保育ではコレ!「報連相」を3倍スムーズにする思考のツールと使い方

あなたは、

「こんな事態になる前に言ってもらわないと・・・」
と、ため息をついたことありませんか?

「相談しないと『勝手にやった』と言われるし、相談したら『それくらい自分で考えて』と言われる」
と、不満に思ったことありませんか?

ハッキリ言いますが、「報連相が大事だから」とか、「早め早めで言ってよ」とか、いくら言っても状況は変わりません。

実は近年、「報連相はもう古い」なんてことも言われているようです。しかし、報連相が大事であることは変わりません。「報連相」と言うだけにとどまっている現実を受け止め、「報連相」をどのように実行していくかを考えることが必要です。

この記事では、情報の伝達をスムーズに行い、上司・部下・先輩・後輩の垣根なく、仕事もスムーズに行うために、もう一度「報連相」の意味を考えています。そして、「報連相」をスムーズに行うための思考のツールを、具体例をあげて紹介しています。

「報連相」を3倍スムーズにするために必要なこととは

「報連相」を3倍スムーズにするために必要なことは、次の3つです。

  1. 「報連相」は互いにする
  2. 「報連相」をする側は「ソラ・アメ・カサ」を取り入れる
  3. 「報連相」をされる側は態度に気をつける

それでは、順番に説明しますね。

「報連相」は互いにする

この記事は、題名に「3倍スムーズにする」という言葉をつけています。正直な話、「報連相」を互いにできていない組織が、「報連相」を互いにできるようになると、3倍どころではなくスムーズにいくでしょう。

上司から部下への「報連相」を意識する

もし、上司が部下に対して「指示待ち人間が多い」「与えられた仕事しかしない」などと思っているのであれば、ぜひ、上司から部下への「報連相」を意識することをオススメします。

「先週の会議で保留にした案件は、先方の返事待ちだが納期は変わらない。」という一言があれば、Aチームは、返事が来たらすぐに動けるよう、ギリギリまで仕事を進めておくかもしれないし、Bチームは、先に他の仕事を済ませて、まとまった時間を確保しておくかもしれません。

「与えられた仕事しかしない」という集団なら、なおさら、上司が与える一言の影響力は大きいはずです。上司の方からも「報連相」を意識してみましょう。

「報連相」を確かに伝えるために

簡単な連絡は口頭で、緊急の連絡は電話で、大勢の人に伝えたいときは朝礼や会議、掲示板で伝えましょう。また、「言った」「言わない」になるため、大事なことを直接伝える場合には必ずメールや書面などで記録が残るようにします。

「報連相」をする側は「ソラ・アメ・カサ」を取り入れる

「ソラ・アメ・カサ」とは、マッキンゼーの日本支社が作り上げた問題解決フレームワークです。

  1. ソラ(空は曇っている)【事実】
  2. アメ(雨が降りそうだ)【解釈】
  3. カサ(傘を持っていこう)【判断】

というように考えていきます。

「ソラ・アメ・カサ」を取り入れて「報連相」しよう

「ソラ・アメ・カサ」を取り入れて話をすると伝わりやすいんです。

従来の「報連相」では、「傘を持って行きたいのですが・・・」「どうしたらいいでしょうか」の部分だけを伝えて相談し、「それくらい自分で考えたら?」という返事が返ってくるという状況があったのではないかと推察されます。

「曇り空で、今にも雨が降りそうです。ですので傘を持って行きます。」とか、「曇り空でも、おそらく雨は降らないでしょう。ですが、念のため傘を持って行こうと思います。許可を頂けますでしょうか。」という言い方をした場合、「自分で考えたら?」という返事は返ってこないのではないでしょうか。

「ソラ・アメ・カサ」を用いると、「事実はこうで、この先こうなりそうで、それに対してこうしよう」と考えることができます。ですので、上司からのアドバイスが望めそうにないときや、現場の意見を伝えるとき、会議などで意見が合わないときにも非常に有効です。
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「ソラ・アメ・カサ」の具体例

  1. ソラ(空は曇っている)【事実】
  2. アメ(雨が降りそうだ)【解釈】
  3. カサ(傘を持っていこう)【判断】

これを具体的に考えてみます。

当サイトは保育の専門サイトなので、ここからは保育現場を例に出します。

  1. 子どもが大きなケガをした。【事実】
  2. 他の子どもも同じようにケガをするかもしれない。【解釈】
  3. ケガをした子どもがしていた遊びを一旦やめる。屋内で保育をし、園長と主任が保育と同時進行で原因を検証する。【判断】

具体的にはこのように考えることができます。

「なぜケガをしたか」という原因を探ることも必要です。しかし、その場合、原因を特定するのに時間がかかるし、仮に同じ事故が起こった場合、原因としたことが間違っていたのか、原因への対処がまずかったのかが分かりません。

滑り台の側にある木の枝に引っかかったかもしれない【解釈】
滑り台のどこかに、突起物のようなものがあるかもしれない【解釈】
自転車で転んだときにどこかで切れたかもしれない【解釈】
自転車に乗っているときに、何かに引っかかったのかもしれない【解釈】

このように、解釈する時点で原因を探してしまうとキリがありません。原因がすぐに特定できるのであればいいのですが、少しでも時間がかかるようであれば、助けを呼びましょう。

現場での判断をたくさんしなければならない保育の現場では、なおさら「ソラ・アメ・カサ」の思考が必要だと思われます。

「報連相」をされる側は態度に気をつける

「報連相」の「おひたし」

「報連相」をされる側が気をつけたいことがあります。

「報連相」をされたときには

  • お・・・怒らない
  • ひ・・・否定しない
  • た・・・助ける
  • し・・・指示する

「報連相」したのに、怒られ、否定されたら、困っているのにスルーされたら、次からはしたいと思えなくなります。

「報連相」をしたいと思われるような人になりましょう。

「報連相」に「レタス」

「報連相」をされる側の人は、できれば「レタス」も実践してみましょう。

「言いにくいことを、よく報告してくれた。」
「わざわざありがとうございます。」

という「レタス(礼を足す)」です。

「報連相」に関係ない「こまつな」「きくな」「ちんげんさい」

「こまつな」・・・困ったら、使える人に、投げる
「きくな」・・・気にせず休む、苦しいときは言う、なるべく無理しない

してはいけないこととして、
「ちんげんさい」・・・沈黙する、限界まで言わない、最後まで我慢 

という言葉を最近見かけます。

 

葉物野菜で揃えて上手く言ってあるようですが、これらは仕事への向かい方であって、「報連相」とセットで考える意味はありません。むしろ誤解を与えます。

まとめ

「かくれんぼう(確認・連絡・報告)」という言葉が出てきたときにも、「報連相」はもう古いという言葉を見かけました。

古いなんてことはありません。

やり方を少し変えて、新しい言葉を出されても、ややこしくなるばかりです。目新しい物を取り入れると気分は変わりますが、やっていることが同じなら、ややこしくないほうがありがたいです。

  1. 「報連相」は互いにする
  2. 「報連相」をする側は「ソラ【事実】・アメ【解釈】・カサ【判断】」を取り入れる
  3. 「報連相」をされる側は態度に気をつける(おひたし、レタス)

これらを意識して、改めて「報連相」をしてみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。「もっといろいろと知りたい」という方は、ホームページや、このサイトの記事が一覧になったサイトマップをご覧ください。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。