【プロ直伝!】子どもがやる気になって片付ける魔法の言葉4タイプを徹底解説

子どもが遊んだ後、自分からやる気を出して片付ける、魔法の言葉があったら・・・と思っているみなさん。保育所や幼稚園の先生は、どんな言葉をかけているか、知りたいと思いませんか?

実は、魔法の言葉って、たくさんあるんです。

この記事では、保育所や幼稚園の先生が、片付けの時に、子ども達にどのような言葉をかけているかを、4つのタイプに分けて紹介してあります。

どんな声のかけ方ができそうか、考えながら読んでみてください。

子どもがやる気を出して片付ける魔法の言葉は万能ではない

子どもがやる気を出して片付ける「魔法の言葉」は、万能ではありません。

薬のようなものだと思えば、分かりやすいです。

たくさんの病気に効く薬はあります。

でも、どんなによく効く薬でも、全ての病気が治るわけはないですよね。

「魔法の言葉」も同じです。

この言葉を言えば、どんなときにも大丈夫。

ということにはなりませんよね。

なんにでも効く魔法が手に入るのは、悪魔と契約したときくらいでしょう。

魔法の言葉を使う人のレベルがすごく高い場合は特別です。

カリスマ先生のような人であれば、ちょっとした一言で子どもは言うことを聞きます。

でも、ほとんどの人には、当てはまりませんよね。

それでも、大体の基本的な法則はあります。

片付けのときに声をかける基本は、

・「片付けは楽しい」「片付けは必要」と思えるようにすること

・命令ではなく、依頼にすること

・その子に合った言葉を見つけること

ただし、ぴったりの言葉を見つけても、通用しなくなるときは、やってきます。

それでは、具体的に、見ていきましょう。

やる気をアップさせる言葉

ゲームの要素を取り入れる

・「写真と同じように並べられるかな?」

片付いた状態を写真に撮って、棚に貼っておく方法です。

片付いた状態を見てイメージできるので片付けやすくなります。

・「誰が先に片付けられるかな?よーいどん!」

子どもが数人いるときに、よく言う言葉です。

使い過ぎると、競争心を満たすための片付けになります。

・「3分でできるかな?」

ちょっとだけ頑張ればできそうな時間を言いましょう。

時間が分からないうちは、3分過ぎても、頑張って間に合ったことにしましょう。

これも、使い過ぎると、競争ばかりに目が向くことになります。

持ち上げてその気にする

・「これくらいだったら、楽勝だよね。」

片付ける量が多いときにも、くじけずに、前向きになる言葉です。

明らかに量が多過ぎるときには通用しません。

普段、どれくらい片付けられるかを知った上で使いましょう。

・「さすが、片付け名人だね。」

片付けの最中に使う言葉です。

実際には、あまり片付けてなかったとしても、この言葉で、やる気がアップします。

この言葉も、あまりにも嘘っぽいと見抜かれます。

本気で言いましょう。

同じ効果を持つ言葉として、

「やっぱり年中さんは、片付け上手だよね。」

「頼りになるね。」

「ここは任せたよ。」

などがあります。

ただし、明らかに大変なとき、片付ける場所が分かっていないときは、できません。

実況する

・「おっと、すごいスピードで片付けています。」

この言葉も、実際には、たいしたスピードでなくても使える言葉です。

でも、嘘っぽいと見抜かれます。

片付けのスピードがゆっくりなときは、

「とっても丁寧に並べてます。」

と言いましょう。

傾向として、

男の子は「早い」「たくさん」

女の子は「きれい」「丁寧」

と言われると、やる気がアップします。

あくまでも、傾向ですけど。

1人1人に合った言葉があるはずです。

しかし、実況するとき、褒めるときの注意点があります。

それは、子どもの比較をしないこと。

比較をしないコツは、子どもの名前を言わないことです。

片付けるメリットを明確にする

・「さっと片付けたら、DVD見る時間があるんだけどな。」

片付けたらどのような良いことがあるかを伝えると、子どもは動きます。

ただし、この言葉は、使うときに非常に注意が必要です。

ご褒美をもらわないと、動けなくなる可能性があります。

さらに、この言葉は、裏を返せば、片付けないデメリットを伝えているということです。

「さっと片付けないと、DVDを見ることができない」

ということですよね。

「罰を与えられたくなかったら片付けなさい。」

と言っているようなものです。

他にも、

「年長さんになれないよ。」

「片付けないと捨てちゃうよ。」

「お母さんがもらうよ。」

などの言葉でも、よく片付けますが、

罰を与えられるのを避けるために片付けていることになります。

片付けたらきちんと褒める

・「絵本を丁寧に並べたね。」

全部をきれいに片付ける必要はありません。

大人の「きれい」と子どもの「きれい」は違うからです。

大人同士でも「きれい」の基準は違いますよね。

一部分でも良いので、頑張ったところを見つけて褒めましょう。

自然に「片付けよう」と思える言葉

片付けの約束を決める

・「あ、片付けの時間になったよ。」

前もって、片付けの時間を約束しているときに使える言葉です。

約束がきちんとしてあれば、この言葉だけで子どもは片付けをします。

ただし、約束を守るために片付けている状態です。

時間を約束して片付けると、子どもが片付けの時間に気付くことがあります。

「○○ちゃん、時間になったの気付いたね。」

というように褒めますが、

これも、片付けについてではなく、時間が分かることについて褒めています。

片付けができるようになることとは別問題です。

片付けの時間を約束する他にも、

・片付けの音楽をかける

・片付けの時間がきたことを知らせる旗などの目印を出す

という方法があります。

これらも、片付けの習慣をつけるのには、非常に有効な方法です。

ただし、これらも、反射的に片付けているだけです。

環境が変わると片付けの状況も変わります。

大人の方は「片付けて当然」と思うのはやめて、しっかり褒めましょう。

選択肢の両方を片付けにする

・「本とおもちゃのどっちを片付ける?」

「遊ぶか片付けるか」ではなくて、

「Aを片付けるかBを片付けるか」という選択肢を作りましょう。

さらに、

「Aを片付けるかBを片付けるか、もっと大変なCをするか」

という選択肢だと、AかBを選びたくなります。

片付けをして当然だという意識をもてるようにする

・「○○ちゃんのおもちゃでしょ。大事にしないと。」

名前を言って、自分が責任をもつようにする言葉です。

「片付けること=物を大切にすること」という気持ちも芽生えます。

似た言葉で、「○○ちゃんが出したんでしょ。」という言葉があります。

でも、子どもは自分が出したことを覚えていません。

後から他の子どもが遊んだとしたら、

出した人が片付けるか、最後に遊んだ人が片付けるか、という問題も発生します。

さらに、

「他の子どもが続けて遊ぶなら、出した人は片付けなくて良い」

と決めたとしても、まだはっきりしていません。

5つ出した物のうち、次に遊ぶ子どもが3つだけを使いたい場合、

残りの2つは誰も片付けません。

片付けやすい環境を作る

・「このお人形さんは、どこに片付けるんだっけ?」

まずは、片付ける場所を分かりやすいようにしておきます。

子どもに尋ねることで、「教えてあげよう」という気持ちで、自然に片付けができます。

最初は、全部一か所に放り込むことから始めて、だんだん分けていきましょう。

当然、段階を追っていく手間はかかります。

片付ける場所が分からないものを入れる容れ物があると、場所を覚えていない子供も片付けに参加できます。

片付けやすいタイミングで片付ける

・「服も洗わないといけないし、スコップも洗おうか。」

外遊びをしていて、服が濡れてしまったときに、ついでに道具も洗ってしまいます。

片付けやすいタイミングというのは、あくまでも、子どものタイミングです。

服が濡れても、そのまま遊ぶ子どもには通用しません。

基本的には、遊びきったら、「さあ、片付けるか。」の一言で片付けできます。

子どもの心情に訴える言葉

おもちゃの気持ちを代弁する

・「おもちゃもおうちに帰りたいって言ってるよ。」

外で遊んで帰るときに言う言葉です。

ご飯の前の片付けなら

「おもちゃもおうちでご飯を食べるからね。」

などと、状況に合わせて使いましょう。

年齢が高くなると使えなくなってきます。

片付けると気持ちが良いと思えるようにする

・「きれいになって気持ちが良いね。」

片付け終わったときに言う言葉です。

片付けをすること=気持ちの良いこと

と思えると、次からも片付けようという気持ちになります。

片付けた後の疲労感の中では、なかなか言えませんけどね。

本心から言いましょう。

周りの人が喜んでいることを伝える

・「〇〇ちゃんが片付けてくれると嬉しいな。」

大好きなお母さんや先生のために、一生懸命片付けるようになります。

「片付けないと悲しい。」

「片付けないと残念だ。」

などと、強迫にならないようにしましょう。

大好きな人を引き合いに出す

・「消防士さんは、片付けもきれいにしてるよ。」

子供が大好きな人を、片付けの場面に登場させてみましょう。

子供が大好きな恐竜は、多分片付けはしませんが。

恐竜だったとしたら、「ご飯をたくさん食べる」「泣かなくて強い」

などで登場させましょう。

見通しをもって片付けができる言葉

・「ここ、どういう風にしとく?」

これは片付けの上級編です。

遊びが何日も続いていくときに使う言葉です。

「次の日のために、どのように残しておくか」という意味です。

ですので、まっさらに片付けるのであれば、この言葉は使えません。

下準備として遊びの前や最中に「今日はどこまでやる?」という話もしておきましょう。

まとめ

本物の魔法は、状況によって使い分けないといけません。

それに、術者のレベルが高くならないと使えない魔法もあります。

片付けの場面での、魔法の言葉も、状況を良く見て使い分けてくださいね。

1人1人に合った言葉があるはずです。

そして、1人1人に合った言葉も、時が経つと変わっていきます。

どの言葉がぴったりくるか、楽しんで探してくださいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。