【怒ると叱るはどう違う?】怒ったときの行動を具体的に考えると比べるものでもないことがよく分かるという話

あなたは「怒る」と「叱る」の違いがハッキリ分かりますか?「怒るよりも叱る」なんて言われることもありますが、実は、「怒る」と「叱る」はどちらが良いとか悪いかとかを比べるものでもないんですよ。具体的に考えてみると、それがよく分かります。どちらが良いとかではなくて、この記事を読んで具体的に考えてみませんか?

「怒る」は感情的?

「怒る」と「叱る」の違いについて話されるとき、「怒る」は感情的だと言われることがあります。確かに、「叱る」と比べると感情的だという印象です。というよりも、「怒」の字の中に「心」が入っていますよね。感情的どころか、「悲しみ」「喜び」「驚き」などと同じく、感情を表す言葉なんですよ。「怒る」は動詞なので、感情を表す言葉としては「怒り」となりますが。この、「怒り」の感情が行動に表われると「怒る」になりそうです。では、具体的に考えて、「怒る」とはどのような動きなんでしょうか。

「怒る」を具体的に考えると

人は怒りを覚えたとき、どのような行動をとるのでしょうか。「ブチ切れる」「激高する」「逆上する」なんて言葉もありますけど、どれも具体的な動きを表現してはいませんよね。たとえば、「声を荒らげる」はよくあるでしょう。感情が昂ぶって「身体が震える」とか「声が震える」とか。「声が上ずる」や、逆に「声が出なくなる」ということもありますね。でも、これらは「怒り」だけではなくて、「緊張」とか「悲しみ」とかでも見られるようなことですね。意図的にすることではなく、無意識で起こることです。

意図的に「怒り」を表現するために、わざとキツい言葉を使うとか、机を叩くなどをする人もいるでしょう。反対に、深呼吸して落ち着くようにしたり怒りを押さえようと手を握りしめたりする場合もあります。声は出さなくても睨みつけるとか。怒ると敬語になるなんて人もいますよね。怒りをエネルギーにして、見返すために勉強する…という話を聞いたこともあります。

小さいうちは、「怒る」が分かりません。実際には、めちゃくちゃに怒っていても、「これは怒りという感情だ」ということが自分で分からないんです。他人が怒っていることについては、なおさら分かりません。ですので、子どもがしたことに対して怒りの感情が生まれたときには、「今私は怒っているんだよ」を伝えることも必要です。「こんなことをしたら、相手は嫌な気持ちになったり怒ったりするんだ」という直接的な経験は、いくら本を読んでも勉強しても得ることはできません。

「叱る」を具体的に考えると

「叱る」とは「目下の者の言動のよくない点などを指摘して、強くとがめる」という意味なので、言い方がキツいんですよね。「強くとがめる」ですから。そこが前提にあるので、「叱る」という文字には「口」が入っているんですね。この、「強くとがめる」が良くないのではということで、「もっと穏やかな口調で叱る」という人がいますが、それは「叱る」ではなくて「諭す」です。

「叱る」を他の言葉と比べると

改めて、「強くとがめる」って相当きついんですよ。「とがめる(咎める)」の時点で、「あやまちや罪を指摘し、非難する。なじる。」という意味なので。さらに、「叱る」は「目下の者」に対する言葉なんですよね。「叱る」という言葉を使う時点で、相手を下に見ているんですよ。

では他にどんな言葉があるかというと、

  • 「それはよくないでしょう」を目下の者に向かって強く言うのが「叱る」
  • 目下の者に穏やかに言うのが「諭す」
  • 同輩、目下に言うのが「忠告する」
  • 目上に言うのが「諫言する」

それぞれに「怒り」を含んでいるかもしれないし、含んでいないかもしれない。…という関係ですね。

では保育ではどうするか…という話は、他の記事で書いています。他の働きかけをしっかり考えていれば、叱る必要は驚くほど無くなっていきますよ。
【叱る以外に何がある?】プロの「叱らない保育」の秘密
【叱るとは?】叱る派も叱らない派も同じことをしている場合があるので子どもへの具体的な対応で語ろうという提案
【暴力?いじめ?】問題行動・好ましくない行いが見られる前に考えておきたいこと

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保育塾代表
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公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。