あなたは保育で合奏をするときに、子ども達をどれくらい褒めていますか?できない部分をどれくらい指摘しますか?
私は年間を通した小学生バンドの指導を中心に、20年以上いろんなバンドの指導をしています。今回の記事では、主に小・中学校の先生達が合奏中に行っている声かけを参考に、「褒めること」「指摘すること」に注目して紹介します。少しでもヒントになれば幸いです。
保育で合奏をするときに大事なことは
まず、保育で合奏をする場合に大事にしたいことを考えてみましょう。
もちろん、楽しむことですよね。
合奏に限らず、他の全ての遊びをするときに大事なことです。合奏は遊びではないという感覚の人もいるかもしれませんが、楽しむか楽しまないかというと、「それは楽しんだ方が良いでしょう」となるのではと思います。
ということで、「褒める」とか「指摘する」とかではなく、「楽しめるようにする」ということを大前提として考える必要があります。それについては、以下の2つの記事を参考にしてください。
【発表会・演奏会】合奏で「練習」をする必要があるときに子どもが前向きに「もう一回」したくなる言葉かけ
【もう1回やりたい!】幼稚園・保育所の「楽しい」合奏の教え方3つのポイント
「褒める」と「指摘する」の組み合わせ
特に、長年やっていると自分のやり方が固まってきて、「何がマズいんだろう」とか「もっと上手く指導するためには」ということを具体的に考えなくなってしまうんですよね。毎回同じように褒め、同じように指摘することになります。ということで、小中学校の先生が合奏を指導するときに、どのように「褒める」や「指摘する」を行っているのか、ここでは大きく3パターンに分けてみます。
できてない部分の指摘だけをする
合奏を止めて「ここができていない」「練習不足」などと言った後、「では次の曲」というような指導をする人がいます。これだとただの悪口なんですよね。そして、子ども達に丸投げです。その場で練習時間を与えてもらえば、すぐに見直すこともできます。が、それもさせてもらえない状況だとどうなるか。上手くならないんです。毎回同じ状態を繰り返すことになります。保育の場合は、「できていない部分を子どもが練習」なんてことはできませんから、指摘だけする意味はありません。他のやり方を考える必要がありますね。
できてない部分を指摘した後できるようになったら褒める
小中学校では「ここができていない」ということを指摘した後、「じゃあそこに気をつけて、もう一回やってみよう」というような指導はよく見られます。私が今まで見てきた中では、特に中学校ではできても褒めない指導者が多い印象です。「はいOK」くらいな感じで伝える人が多い気がします。高校だと褒めない人はさらに多いですね。保育中、「もう一回」をやった後に褒めていますか?「できる・できない」で考えず、それ以外の声かけをしていますか?このことについては記事の終わりに改めて書いていますので、そこで考えてみましょう。
まず褒めた上でもう一度する
私が今まで出会った指導者で、「合奏をした後にまず褒める」という人は少数派です。そして、そのバンドは大体上手いです。共通しているのは、「褒めるだけではない」ということです。「褒めてから指摘もする」とか、「褒めて子どもの意識を高めた上でもう一度する」なんですよね。この、「いい感じだね。もう一回聞かせて」という声のかけ方だと、幼児でも気分良くもう一回できますね。
「褒める」「指摘する」の視点が違う場合
ごくたまに、「(演奏を上手に)できる・できない」ではないところを指導する先生がいらっしゃいます。たとえば、「子どもが自分で決めた目標を実行できたか」ということを振り返ることができるような声かけをされるんですよ。演奏が上手くできたかどうかにはあまり触れずに練習を進められます。このようなバンドは、子どもが向上心をもって、自分でどんどん練習を進めていくようになります。
保育で目指すところも、「できる・できない」よりもこの方向かなと思います。簡単ではありませんが。楽しむことを目指して、「上手くできてたよ」よりも、「Aちゃん、すごく楽しそうな顔してた」という視点で合奏してみてはいかがでしょうか。
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
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