保育指導案の「ねらい」には何を書く?―迷う人・ちょっと分からなくなってしまった人へ―

あなたは、「ねらい」に何を書こうかな…と、迷ったり分からなくなってしまったりしたことはありませんか?そのようなとき、思い出してもらいたいことがあります。それは、「子どもの心に注目する」ということです。しようとしている保育は子どもの心が動くことなのか、心の育ちにつながるのか。そう思えるようなヒントをお伝えします。

「ねらい」とは

まず、ねらいとはなんなのか、改めて見てみましょう。外せないのは幼稚園教育要領や保育指針です。とにかく、これが一番重要なので引用しますね。

この章に示すねらいは,幼稚園教育において育みたい資質・能力を幼児の生活する姿から捉えたものであり

引用:幼稚園教育要領

この章に示すねらいは、幼保連携型認定こども園の教育及び保育において育みたい資質・能力を園児の生活する姿から捉えたものであり

引用:幼保連携型認定こども園教育・保育要領

この章に示す「ねらい」は、第1章の1の⑵に示された保育の目標をより具体化したものであり、子どもが保育所において、安定した生活を送り、充実した活動ができるように、保育を通じて育みたい資質・能力を、子どもの生活する姿から捉えたものである。

引用:保育所保育指針

「資質・能力」がなんなのか、よく分からない人は置いておきましょう。また、以前から保育をしている人は、「心情、意欲、態度」という言葉を覚えている人も多いと思います。これも、ここではちょっと置いておきます。この記事を読む人は、迷ったり分からなくなってしまったりしている人でしょうから、簡単に考えられるように進めていきます。どうしても気になる人は、次の記事を読んでみてください。
「ねらい」の書き方はどう変わる?改訂前と改訂後
書いてあることは少し難しいです。

簡単に言うと、「改訂前も改定後も、基本的には変わらないので、ねらいの書き方も変えなくてよいですよ」ということが、そう言える根拠と共に書いてあります。

第2章に書いてある「ねらい」の文末を見る

では次に、教育要領や保育指針に書いてある、ねらいの文末を見てみましょう。文末だけ見てみると、ねらいは心に関することが主であると分かります。※ここでは、文字ができるだけ少なくなるように抜粋しています。

乳児のねらいの文末

健やかに伸び伸びと育つ
➀感じる
②しようとする
③感覚が芽生える

身近な人と気持ちが通じ合う
➀感じる
②通わせようとする
③愛情や信頼感が芽生える

身近なものと関わり感性が育つ
➀興味や関心をもつ
②関わろうとする
③表現する

主に子どもの心に関わることが書いてあると分かりますね。

5領域(1歳以上3歳未満)のねらいの文末

健康
➀楽しむ
②しようとする
③気持ちが育つ

人間関係
➀感じる
②関わりをもとうとする
③気付く

環境
➀興味や関心をもつ
②しようとする
③感覚の働きを豊かにする

言葉
➀感じる
②伝えようとする
③気持ちを通わせる

表現
➀味わう
②しようとする
③イメージや感性が豊かになる

これも、心、気持ち、感覚のことばかりですよね。

5領域(3歳以上)のねらいの文末

健康
➀味わう
②しようとする
③行動する

人間関係
➀味わう
②楽しさを味わい、愛情や信頼感をもつ
③身に付ける

環境
➀興味や関心をもつ
②取り入れようとする
③感覚を豊かにする

言葉
➀味わう
②味わう
③心を通わせる

表現
➀豊かな感性をもつ
②楽しむ
③楽しむ

満3歳以上も、やっぱり心に関することが並んでいると分かりますね。今回は、ちょっと分からなくなってしまった人や、迷っている人がまとめて考えやすくなるために、私が勝手に短くしているので、改めて保育指針や教育要領を確認してください。

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ねらいや内容の表現について詳しいことを読みたい人はこちらの記事をご覧ください。
【伝わりやすい保育指導案の書き方】ねらいと内容にぴったりの言葉を見つけるための6つの方法
例文を使って詳しく説明しているので、かなり長いです。

「ねらいの書き方だけサクッと分かればいいよ」という人は【1分で書ける】保育指導案の「ねらい」3つの書き方を読んでください。

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。