【増やす→変える】これだけで保育と指導案を書くことがずいぶんシンプルになるのではないかなという話

あなたは保育中にしないといけないことが多すぎて疲弊していませんか?子どもの人数が多くてどこを見ればいいか分からないし、というより、噛み付きや引っ掻きを止めるだけで精一杯だし、その上、書類を書く時間も限られているし(そんな時間は無い園も多いですが)、休憩時間は無いし…ならばできることを少しでもシンプルにという記事です。

食事の準備をするときの考え方を保育にも取り入れる

たとえば、子どもが野菜嫌いで、でもカレーは好きだったとしましょう。このとき、「カレーに入っているものなら食べることができるから」といって、いろんな野菜をカレーに入れますよね。普段は絶対に食べないような食材も、むしろ好んで食べたりします。食感が嫌いなら紛らわすことはできませんが、香りや味が苦手なら、カレーの味に混ざって多少は分かりづらくなりますよね。

たとえば、肉じゃがを作った次の日、同じ材料をカレーにして、カレーはさらにカレーうどんにして…と、前に作ったものを利用して次のものを作ることがありますよね。他にも、おでんを作った後の出汁で炊き込みご飯を作るとか、鶏のゆで汁でスープにするとか。1から作ろうとすると大変だけど、すでにあるものを利用して作ると楽に作ることができます。

これらは、単に作る側が楽なだけではなくて、作られる側にとってもありがたいんですよね。美味しかったものの味を続けて楽しめますし、食わず嫌いが多い人も「昨日と同じ」と聞けば抵抗は少なくなるでしょう。これと同じことを保育にも取り入れてみましょう。

保育指導案を流用する

「保育指導案を流用する」と表現すると、ものすごい誤解を生みそうですね。決して、どこかに載っていたものをそのまま写したり毎回同じ文をコピペしたりするということではありませんので、最初にハッキリお伝えしておきます。流用するのは自分が先週書いた週案です。例を出して説明しますね。

たとえば、ある年齢で、ある週に、次のようなねらいがあったとします。

  • 体調や生活リズムに配慮される中で過ごす
  • 身近な自然や生き物に興味を持ち関わる
  • 簡単な身の回りの事を自分でしようとする
  • 気の許せる人と関わる中で、自分なりの言葉や身振り手振りで表現を試みる

あえて年齢や時期は書きません。あくまでも1例で、これが正解とかではありませんので。それよりも、「このねらいで保育してみてどうだったか、次にどうするか」が大事なんですよ。「思い付かないから写すしかない」という状態の人は、考えても出てこないものは出てこないので、最初は写すしかないんでしょうけど、その次にどうするかが大事です。ここにあげたねらいを、1つずつ詳しく考えていきますね。

「体調や生活リズムに配慮される中で過ごす」という1週間を過ごして、結果どうだったか…ということを、次の週の週案に「子どもの姿」として書きます。ここをなんとなく書いているから、週案を書くのが大変なんですよ。次の週に流用しましょう。

今週は、若干緊張してたな。なんでだろうな。と思ったのなら、子どもの姿に「若干の緊張が見られた」と書けばいいんですよ。それで、じゃあどうするかを考えたときに、「次に何をするか分かりにくかったのかな」と思えば、それを書き加えればいいんです。「配慮される中で」を「配慮される中、特に、次に何をするかを分かりやすく示されている中で」に変えるだけです。保育者の援助のところには、「次に何をするかを分かりやすく示されている」の中身を具体的に書きます。

ここでしたことは、「1週間を過ごしてみて、ちょっと予想と違ったかなという場合は配慮を変える」ということです。「甘口のルーにしてみたけどちょっと早かったようなので、子ども向けのルーをブレンドする」とか、「魚を食べなかったら骨を取っておく」くらいのことですね。新しいレシピを1から考えなくてもOKです。

次に、「身近な自然や生き物に興味を持ち関わる」というねらいについて考えてみましょう。これが何歳の何月頃にふさわしいか…ということではないですよ。実際に保育してみてどうだったかを考えます。ここで挙げていることは、あくまでも1例で、これも正解ということではないですけどね。

「身近な自然や生き物に興味を持ち関わる」…というねらいで1週間過ごしてみたけど、どうだったかな。だいたいみんな、そんな感じだったな。ということであれば、次週の週案には、「子どもの姿」のところに「多くの子どもは身近な自然や生き物に興味を持って関わっている」というように書けばいいんですよ(念のため、「前週の姿」として書くのであれば、文末は「関わっていた」ですからね)。

では、次の週のねらいはどうするかというと、「じゃあ次は子どもにどうなってほしいかな。そういえば、こっちから見せたら興味を示したけど、自分から行く感じではなかったな」ということであれば、「身近な自然や生き物に興味を持ち自分から関わろうとする」と、「自分から」という一言を付け加えればいいんです。これを、前週とは全く違う「自然物を使って製作することを楽しむ」とかにすると、子どもの興味も生活の流れも別物になるんですよ。

ここでしたことは、「1週間を過ごしてみて大体OKだったことの半歩先を見る」ということです。「美味しくパンバーグを食べているので、新たにナツメグを一振りだけ入れてみる」とか、「揚げた魚なら食べるから、次はちょっと衣を薄くしてみる」くらいのことですね。新しいレシピを1から考えなくてもOKです。

この記事の冒頭で、「時間が無いのならできることはできるだけシンプルに」とお伝えしましたが、シンプルにすることが子どもの実態に寄り添うことにもなるんですよ。地道に1つずつ見直していくのが、結果的に1番早いです。できる分だけ取り入れてみてください。

この記事でお伝えしていることは、先日行った「ねらいにまつわる疑問を全て解決する」の1部です。ブログの記事にするとスライド3枚分で1記事できてしまうのですが、オンラインの研修だとスライド60枚分ほどが1時間で終わります。次のリンクから、どんな研修があるかチェックしてみてくださいね。サブスクリプション方式で、研修その他の催しが受け放題のオンラインサークルはこちら

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。