」くらいに思い入れが強い場合もあるでしょう。子どもも同じことです。大人の都合良い方に誘導されても、納得いかないことがあります。
でも、毎回のように全てを受け入れてもらえるということはありませんよね。生きていく上では、相手との関係も考え、「仕方がない」とあきらめること、妥協すること、譲歩することも必要です。子どもの気持ちを受け止めてから、どの程度受け入れるか、子どもとやり取りをしながら、どのような形で願いを実現していくか。「受け入れる」の次をどのようにしていくかということは、子どもがどのように成長していくかに関わってきます。ぜひ、子どもと対話を繰り返し、丁寧に付き合ってみてください。
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。