・週案の「ねらい」と月案の「ねらい」が、そっくりになる
・週案の「ねらい」と月案の「内容」が、同じようになる
・週案の「内容」と月案の「内容」の区別がつかない
こんな風に思っている人はいませんか?
それぞれ、アリなんでしょうか?似てしまったらマズいんでしょうか?
この記事では、【保育指導案の「ねらい」や「内容」が、以前に設定した「ねらい」や「内容」と、似てしまう問題】に答えを出しています。
今回は、月案と週案で説明をしていますが、期案と月案や、週案と日案の場合にも通用する考え方です。
簡単な例を挙げて説明するので、気持ちを楽にして読んでくださいね。
週案の「ねらい」と月案の「ねらい」は違う表現になる
まずは、月の目標(ねらい)と、週の目標(ねらい)を、似たような表現で書いてみます。
保育の例を出すと、文が長くなって読みづらいので、気楽に読めるように、バレーボールの話をします。
今月の目標(ねらい)
〇サーブレシーブを強化する
今週の目標(ねらい)
〇サーブレシーブの課題を見付ける
来週の目標(ねらい)
〇サーブレシーブに慣れる
「サーブレシーブ」という単語が入っていて、月の目標と、週の目標が、関連していることが分かりやすいです。
次は、週の目標を具体的に書いてみます。
今月の目標(ねらい)
〇サーブレシーブを強化する
今週の目標(ねらい)
〇サーブレシーブについて、チームの課題と自分の課題を見付ける
来週の目標(ねらい)
〇サーブに対して体が自然に動くまで数をこなす
「課題を見付ける」は、他にも、
「できること、できないことを理解する」とか、「課題を見付け、それぞれが目標をもつ」
などと言えそうです。
「数をこなす」「慣れる」は、
「フローターサーブを中心に、サーブに慣れる」とか、「いろいろなサーブを経験する」
などと言い換えることができます。
- 週の目標(ねらい)を月の目標(ねらい)と似た言葉で書くと、シンプルで見やすいです。
- 週の目標(ねらい)を具体的に書くと、「何をするか」が分かりやすいです。
保育指導案を読む人に、伝えたいことは何でしょう?
「私はこんな保育をしますよ」「今週の保育については、こんなことを考えていますよ」ということが伝わらないといけません。
ですので、月案よりも、週案の方を具体的に書きます。
日案、当日案は、もっと具体的です。
結論
週案の「ねらい」は、月案の「ねらい」よりも具体的に書くので、月案の「ねらい」とは、違う表現になります。
週案の「ねらい」と月案の「内容」は、似た表現になることもある
週案の「ねらい」と月案の「内容」は、似た表現になることも多いです。
まずは、「内容」って何だったかというと、
内容は、ねらいを達成するために指導する事項である。
保育所保育指針解説、幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説にも、同じように書いてあります。
「内容」は、「ねらいを達成するために、具体的に何をするか」「ねらいを達成するための方法」ということですよね。
- 月案の「ねらい」を達成するために、「具体的に何をするか」を書くと、月案の「内容」になります。
- 月案の「ねらい」を、もっと具体的に書くと、週案の「ねらい」になります。
ということで、
月案の「内容」と、週案の「ねらい」は、似た表現になることがあります。
バレーの「ねらい」と「内容」で具体的に言うと
今期の目標(ねらい)
〇大会で優勝する
今期の目標を達成するために指導すること(内容)
・サーブレシーブを強化する
・攻撃のパターンを増やす
・戦術の理解を深める
「今月の目標」だった「サーブレシーブを強化する」が、「今期の内容」でも、おかしくないですよね。
同じように、月の「内容」が週の「ねらい」になることはあります。
具体的に書くと、全く同じ表現には、なりにくいと思いますが。
「ねらい」は「心情、意欲、態度」でしょ。
ということを考えると、月案と週案の違いはあっても、「ねらい」と「内容」の表現は同じにならないはずですよね。
と思った人もいるかもしれませんが
「ねらい」は「心情、意欲、態度など」です。
この章に示すねらいは、幼稚園修了までに育つことが期待される生きる力の基礎となる心情、意欲、態度などであり、内容は、ねらいを達成するために指導する事項である。
「心情、意欲、態度など」ってことは、「心情、意欲、態度」ではないことも「ねらい」になります。
このことについて、さらに詳しく知りたい人は「ねらい」書き方はどう変わる?改訂前と改訂後を読んでください。
そして、「内容」にも、「心情、意欲、態度」のことを書くことがあります。
「友達との関係を深める(ねらい)」ために、「友達に対して、優しい気持ちで接する(内容)」場合は、「ねらい」ではなくて、「内容」の方が「心情、意欲、態度」です。
ということで、
月案の「内容」と、週案の「ねらい」が、似た表現になることは、全く問題ありません。
同じにはならないでしょうけど。
週案の「内容」と月案の「内容」は違う表現になる
週案の「内容」と月案の「内容」は、似ることは無いはずです。
- 月案の「ねらい」を達成するために、「具体的に何をするか」を書くと、月案の「内容」になります。
- 月案の「ねらい」を、もっと具体的に書くと、週案の「ねらい」になります。
- 週案の「ねらい」を達成するために、「具体的に何をするか」を書くと、週案の「内容」になります。
もっと簡単に言うと、
- 月案の「ねらい」を1段階だけ具体的にしたのが月案の「内容」
- 月案の「ねらい」を2段階だけ具体的にしたのが週案の「内容」
ということは、
月案の「内容」と週案の「内容」は、違う表現になるはずです。
月案の「内容」よりも、週案の「内容」の方が具体的ですから。
まとめ
「ねらい」と「内容」って、ややこしく感じてしまうことがあります。
でも、これからは、
今週の「ねらい」が、月案の「内容」とそっくりになってしまったけど・・・いいのかな?
などと悩む必要はありません。
- 週案の「ねらい」と月案の「ねらい」は違う表現になる
なぜなら、週案の「ねらい」の方が、月案の「ねらい」よりも、具体的だから。
- 週案の「ねらい」と月案の「内容」は、似た表現になることが多い
なぜなら、週案の「ねらい」と月案の「内容」は、両方が、月案の「ねらい」より1段階だけ具体的だから。
- 週案の「内容」と月案の「内容」は違う表現になる
なぜなら、週案の「内容」は、月案の「ねらい」を2段階だけ具体的にしたもので、月案の「内容」は、月案の「ねらい」を1段階だけ具体的にしたものだから。
期案の「内容」と月案の「ねらい」、週案の「内容」と日案の「ねらい」も、同じような関係です。
全ての場合に当てはまるものではないかもしれませんが、保育指導案を書くときの目安としておくと、迷いがなくなります。
「保育指導案の書き方をもっと詳しく教えてよ」という人は、下の画像をクリックして、「保育塾ベーシック」についての詳しい内容を読んでみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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また、この記事を読んだ後なら、
伝わりやすい保育指導案の書き方【ねらいと内容にぴったりの言葉が思い浮かばない人へ】
の後半部分が分かりやすくなると思います。
読んでみてください。