あなたは子ども達の遊びがエスカレートしたとき、どうしていますか?危ないから止めていますか?それとも、子ども達に任せているのでしょうか。今回は、子ども達が言い合ったり手を出してしまったりするときの対応を考えてみましょう。あまりにも頻発するときには、起こらないようにすることが大事ですが、そうでない場合はいざこざも必要なんですよ。
いざこざや言い合いが子ども達に必要なワケ
子ども達の「いざこざ」や「言い合い」って必要なことです。簡単に言うと、「経験しなければ相手との付き合い方も分からないから」なんですよね。小学生や中学生になってから互いに手を出すと大変なことになります。いざこざは幼児の時点で必修なんです。一応、誤解の無いように言っておきますが、「手を出しましょう」ということではありません。「周りの子どもがやっているのを見て、保育者が仲介しているのを見て考える」でもOKです。
いざこざは「体験」ではなくて「経験」しても良いということです。体験しても良いですけど。「体験」と「経験」については、コチラの記事をご覧ください。
「体験」と「経験」の意味と違い-実は幼い子どもの方が○○するんです
保育所保育指針解説に書いてあること
「いざこざを通した経験が必要」というのは、私の個人的な意見ではなく、保育所保育指針解説に書いてあることです。3歳未満児で、すでに必要なんですよ。書いてあるのは5領域でいうと「人間関係」の部分です。ちょっと引用しますね。
関わりが深くなるからこそいざこざが見られる
④ 保育士等の仲立ちにより、他の子どもとの関わり方を少しずつ身につける。
引用元:保育所保育指針解説
~(前略)~しかし、自分と他者の気持ちの区別はできにくいため、他の子どもと関わりを深めていく中で、自己主張し合ったり、いざこざが起きたりすることも多くなる。~(後略)~
「他の子どもと関わりを深めていく中で」と書いてあります。いざこざは、子ども同士で関わりを深めていく中で出てくることなんですよね。しかも「多くなる」なんです。反対に言うと、自己主張(言い合い)やいざこざが見られないクラスは、子ども同士の関わりが深まってないかもしれないんですよ。
では、いざこざが見られるような時に保育者がどう関わるか。それは続きに書いてあります。ちょっと文が長いので、箇条書きにしますね。文を短くしたので、正確には保育所保育指針解説を読んでください。
いざこざが見られるようなときに、保育者はどうするかというと…
- 生活の様々な場面で子ども同士の多様な関わりがもてるようにする
- 自分の思いを相手に伝えることができるようにする
- 相手にも思いがあることに気付くことができるように仲立ちする
- 具体的な関わり方の見本を実際にしてみたり言ってみたりして示す
いざこざを含む経験を重ねるからこそきまりに気付く
⑤ 保育所の生活の仕方に慣れ、きまりがあることや、その大切さに気付く。
引用元:保育所保育指針解説
~(前略)~例えば、遊具を使って十分に遊び、楽しかったという経験を積み重ねると、その遊具へのこだわりや愛情をもつようになり、他の子どももそれを使いたい時に、その遊具を巡っていざこざが起きることがある。
先ほど引用した部分の続きにも、また「いざこざ」という言葉が出てきます。このときの対応をよく読んでみてください。
こういった時、保育士等は直ちにきまりを伝えたり、守らせたりするのではなく、まずは子ど
引用元:保育所保育指針解説
もの思いを十分に受け止め、相手の思いもあることに気付くようにする。このように、子どもが充実した生活や遊びの中で経験を積み重ねることで、自らきまりの大切さに気付くよう援助することが大切である。
まず、「直ちにきまりを伝えたり、守らせたりするのではない」なんですよね。そして「経験を積み重ねる」とも書いてあります。どんな経験かというと、「いざこざが起こったときに思いを十分に受け止められる経験と、相手の思いもあることに気付く経験」です。その経験を積み重ねて「自らきまりの大切さに気付く」なんですよ。正直な話、3歳未満児でこれを求められても厳しいですよね。
3歳以上児については、ぜひ 保育所保育指針解説 を読んでみてください。いざこざの他にも、「どう保育をしていくか」ということがたくさん書いてありますよ。
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。