「週のねらい」と「活動のねらい」は別物と思うしかない。
関連付けたいけど上手くいかない。
そんなこと考えてる時間が無い。
このように思ってあきらめているあなたのための記事です。
今と同じくらい、短時間でねらいを決めることができて、さらに、「週のねらい」と「活動のねらい」に関連をもたせることができたら…保育が変わりますよ。たとえ、すぐには変わらないとしても、「これでいいのかな」と感じていたモヤモヤが少しすっきりします。
そもそも「活動のねらい」ってどうしてる?
今週、製作活動で何作ろうかな…。ググってみたら準備が楽そうなのあった。これにしよう。という決め方は、本日の前菜に迷ったイタリアンのシェフが、クックドゥの麻婆茄子に飛び付くようなもの。もちろん、家庭ではOK。プロは時短をするなら、店に合った業務用のものを買う。
— うち@島根保育塾代表 (@uchi70794834) May 31, 2021
こんなツイートをしてみました。
でもね、誰だってゼロから考えるのは大変です。私は、雑誌やサイトに載っている作品を参考にすることは大いにやれば良いと思っています。
ただ、そこに書いてある活動のねらいは丸写しにするのではなく、プロの仕事として、週案などと関連付けましょう。そこに書いてある活動のねらいは、あなたの目の前にいる子どものために書かれたものではないからです。
ねらいを関連付けるために必要なたった1つのこと
「そもそも、週案にねらいをどう書けば良いか分からない」という人もいるでしょうが、ここでは触れません。関連記事があるので、読んでみてください。
伝わりやすい保育指導案の書き方【ねらいと内容の違いを自信をもって説明する】
【1分で書ける】保育指導案の「ねらい」3つの書き方
さて、「週のねらい」と「活動のねらい」を関連付けるために必要なことは1つだけです。
「活動のねらい」は、「週のねらい」を少し変えて書く
考えることはこれだけでOKです。
「それだけ言われても書けるわけない」と思った人のために、具体例を挙げて続きを書きますね。
週案と活動のねらいを関連づける例その1
- 保育者や友達がしていることに興味をもち、自分も同じようにしようとする
という週のねらいがあったとしましょう。これを少し変えてみます。「何に」興味をもつか、結果、「どうするか」。「何」と「どうする」の部分を、あなたがしようとする活動の内容に置き換えれば良いだけです。ただ、「興味をもったことを同じようにしようとする」がねらいだとしたら、「どうするか」の部分は大きく変わりません。
製作の場合
製作だとしたら、何に興味をもってほしいんでしょう?素材?形?色?製作過程?できあがったもので遊ぶこと?「あ、これ作ったら面白そうだな~」と、あなたが思ったのはなぜでしょう?保育者が「面白そうだな~」と思ったことをする。それを見て興味をもつ。という活動をすれば、週のねらいとつながることになります。
- オモチャの動きに興味をもち、同じように作ろうとする。
- 友達が作ったものに興味をもち、どうすれば同じようにできるか考える。
- カラフルな素材に興味をもち、自分なりに組み合わせる。
ダンスの場合
ダンスだとしたら、何に興味をもってほしいんでしょう?面白い動き?ちょっと難しい振り?リズム?みんなで一緒な動きをすること?
- いろんな動物になることに興味をもち、できるだけ保育者と同じポーズをしようとする。
- 友達が考えたポーズに興味をもち、同じようにポーズすることを楽しむ。
- 面白い振りと効果音に興味をもち、同じ振りをしたり効果音を声で表現したりする。
週案と活動のねらいを関連づける例その2
たとえば、「表現」や「言葉」に関する週のねらいがあったら、どうなるんでしょう?
- 自分の思いを出しながら、したい遊びを楽しむ。
という週のねらいがあったとしましょう。
製作の場合
「思いを出す」って漠然としていますよね。ここを具体的にしてみましょう。「したい遊び」って、他の遊びはさすがにダメでしょうかね?「その子どもなりの方法」と考えると、活動の楽しみ方がいろいろとありそうです。
- 「わあ!」「キャー」などと声をあげ、絵の具の感触を楽しむ。
- 存分に紙をちぎったり丸めたりすることを楽しむ。
- 塗りたい色を探して、絵の具を混ぜることを楽しむ。
- 思い通りにできない部分があっても、自分が作ったものに満足する。
- 「難しい」「できない」などと言いながらも、自分なりのやり方で作り上げるようとする。
- より細く切ろうとする、真っ直ぐ貼ろうとするなど、丁寧に作る。
- キレイに作ろうと、材料をピッタリ重ねたりノリを丁寧に塗ったりする。
これ、何歳の何月はこのねらいで…とかではありませんからね。このサイトでは、あえて「何歳向け」という表現を極力少なくしています。自分の目の前にいる子どもだとどうなるかということを考えてみてください。
ダンスの場合
ダンスの場合、「思いを出す」だと、具体的にどうなるんでしょう?どこを見ると、「思いを出している」と分かるんでしょう?声、表情、動きなど、記録するときの視点でもあります。
- 笑ったり声を上げたりしながら、思うように体を動かすことを楽しむ。
- 真剣な表情を見せるなど、集中して、曲に合わせることを楽しむ。
- 大きく体を動かし、体全体で表現することを楽しむ。
あくまでも、たとえばの話をしていますからね。「たとえば、週のねらいがこうだとしたら、こんな考え方ができるな」という例を、私が思い付くままに挙げているだけです。このねらいを書いておけばOKではありませんからね。
参考にするのは、あなたが書いた週案の、あなたの目の前にいる子ども達のことを書いたねらいです。そのねらいを通して見ることで、同じ物を作り、同じダンスを踊っても、子どもへの援助や声のかけ方が変わってくるんです。
まとめ
「週のねらい」と「活動のねらい」を関連付けるために必要なことは1つだけです。
「活動のねらい」は、「週のねらい」を少し変えて書く
こうすることで、同じ活動をしたとしても、子どもを見る視点が変わり、援助や声のかけ方が変わってきます。複数の活動をしても、自由に遊んでいる場面でも、一貫した働きかけができるようになってきますよ。
この記事の内容を、より深く理解し、他の場面についても保育指導案に書くことができるよう、「保育塾ベーシック」についての詳しい内容を読んでみてくださいね。
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。