あなたは保育指導案に「◯◯したくなるような雰囲気を作る」という言葉を書いたことがありますか?そして、「これは具体的に何をするの?」と突っ込まれたことは?突っ込まれたことは無いかもしれませんが、今突っ込みました。今回は「集まる」ということに視点を当てて、「雰囲気を作る」とは具体的に何をするのかを考えていきます。
「雰囲気を作る」とは
「雰囲気を作る」って、保育の現場ではなくても普通に言うことです。「雰囲気作りをする」とも言いますよね。具体的に何をするか、ヒントを求めて辞書を引いたことがある人もいるかもしれませんね。ということで、まず辞書に書いてあることを見てみます。
ふんい‐き〔フンヰ‐〕【雰囲気】 の解説
引用元:デジタル大辞泉(小学館)
1 天体、特に地球をとりまく空気。大気。
2 その場やそこにいる人たちが自然に作り出している気分。また、ある人が周囲に感じさせる特別な気分。ムード。「家庭的な―の店」「職場の―を壊す」「―のある俳優」
[補説]「ふいんき」と発音する人が増えているという調査結果がある。
言いたいのは、2番目の方の意味ですよね。
保育現場で考えるとどうなるか
辞書の意味としては、「その場やそこにいる人たちが自然に作り出している気分」ということなので、「集まる場所をどうするか」「保育者と子ども達の気分をどうするか」ですね。そして、「ある人が周囲に感じさせる特別な気分」ということなので、誰か影響力の大きい人の気分に左右されるということですね。
もう少しスッキリさせると、こんな感じでしょうか。
- 集まる場をどうにかする
- 保育者の気分をどうにかする
- 子ども達の気分をどうにかする
実は「集まりたくなるような雰囲気」って、けっこう大きなくくりなんですよね。「集まりたくなるような雰囲気を作る。そのために、➀集まる場所をキレイに片付けたり座る場所が分かるように印をつけたりする。②余裕をもって呼びかけ、穏やかな口調で声をかける。③気分が乗らない子どもが気に入っていることを最初に取り上げ、気持ちが向くようにする。」
こんな感じになるのではないでしょうか。もちろん、これはあくまでも1例ですからね。
保育指導案に書くときに気をつけたいこと
「雰囲気を作る」「雰囲気作りをする」というのは、けっこう大きなくくりです。たとえば、援助や環境の構成として
- 余裕をもって早めに声をかける
- 集まりたくなるような雰囲気を作る
- それぞれのマークを貼って、座る場所が分かりやすいようにする
という並べ方だと、ちょっとおかしいんですよ。「細かいこと言うなよ」と思いますよね。でもね、次のように並べて書いているのと同じことなんです。
- サッカー
- 球技
- バスケットボール
↑
こう並んでいたら、さすがにおかしいと思うでしょう?球技は大きなくくりで、球技の中にサッカーやバスケットボールは含まれるので、「サッカー」「球技」「バスケットボール」の3つを同じように並べると違和感が出てきます。並べるとしたらこんな感じですよね。
◯球技
・サッカー
・野球
・バスケットボール
実は、保育指導案に書かれていることって、サッカーと球技とバスケットボールを並べたのと同じような書き方をしてあることが多いです。それが保育を分かりにくくしている原因の1つでもあるんですよね。「細かい文の表現を直す」ということは、「上司が気に入っている表現に直す」の場合もあるでしょうが、「思考を整理するために直す」の場合もあります。それがどちらか分かるようになると、「上司と合わないだけ」と考えることができて、迷うことが少なくなっていきますよ。
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
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