保育指導案を目の前に置いて固まっているあなた。
「ねらい」は1つ1分で書いてしまいましょう。
保育雑誌などから写すのではないですよ。写そうと思うと、探すのに1分以上かかりますから。
この記事では、保育指導案に書く「ねらい」を1つ1分で書き終わる書き方を3つお伝えします。「ねらい」が決まらずに固まっている時間を、他のことに使いましょう。
「ねらい」を1分で書き終わる書き方はこの3つ
保育指導案の「ねらい」を1分で書く方法は次の3つです。
- 前回の「ねらい」に書いてある物事の変化をそのまま書く
- 前回の「ねらい」を見直したものをそのまま書く
- 記録に書いてある子どもの姿をまとめて書く
実は、この記事の文章は、「育ちの連続性」を踏まえた保育指導案の「ねらい」3つの書き方と、多くの部分が同じです。1分でかける「ねらい」の書き方と、子どもの育ちの連続性を踏まえた「ねらい」の書き方は、同じなんですよ。
1つずつ説明しますね。
前回の「ねらい」に書いてある物事の変化をそのまま書く
まずは、前回の月案や週案に書いてある「ねらい」を見てみましょう。
今回は、週案を書くとして話を進めますね。
前の週に書いてある「ねらい」の1つが
◯木の実や葉っぱが色づく様子などから自然の変化を感じる
だったとします。
自然の変化は、ほんの1週間では終わりません。次の週の変化も大きかったら、子ども達には、その変化も感じてほしいですよね。ですので変化の続きを書けばいいんです。このねらいの「自然の変化を感じる」という部分はそのままで、木の実や葉っぱの変化の様子を、見られた通りに書けばいいんです。
◯木の実や葉っぱが地面に落ちる様子などから自然の変化を感じる
「木の実の赤ちゃんを見つける」「木の実がなる」「木の実がたくさんになる」「木の実が色づく」「様々な色の木の実を見つける」「木の実の色の変化に気付く」「木の実を眺める」「木の実が落ちる」「木の実を拾う」「木の実を集める」「木の実を遊びに使う」「木の実を材料にする」「木の実で遊ぶ」「木の実を埋める」
木の実に関わることだけを、ザッと書いてもこれくらい出てくるんです。他にも、葉っぱの様子、木の様子、花の様子、生えている植物の種類など、あなたの目の前の自然の様子を、そのまま書けば「ねらい」のネタに困ることはありませんよ。
前回の「ねらい」に書いてある物事の変化をそのまま書けば、「ねらい」を書くのに1分もかかりません。
前回の「ねらい」を見直したものをそのまま書く
まずは、前回の月案や週案に書いてある「ねらい」を見てみましょう。
先程と同じく、週案を書くとして話を進めますね。
「ねらい」の例も同じで
◯木の実や葉っぱが色づく様子などから自然の変化を感じる
だったとします。
1週間を振り返ったときに、「何か予想通りいかなかったな」「思ってた姿と違うな」ということがありますよね。というよりも、必ずどこかは違うはずです。私たちは予言者ではないので、子ども達の姿をピタリと言い当てることなんてできませんから。それでも、少しでも向上するために振り返り、見直しをするんです。
見直したときに
「自然の変化を感じる」って書いたけど、変化に目が向いているわけじゃなかったな。でも、実がなってるの見つけて喜んでたから、「興味をもつ」とか書いておけばよかったな・・・。
と思ったとしたら、そのまま書けばいいんです。
◯木の実や葉っぱが色づく様子など、自然に興味をもつ
「え?ちょっと待って。終わったことなのに、また同じ事書いていいの?」と思う人もいることでしょう。いいんです。前週は「自然の変化を感じる」という「ねらい」を達成するつもりで、「内容」や「援助」を考えていたんですよね。ということは、「興味をもつ」が達成されているはずありませんから。これは同じことではなく、新たな「ねらい」です。
また、「自然の変化を感じる」という姿は一応あったけど、数人だけだった。という場合は、次の週も同じ「ねらい」にすることはあります。その場合、何も変えなかったら、次の週も同じ結果になってしまうので、「援助」は前週と変えていきます。
前回の「ねらい」を見直したものをそのまま書けば、「ねらい」を書くのに1分もかかりません。
子どもの姿をまとめて書く
先程と同じく、週案を書くとして話を進めますね。
前回の「ねらい」は、上2つと同じく
◯木の実や葉っぱが色づく様子などから自然の変化を感じる
だとします。
今度は、前週の記録を見てみましょう。「木の実や葉っぱが色づく様子などから自然の変化を感じる」という、この「ねらい」に関わる子どもの姿の記録を見ます。もし、記録を書いていないのであれば、一生懸命思い出すしかないです。
そういえば、公園で拾った葉っぱを園に帰ってから見たとき、AちゃんとBちゃんは、葉っぱの色の違いにこだわって集めてたな。Cちゃんは、いろんな形の葉っぱを集めてたな。
ということを思い出したとしましょう。思い出したということは、あなたがする保育にとって大事なことなんです。他の子ども達にも、同じような経験をしてほしいから思い出したんです。「ねらい」にできます。
◯木の実や葉っぱの色の変化や、形、大きさの違いなどに興味をもつ
記録に書いてある子どもの姿をまとめて書けば、「ねらい」を書くのに1分もかかりません。
と言いたいところですが、文をまとめるのに慣れていない人は、もう少し時間がかかります。ポイントは、数人だけに見られた姿をまとめることです。みんなに見られた姿なら、もう達成されていますからね。始めのうちは上手くいかなくて当然です。指導する立場の人が、「こんな書き方もあるよ」と教えることができたら良いですね。そのうち書けるようになります。
まとめ
保育指導案の「ねらい」を1分で書く方法は次の3つです。
- 前回の「ねらい」に書いてある物事の変化をそのまま書く
- 前回の「ねらい」を見直したものをそのまま書く
- 記録に書いてある子どもの姿をまとめて書く
この3つに共通しているのは、「すでに書いてあることを少しだけ変える」ということです。1から考える必要がないので、時間がかかりません。しかも、前回と今回の「ねらい」につながりができる方法です。時間をかけないことと手を抜くことはイコールではありませんからね。
実は、この記事に書いてある文章と、ほとんど同じ文章で書いてある記事があります。「育ちの連続性」を踏まえた保育指導案の「ねらい」3つの書き方という記事です。同じ書き方で、子どもの育ちの連続性を踏まえた「ねらい」を書くことができるんです。合わせて読んでみてください。
この記事の内容を、より深く理解し、他の場面についても保育指導案に書くことができるよう、「保育塾ベーシック」についての詳しい内容を読んでみてくださいね。
または、コチラの記事
伝わりやすい保育指導案の書き方【ねらいと内容にぴったりの言葉が思い浮かばない人へ】
を読んでみましょう。
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。